年齢階層別・自転車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる(2014年)

2014/03/09 14:00

エコブーム、健康ブーム、ガソリン代の高騰、そして震災以降の交通手段におけるリスク分散の観点など多種多様な事由で、自転車への注目は高まりを見せている。それと同時に自転車が係わる事故も増え、不幸にも命を落としてしまう事例も生じてしまう。今回は2014年2月6日付で警察庁が発表した、2013年中の交通事故の状況をまとめた報告書「平成25年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について」を元に、年齢階層別の自転車乗用中における交通事故死者数の動向を精査していくことにする(【警察庁リリース発表ページ】)。

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増加に転じた自転車事故死亡者数


交通事故全体における死者数などは以前【年齢層別の交通事故死者数をグラフ化してみる】で精査した通りだが、今回は特定条件下(自転車乗車中)におけるものをカウントすることになる。

まずはデータが取得可能、あるいは過去の記事から参照できる2000年以降における、自転車乗用中の死者数推移(対自動車によるものが多いが、対歩行者・対二輪車・自転車相互・自転車単独までも含めた合計値)。下記のグラフはすべて、記事執筆時以降に修正された値が確認できる場合は、その更新された値のものに差し替えている。

↑ 自転車乗車中の死者数推移(-2013年)
↑ 自転車乗車中の死者数推移(-2013年)

少しずつではあるが確実に減少中だったものが、直近2013年では明らかに増加に転じてしまっている。後程詳しく精査するが、若年層では無く、中堅層・高齢層の増加が原因である。

中堅層から高齢層が増加


それではこれを年齢階層別に区切り、若年層(24歳以下)と高齢者(65歳以上)の比率推移を眺めることにする。絶対数の推移、そして各年の全体数に占める比率の推移の双方の切り口でグラフを構成し、状況を確認する。

↑ 自転車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)(-2013年)
↑ 自転車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:-24歳と、高齢層:65歳以上)(積上げ)(-2013年)

↑ 自転車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)(-2013年)
↑ 自転車乗車中の年齢階層別死者数推移(若年層:-24歳と、高齢層:65歳以上)(比率)(-2013年)

高齢層はややばらつきがあるが、2007年前後までは比率の上では増加傾向、絶対数は減少傾向にあった。つまり高齢層の人数そのものが増えていることもあり、他の年齢層と比べて死亡者数の減少率が小さく、結果として死者数全体における比率が増加したという形だ。そしてこの数年では、数・比率共に減少している。2011年は5年ぶりに6割を切った。

ところが2012年は再び大きな増加を示し、再び6割を大きく超え、2007年-2008年の水準に逆戻りしてしまう。これは人数そのものが379人から364人と、他の世代と比べてほとんど減っていない(マイナス4%足らず)のが最大要因。直近2013年では逆に、人数はやや増加したものの、全体数の増加率と比べれば大人しめで、結果として比率は多少ながら減少している。

一方若年層は比率・数共に漸減傾向だったものが、2007年以降は比率・数共にわずかずつだが横ばい、あるいは増加していた。数が100未満なので誤差の可能性も捨てきれないが、数年続くと単なる誤差で片づけるのも難しい。携帯電話を使用しながらの走行をはじめ、無謀運転が関与している可能性もある。2012年では大きな減少(前年比で3割近くの減)を示したが、2013年では再び増加に戻している。

絶対数が少ないため計算上のぶれの可能性も否定できないが、2013年における動向を詳しく見ていくと、若年層のみ減少し、中堅層・高齢層が共に増加。細かい内部数値まで観ていくと、40代から60代前半までの死者数が2割超えと大幅増加をしているのに対し、65歳以上は3%強に留まっており、中堅層からプレシニア層における死者数増加が全体値をかさ上げしているのが分かる。

↑ 自転車乗車中の死者数推移(2013年、世代別、前年比)
↑ 自転車乗車中の死者数推移(2013年、世代別、前年比)

15歳以下も2割台の増加だが、こちらは2013年でも22件で、誤差の可能性は捨てきれない。



自転車事故前世紀末から比べれば数そのものは減りつつあるが、「自転車事故による死者数の約2/3割が高齢者」という現実は否定できない。自転車に乗らないように、との指導はさすがに不可能だが、自分の体の具合・能力の限界と十分相談しながら、無理のない運転を心掛けてほしい。あるいは自動車免許のように、年に一度の講習を義務付けるなどの制度を設けるのも一案だろう。

それに加えて若年層に限らず、携帯電話を利用しながらの運転は厳に慎むべき。昨今ではスマートフォンの浸透が進んだことで、さすがに自転車を走らせながらタッチパネルを操作する事例は想定しにくいものの、ゼロとはいえない(通話は相変わらずよく見受けられる)。「絶対大丈夫だから」「注意が散漫になることはない」とは該当者が良く語る言い訳だが、それが飲酒運転をする人の言と何ら変わりがないことに気が付いてほしい。事故が起きれば本人だけでなく、巻き込まれた人もまた大きな悲しみを背負うことになるのだから。


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