2014年12月度外食産業売上マイナス2.8%…日取りの悪さと寒さで客が引く

2015/01/26 16:00

日本フードサービス協会は2015年1月26日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2014年12月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス2.8%を示すこととなった。客単価は堅調に推移したが、前年同月と比べると日曜日が1日少ないことに加え、北日本や日本海側では降雪に見舞われたこと、気温面でも寒い日が多かったことが外出機運の足を引っ張る形となり、客数は大きく減退。結果として売り上げは2か月ぶりにマイナスへ転じている(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が202、店舗数は3万1097店舗。今月は前月と比較すると事業社数は減少し、店舗数も減少している。

全業態すべてを合わせた2014年12月度売り上げ状況は、前年同月比で97.2%となり、2.8%の減少を記録した。これは先月から転じる形で2か月ぶりの減少となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では日曜日の数が1日少なく、ファミリー層の来客機会を損なう形となった。天候では冒頭にある通り北日本や日本海側で積雪があったことに加え、東京・大阪共に平均気温が前年比で1度以上も低くなるなど全国で気温が低く、これもマイナスに作用している。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から転じて2か月ぶりのマイナス(マイナス5.6%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風は、社会問題化した中国産鶏肉食材の問題そのものはほぼ終息しているが、アメリカ西海岸港湾施設における労使交渉の長期化に伴い発生したポテト不足が大きく足を引っ張る形となり、客数は1割以上の減少、客単価もマイナスに落ち込み、売上高はマイナス11.8%を計上してしまう。ちなみに洋風の主軸企業であるマクドナルド単体では12月付の月次売上高はマイナス21.2%(既存店)を示しており、多分に同社の影響が生じていることが分かる。一方でその他部門はここ数か月堅調だったアイスクリームがあまりにもの寒さから軟調となり、マイナスを示してしまった。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はマイナス3.7%、客単価は大きく上げてプラス7.7%と成し、売上もプラス3.8%と大きく躍進。客数がマイナスに転じたのは、昨年同月に主力の吉野家が鍋シリーズを投入したことで大きく客数を伸ばしたことの反動と見て良い(前年同月における客数の前年同月比はプラス11.2%を記録している)。

ファミリーレストラン部門は天候が大きく影響を受け、全区分で客数を減じている。しかし客単価は全区分でプラス、結果として売り上げは中華以外ではプラスを計上する形となった。ここしばらく大躍進を続けている焼き肉は、客数がマイナス3.3%、客単価プラス7.9%、売り上げはプラス4.3%となり、ファミレス部門中では最大の伸び率を示した。

パブ/居酒屋部門では元々不調な状況が継続しており、マイナス7.0%。もっともパブ・ビアホールは比較的好調でプラス0.6%を示したのに対し、居酒屋は8.4%の下げ。消費性向の変化による客足の遠のきが確実に数字の上に現れている。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年12月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年12月分)

日取りの悪さと
厳しい寒さで客足遠のき
客数は大きく減退。
ファストフードは
ポテトが不足で大手が
大きく後退し足を引っ張る。
ファミレスも客足は鈍るが
高単価でプラスをキープ。
居酒屋は相変わらず低迷。
昨年4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響もほとんど生じなかった外食産業だが、昨夏における天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題という2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は昨夏以降は低迷感をぬぐえない状態が続いている。特に後者に関しては食材問題自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈した感は否めない。また回転寿司も不調が続いている。こちらは業界内での再編が進んでおり、危機感はむしろファストフード・洋食より強いようにも見える(客数は前年同月比でマイナス6.0%、ファストフード部門では洋風に続く悪い値である)。

居酒屋の不調続きも要注意ポイント。こちらは食材の影響は無く、純粋にビジネススタイルそのものが時代の流れの中で次第に歯車のずれを生じてしまっている。可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化などなど、居酒屋にはマイナスとなる変化が相次ぎ起きている。複数人数が一緒に来店して会食をする点では、お酒を飲むこと以外は類似点が多いファミリーレストラン部門が大よそ堅調なのも対象的ではある。

もっとも居酒屋という業態そのものが時代ハズレになったわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が試験運用している「吉呑み」が堅調さを示し、ちょっと一杯飲みに行くスタイルでは先駆者ともいえる中華料理店の日高屋が好評を博しているとの報告が相次ぎなされ、その実態が明らかにされている現状を見るに(運営会社のハイデイ日高の月次売上を確認すると、ここ数年は前年同月比でほとんどの月においてプラスを呈している。ちなみに今回該当月にあたる2014年12月は客数プラス5.9%・客単価プラス0.3%、売上高プラス6.2%を計上している)、既存の居酒屋にも環境を直視した上で、何らかの変化が求められているように思える。

他部門が比較的良い動きを示し続ける中で、とりわけここ数か月不調が続くファストフードの洋風、そして居酒屋。この2部門、あえて言うならばそれに加えて回転寿司も含めた3部門の回復状況が、外食産業全体の動向を精査するうえで、今後も注視すべき重要ポイントといえるだろう。


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