世代別完全失業率の推移をグラフ化してみる(2014年)

2014/12/10 08:00

先日【正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる】【人口動向も含めた正規・非正規就業者数などの詳細をグラフ化してみる】で労働力調査の公開データを基に、就業者の就業種類別の人口比率や人口そのもの推移を検証した。その際に取得した値を元に、今回は世代別の完全失業率の推移を確認していくことにする。経済情勢や雇用市場動向を推し量る指標の一つである完全失業率は、世代別ではどのような推移を示しているのだろうか(【労働力調査】)。

スポンサードリンク


完全失業率とは労働力人口に占める完全失業者の割合。各種用語は先行記事の「人口動向も含めた正規・非正規就業者数などの詳細をグラフ化してみる」で解説済みだが、算出式は次の通りとなる。

完全失業率=完全失業者 ÷ 労働力人口

完全失業者には含まれない「仕事はしたいが求職活動はしなかった」人は算出考慮外となるため、失業の実情を反映していないとの意見もあるが、一方で「求職活動をしない人を失業状態と計上して良いのか」との話もある。ともあれ、完全失業率はILOの国際基準にも従った、正当な値には違いない。

それではまず男性から、全体、そして世代別の完全失業率を算出していく。

↑ 完全失業率(男性、1973年-、全体)
↑ 完全失業率(男性、1973年-、全体)

↑ 完全失業率(男性、1973年-、世代別)
↑ 完全失業率(男性、1973年-、世代別)

完全失業率は漸増していくが、バブル景気時代には一時的に減退、その後バブルの崩壊と共に再び上昇に転じ、さらに上昇幅を拡大する。意外にもITバブル(日本では1999年から2000年)においても減少はせず、ITバブル崩壊時に最大値を示す。その後はジワリと下がり、直近の金融危機直前までは下落傾向を続けるも、2007年の金融危機ぼっ発と共に上昇に転じ、震災の前年2010年に直近ピーク(5.4%)をつけ、その後は漸減していく。

世代別ではバブル期までは最若年層と定年退職直前期層(55-64歳)がほぼ同率で推移していた。前者は新規採用にあぶれるなどのパターン、後者は早期退職組(自主、会社都合)によるもの。ところがバブル期を経て両者の差は開き、最若年層の完全失業率は他世代との差を大きなものとしていく。若年層の高失業率は先進国、特に労働市場が成熟した国でよく起きる現状だが、日本もまたそれに習う結果が出でいる。

バブル期の減退、バブル崩壊後の上昇、ITバブルとその崩壊や、金融危機に伴う上昇などは全体値の動向とさほど変わらないものの、世代によって振幅に違いが生じている。特に若年層は景気動向の影響を大きく受けやすいことが分かる。

続いて女性。

↑ 完全失業率(女性、1973年-、全体)
↑ 完全失業率(女性、1973年-、全体)

↑ 完全失業率(女性、1973年-、世代別)
↑ 完全失業率(女性、1973年-、世代別)

景気動向による上下感、ITバブル崩壊時に最大値をつけたことは男性とあまり変わりがない。ただし女性は男性と比べて労働力人口そのものが少なく、特に高齢層でそれが顕著なこと、完全失業者も合わせ労働力調査の結果は万人単位での公開となるためぶれが出ることから、65歳以上のグラフがやや不自然な形となってしまっている。また男性と比べると最若年層とそれより年上の層との差異が小さい。最若年層の完全失業率がやや控えめなのが原因。



男女とも景気動向に左右される部分が多分にあり、そして男女の雇用状況の違いも出ているが、概して完全失業率は漸増し、今世紀に入ってからは高止まり、そして下落傾向を見せ始めている。今後はいかなる動きを示していくのか。景気を推し量る値でもあるだけに、特に若年層の値の動向は、最近富に語られるようになった世代間格差を示すことからも、大いに注目したいところではある。


■関連記事:
【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】
【若年層の労働・就職状況をグラフ化してみる】
【戦後の学歴別就職率の推移をグラフ化してみる】
【完全失業者の「仕事につけない理由」とは?】
【完全失業者に含まれない「仕事はしたいが求職活動はしなかった」人の推移をグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー