人口動向も含めた正規・非正規就業者数などの詳細をグラフ化してみる(2014年)

2014/12/07 18:00

先日労働力調査の経年データを基に【正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる】を展開したが、その中で就業者の動向には各世代の人口そのものも影響している点について触れた。今回はその点を詳しく確認するため、同じく労働力調査の公開データを基に、男女別・世代別における、例えば正規・非正規だけでなく、完全失業者や非労働力人口まで含め、労働に係わる観点から区分した人口動向の精査を行うことにする(【労働力調査】)。

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「正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる」では原則毎年第1四半期の平均値を取得し、その動向を確認したが、今回は各種就業状態によって仕切り分けされた人口を確認していくため、それらの値が用意されている年次時系列(年平均)のデータを取得する。現時点では2013年分までが確認できる。15歳以上の人すべてが対象となるが、雇用者の正規・非正規別の区分で値を確認できるのは2002年以降であることから、2002年以降について精査を行う。

【労働力調査 用語の解説】を元に、15歳以上の人について就業状態別に仕切り分けすると、次のような関係になる。

↑ 今回精査する就業状態別仕切り分け
↑ 今回精査する就業状態別仕切り分け

・労働力人口…就業者と完全失業者の合計

・完全失業者…仕事が無く調査期間中は仕事をしていない、仕事があればすぐに就ける、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた、以上のすべての条件を満たしている

・非労働力人口…15歳以上人口のうち労働力人口以外の人

・就業者…仕事をしている人(育児休業なども含む)

・自営業者…個人経営事業を営む者

・家族従業者…自営業主の家族で、その事業に無給で従事している者

・雇用者…会社、団体、官公庁または自営業主や個人家庭に雇われて給料、賃金を得ている者および会社、団体の役員

・正規、非正規の職員・従業員…勤め先での呼称による。「正規の職員・従業員」以外はまとめて非正規の職員・従業員(パ−ト、アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員、嘱託、その他)

なお、労働力調査の公開値は原則万人単位でのものであり、それ未満のケタ部分は四捨五入している。それらの値を足し引きしている部分があるため、合計値が必ずしも一致しない場合がある。また自営業者と家庭従業者は今回の精査においては「自営業者など」でまとめている。

まずは男性。全体と世代区分別のグラフを一気に生成する。

↑ 就業状況別人口構成比(15歳以上、万人)(男性・全体)
↑ 就業状況別人口構成比(15歳以上、万人)(男性・全体)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・15-24歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・15-24歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・25-34歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・25-34歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・35-44歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・35-44歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・45-54歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・45-54歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・55-64歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・55-64歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・65歳以上)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(男性・65歳以上)

15歳以上人口そのものはほぼ横ばい。非労働力人口が少しずつ増えているが、これは主に65歳以上の人口比率が増加しているために起きている。また正規や自営業者などが漸減し、非正規が漸増しているのも、多分に高齢層の増加に起因していることは、先の「正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる」でも解説した通り。さらに2010年をピークとし、完全失業者も減少していることは注目に値する。

世代別に見ると、15-24歳の非労働力人口の多さが目に留まるが、これは学生が含まれているため。それよりも総人口が減退しているのが気になるところ。正規は漸減、非正規は横ばい、完全失業者も漸減している。

25-34歳は総人口が漸減、35-44歳は漸増から頭打ち、さらには漸減に移行している。大よそ人口が減る過程では正規が減り、非正規は横ばいか、やや増加の動きを示すのが共通している。完全失業者は横ばいか漸増する気配もあったが、ここ数年では減少へとかじ取りを変えている。

高齢化の気配を覚えるのは45歳以上。45-54歳では総人口が漸減から漸増に転じている。それに伴い正規・非正規、さらには自営業者なども増えている。完全失業者は横ばいで、この数年はやはり漸減。55-64歳ではいくぶんの人口減少の動きを見せるが(団塊の世代が歳を取って抜けたことによるもの)、非正規が大きく増えて雇用者数の維持が図られている。多分に以前解説したように、退職者による再雇用が非正規で成された事例が生じているものと考えられる。非労働力人口・完全失業者が共に減っていることが、その裏付けとなる。

最大の増加傾向を示すのは65歳以上。正規の数は漸増しているが、それ以上に非正規と非労働人口の増加が著しい。全体像としての非正規および非労働力人口の増加は、多分にこの世代が担っていることが改めて実感できる。そして非正規の増加理由は55-64歳区分同様に退職者による再雇用が非正規で成されたものであり、非労働力人口の増加は定年退職を迎えたのちの悠々自適生活へ移行した人たちがカウントされている。特にこの数年の急増ぶりは注目に値するが、これはいわゆる「団塊の世代」によるところが大きい。

続いて女性。

↑ 就業状況別人口構成比(15歳以上、万人)(女性・全体)
↑ 就業状況別人口構成比(15歳以上、万人)(女性・全体)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・15-24歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・15-24歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・25-34歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・25-34歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・35-44歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・35-44歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・45-54歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・45-54歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・55-64歳)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・55-64歳)

↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・65歳以上)
↑ 就業状況別人口構成比(万人)(女性・65歳以上)

学生が含まれていることによる15-24歳における非労働力人口の多さ、34歳までの総人口の減退や35-44歳の漸増から頭打ち、45歳以上層における総人口の増加、55-64歳の一時的な減少などは男性とあまり変わりない。ただし非正規の数が男性と比べて非常に多いが、これは兼業主婦によるパートやアルバイトによるところが大きい。また中堅層において非労働力人口が漸減しているが、これは専業主婦が兼業主婦に転じたのが大きな原因で、兼業主婦の増加傾向の裏付けにもなる。

そして65歳以上だが、男性よりも寿命が長いこともあり、総人口も男性より大きなものとなっている。世代内総人口から比べれば少数だが、非正規が大きく増加していることも確認できる。



正規・非正規のみの状況は先の記事で解説した通りだが、その他の就業状況、そして世代の総人口も照らし合わせてみると、また違った一面が見えてくる。2014年分のデータ更新は来年春先になるが、先行記事「正規・非正規就業者数の詳細をグラフ化してみる」で用いた第1四半期の値、そして現状のさまざまな他の経済指標などを見る限り、2013年よりも好ましい値であると共に、特にシニア層において大幅な雇用状況の改善が確認できる結果が出ることは、容易に想像できる。

今件の各種データから、昨今の労働市場に関する指標に対する論調の多分は、シニア層の動向が影響していることが改めて確認できよう。


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