子育て世代の男性の就労と家事・育児手伝い事情をグラフ化してみる(2014年)

2014/06/20 08:00

兼業世帯の増加や育児休業が話題として取り上げられるに連れ、男性の家事・育児手伝いにもこれまで以上にスポットライトが当てられるようになりつつある。結婚や育児に関する社会全般の状況と問題点、それに関連した施策状況をまとめ上げた内閣府の白書「少子化社会対策白書(旧少子化社会白書)」でも、男性の就労と家事・育児に係わる解説は一定分量を割いてなされている。今回はその「子育て世代における男性の就労時間」と「子供を含む世帯を持つ男性の家事・育児手伝い事情」について、当方で一次ソースを基に最新値を盛り込んだ上で、概要をまとめていくことにする(【発表リリース:少子化社会対策白書 (旧少子化社会白書)について】)。

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単純に総時間だけでなく、インターバル的な面でも手間がかかる子育てにおいては、夫婦間の連携・協力が欠かせないものとなる(例えば乳児の夜泣きにおいて、場合によっては夜中でも数十分おきに起きて、あやす必要が出てくる)。多くの世帯は「夫が世帯を支える就労を行い」「女性は専業(専業主婦)で、あるいはパート・アルバイトをしながら(兼業主婦)家事や育児を行う」。しかし、今世紀に入ってからはやや減少傾向を見せるものの、乳幼児の育児と重なる場合が多い30歳代で、男性の多くは残業を強いられ、週60時間以上の就労状態にあるのが実情となっている。次に示すのは白書で収録されていたデータに、一次テータとなる労働力調査の2013年年平均値を基に最新値を追加した、状況推移を示すグラフである。

↑ 年齢別・就業時間が週60時間以上の男性雇用者の割合(-2013年)
↑ 年齢別・就業時間が週60時間以上の男性雇用者の割合(-2013年)

↑ 年齢別・就業時間が週60時間以上の男性雇用者の割合(2011-2013年)
↑ 年齢別・就業時間が週60時間以上の男性雇用者の割合(2011-2013年)

2013年時点では男性30歳代の17.2%と、約1/6が60時間以上労働。60時間未満の82.8%の人も全員が法定労働時間の40時間/週きっかりではなく、その多くが相当量の残業をさせられている(例えば男性30歳代では約21%が週49時間から59時間労働という結果が出ている)。30歳代の長時間労働理由について資料では具体的説明は無いが、「会社から与えられる仕事量(残業が必要な作業)が増える一方、それを上手にこなす経験の蓄積が不足しており、時間がかかる」「部下を持ち始めるなどで、立場的に残業が多くなる役職にいる人が多い」「積極的に残業をこなして手取りを増やし、家計を支えようとしている」など多数の可能性が想定される。

ただし最新の2013年分に限れば、各世代で前年から小さからぬ減少を示している。特に60歳以上の減少が著しい(8.2%から5.9%)。一過性のものか、継続する動きなのかは来年以降を見極める必要があるが、今件「男性の家事・育児への参加」という観点では好ましい傾向ではある。

1日は24時間しかない。就労時間が長くなることで、必然的に帰宅時間も遅くなり、結果として家事や育児の「機会」は減る。国際的な比較でも、日本は主要先進国と比べて夫の家事・育児時間は少ない。

↑ 6歳未満児をもつ夫の家事・育児時間(1日当たり)
↑ 6歳未満児をもつ夫の家事・育児時間(1日当たり)(2014年時点の最新データ)(時間:分)

育児や家事、さらにそこから連なり婚姻・少子化に関する問題を生み出す一要因として、「妻の家事や育児の手伝いに夫が消極的。その結果、妻の家事育児負担が大きくなる」との意見がある。主要他国との時間の比較を見る限り、比較論としては否定できない。

しかし一方で、「なぜ短時間と成らざるを得ないのか」にもスポットライトを当てなければ、問題の根本的な解決には至らない。「夫の家事育児への参加機会が少ない」原因は今件説明したように「夫の残業が多い」のが一因なのも間違いない。ただしそれだけでは無く、社会習慣的なものをはじめ他にも多様な要素が考えられる。「子育て世代における夫の就労時間が長い」という事象・現実を見据えると共に、夫婦を取り巻く環境を包括的な視点から見つめ、夫婦としての子育てを見定めていかねばならないだろう。


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