若年の意見力は団塊の三分の一にも満たず!? 投票者ピラミッドをグラフ化してみる(第46回衆議院選挙版)

2013/11/03 14:00

先日若年層とシニア層の意見力の差について考察する機会があったが、その際に選挙における重みに関して、2009年8月末に行われた第45回衆議院総選挙のデータを基にした分析記事を参照した。良い機会でもあり、今回はその記事を踏襲する形で昨年末に行われた最新の衆議院議員選挙、つまり第46回衆議院総選挙のデータを基に、投票者ピラミッドなどを作成し、世代間の意見力について投票率の観点から眺めてみることにした。

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人口多く投票率も高い団塊世代、人口少なく投票率も低い若年層


取得元となったのは前回記事でも利用した【総務省の衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果】から【平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果】。ここから「46衆年齢別投票状況について」のデータを利用する。

これは全国の4万9214投票区の中から188投票区(47都道府県×4投票区)を抽出し、該当投票区について男女別及び年齢別に投票率を調査したもの。各都道府県から標準的な投票率を示している1市1区1町1村を抽出している。このデータを元に、男女別で有権者数、そしてその中で実際に投票した人の実数をピラミッド型のグラフ化したのが次の図。合わせて普段よく見かける、純粋な投票率のみのグラフも作成し併記する。

↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票状況(性別・年齢階層別有権者数と投票数、投票状況調査地区における結果)
↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票状況(性別・年齢階層別有権者数と投票数、投票状況調査地区における結果)

↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率
↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率

元々少子化の進行により、若年層の人口は他の年齢階層と比べると少なめ。さらに投票コストは若年層の方が高い。やらねばならないこと、やりたいことが多く、投票に参加するための時間や手間が惜しいので、そして直接すぐに自分自身へ成果が返ってくるようには見えないので、選挙に対する優先順位が下がり、結果として投票率は低くなる。当然、選挙権を持つのに投票しない人(男女とも薄い部分)が増え、若年層における有効投票者数は減少してしまう。

世間一般には「若年層と団塊世代層で投票率は2倍から3倍の差がある」と言われている。今回のデータで見る限り、人口数では無く投票者数で試算すると、男性では最大3.33倍、女性では3.48倍の差が出ており、その言葉が決してオーバーなものでないことが分かる。投票を受ける政治家の視点では、若年層3人と団塊世代1人は同じ重きという計算になる。これでは政治家諸達がシニア層の方ばかり向き、若年層を軽視しても仕方がない。

前回衆議院総選挙と比較すると…


さらに前回の衆議院選挙、つまり第45回衆議院総選挙と世代別の投票率の差異を算出すると、ますます若年層の選挙離れが進んでいたのが分かる。

↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(前回衆議院総選挙投票率との差)
↑ 第46回衆議院総選挙・年齢階層別投票率(前回衆議院総選挙投票率との差)

減少幅が大きいのは若年層から中堅層。特に30代から40代前半の減少ぶりが著しい。団塊世代に向けて減少幅は次第に縮小し、元々投票率の高かったシニア層と若年層との差がますます開く結果となっている。

元々前回選挙が夏休み終盤、今回が年末の忙しい時期にあったこともあり、大学生や就業者には若干投票コストが押し上げられる条件下にあった(投票日は休日だが、仕事などに忙殺される可能性は高い)。直近の衆議院選挙は若年層も多大な関心を集めていたはずではあるが、実際には投票率のかさ上げにはならなかったことが分かる。



政治家の立場から見れば「若年層3人と団塊世代1人は同じ重き」。これが「ゆがんだ状態」なのは間違いない。1票の格差云々と叫ぶ方々がいるが、それと同様に重大な問題である。さらにその現実を知りながら、「あきらめてしまう若年層」「自分の既得権益を手放すのが惜しく、不公平を是正する動きを見せない団塊世代」の双方の意識にも問題がある。投票は権利ではあるが罰則付きの義務ではないからと消極的になるのではなく、さまざまな工夫を凝らし「グラフ上側の、薄い色の部分を濃い色で塗りつぶしていくか」、つまり「若年層の投票率を上げていくか」を考えねばならない。

若年層では相対的な「投票コスト」が投票のハードルとなっている。そのハードルを押し下げるには他国の状況も検証し、良い施策は積極的に導入検討課題とすることが求められる。また、見方を変え、ハードルが高くとも喜んでそれを飛び越え投票に足を運ぶように、政治を執り行う側も若年層に向けたアピールが求められよう。


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