強い寒気や個人消費の低迷、たばこ・雑誌購読者の減少で来客数減が響く……2014年12月度のコンビニ売上高は既存店が1.2%のマイナス、9か月連続

2015/01/21 09:00

日本フランチャイズチェーン協会は2015年1月20日に、コンビニエンスストアの同年12月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でマイナス1.2%となり、9か月連続してのマイナスを示すこととなった。淹れたてコーヒーなどのカウンター商材、さらには年末向け商品は好調で客単価を押し上げたが、強い寒気に伴い平均気温が低く、降水・降雪量が多かったことなど気象状況がマイナスに作用し、さらに個人消費の低迷、たばこ・雑誌など集客力の強かった商品の訴求力減退などの影響を受け、客数は減退し、売り上げの頭を押さえる形となった(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

スポンサードリンク


今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は9か月連続のマイナス、全店は22か月連続のプラス
全店ベース……+3.2%
既存店ベース…−1.2%

●店舗数(前年同月比)
+5.0%

●来店客数:既存店は10か月連続のマイナス、全店は45か月連続のプラス
全店ベース……+2.6%
既存店ベース…−2.2%

●平均客単価:既存店は3か月連続のプラス、全店は2か月連続のプラス
全店ベース……+0.6%(637.4円)
既存店ベース…+1.0%(629.6円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……−0.1%
加工食品……−1.8%
非食品………−3.7%
サービス……+9.3%
合計…………−1.2%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

12月は強い寒気が全国的に覆いかぶさり、平均気温を押し下げ、さらに降水量や降雪量の上乗せをしたことで外出機運を頭打ちとさせ、さらに個人消費の低迷感もマイナスに作用。その上、来店機会をもたらす大きな集客力を有していたたばこや雑誌などの購入者数が減退し、来客数は減少。他方、淹れたてコーヒーをはじめとする各種カウンター商材、惣菜、さらには年末向けの商品(年賀状、鏡餅や飾り物、お節料理用品など)も好調に推移し、客単価は底上げされた。しかし結果として客数の減少分を客単価の増加分で補うことはできず、売り上げはマイナスとなってしまっている。

ここ数年コンビニ界隈で大きな注目を集めている、売り上げ・集客の主力的存在のたばこと雑誌の動向だが、先月同様今月もまた、リリースでは特記事項として取り上げられている。具体的な減退率までは公開されていないが、売上全体に影響を及ぼすほどの比率で売上、そしてそれらを購入するために足を運ぶお客の減少が生じていることは容易に想像できる。

商品構成別の売上高の動向を確認すると、淹れたてーコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はマイナス0.1%、加工食品・非食品はそれぞれマイナス1.8%・マイナス3.7%とマイナス圏にある。既存店における来客数がマイナス2.2%と結構大きな値を示していることから、日配食品・加工食品は客数減退に足を引っ張られ、売り上げがマイナス圏に沈んだ感は否めない。一方で加工食品は来客数の分を差し引いてもなおマイナス圏に留まる試算ができることから、消費性向そのものの減退、特にたばこや雑誌の購入者減少の影響が大きく働いているとする解釈が妥当だろう。

売り上げ全体に占める構成比は今回月なら5.8%と小さいものの、サービス部門は相変わらず堅調な伸びを示している(プラス9.3%)。客足がマイナス2.2%の中での売り上げ増であることを考えると、注目に値する伸びではある。多種多様な支払いが可能となり、さらに機能集約が著しい情報端末の利用度が増したのも一因といえる。今月は正月商品がセールス対象となる月であることから、昨年以上に年賀状をはじめとする季節商品への注力が功を奏したとも考えられる。

ここ数か月はガソリン代の高騰が来店機運の足を引っ張り、集客の観点でマイナスに働いているのではとの懸念があった。昨今では原油価格の下落に伴いガソリン代もじわりと値を下げ始めており、その観点での心配は次第に薄れつつある。しかし気象状況までは覆すことは叶わない。

コンビニにおいては、かつて集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこ。これらは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。双方とも業界全体、商品そのものの特性や周辺環境の変化に伴う勢力の変化であり、今後復権の可能性も低い。代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターで提供される淹れたてコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品(昨今のセブン-イレブンにおけるドーナツも然り)は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められている。関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


■関連記事:
【たばこ・雑誌からコーヒー・カードへ…今年の一年のコンビニ動向を振り返ってみる(2013年)】
【コーヒー飲料の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2014年)(最新)】
【メビウスは20円プラス…日本たばこ産業、消費税率アップで4月1日からたばこ値上げへ】
【コンビニ四天王の売上高などをグラフ化してみる(2014年)(最新)】
【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2014年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー