日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2014年)

2014/02/26 08:00

世間一般には高学歴ほど就職は容易く、また失業もしにくいとのイメージがある。そのイメージが確かなものかを確認するデータの一つが、総務省統計局が毎年発表している労働力調査。同局では2014年2月18日付で2013年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を発表したが、その内容によればほとんどの世代で高学歴ほど低失業であることが確認できる。今回は同発表内容を基に、学歴を絡めた失業率について、現状の精査を行うことにする(【労働力調査(詳細集計)年平均(速報)結果発表ページ】)。

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最新の学歴と世代別の完全失業率動向


まず「完全失業率」の定義を確認しておく。これは「完全失業者÷労働力人口×100(%)」で算出することができる。総務省統計局では「仕事についていない」「仕事があればすぐにつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」のすべてに当てはまる人を「完全失業者」として認定している。例えば仕事についておらず仕事があればすぐに働くことができるが、雇用に関するニュースを見聞きして「今就職活動をしても無理っぽいな」とあきらめ、就職活動をしていなければ、完全失業者としてはカウントされない。

2012年分までは「労働力調査(詳細集計)年平均(速報)」発表の時点で学歴(教育)と年齢階層別で区分した、完全失業率が公開されていた。しかし2013年分からはこの公開値が無くなり、確認したところ5月前後に公開予定の年報(詳細値をまとめたもの)でも収録の予定は無いとのこと。そこで完全失業率の定義を基に、計算方法について統計局に2012年までの公開値と同じ算出方法であることを確認をした上で各値を計算、グラフを生成した。

↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2013年平均)
↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2013年平均)

完全失業率に関する全体的な構造「高学歴ほど低失業率(手前ほど値が低い)」「若年層ほど高失業率(右ほど値が高い)」に変わりは無い。ただし55歳以上の高齢層・高学歴における失業率がそれより若い世代と比べて高めに推移しているのが気になる。これは完全失業率の定義を思い起こせば容易に推測できるが、「職が無く、探している高齢者が増えている」ことを意味する。定年退職間際でリストラ、早期退職を受けるなり、あるいは定年退職後に改めて職を求めている人が増えたことが一因。また今年も大卒・大学院卒の15-24歳における、つまり大学卒業後間もない新社会人の失業率が7.6%と高めに位置しているのも目に留まる。

失業率は明らかに改善の方向へ


昨年発表された2012年分の値と、今回算出した2013年分の差異を算出して出来たのが次のグラフ。これは2012年から2013年の1年間における失業率の変化を表す。数がプラスに大きく振れるほど失業率が増加、つまり雇用状況が悪化していることを意味する。

↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2012年から2013年への変異値)
↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2012年から2013年への変異値)

↑ 参考:完全失業率(卒業者限定)
↑ 参考:完全失業率(卒業者限定)

やや振れ幅にはばらつきがあるが、マイナス値が多い、つまり雇用の改善が見られるのが分かる。とりわけ小学から高校・旧中における下げ方=改善ぶりが目立つ。一方、中堅層から高齢層にわたり、主に高学歴の層で失業率の悪化が見られ、懸案事項として留意すべき動きではある。もっともこれは上記解説にある通り、早期退職者やリストラを受けた人たちが増加しているのが要因と考えられる(高学歴ほど求める給与・環境も高望みとなり、雇用側も雇い入れが難しくなる)。

なお今件データでは「完全失業者」の定義に従い、就職をあきらめて大学院入りした人、就職を一時諦めて就職活動をしていない人などは考慮されていないことに留意する必要がある。



今回分、2013年におけるポイントは「若年層の高失業率」「全般的な雇用状況の改善」「高齢層の雇用状況悪化」の3つとなる。詳しくは機会を改めて解説するが、「計測該当人口はほぼ変わらず」「労働力人口はやや増加」「非労働力人口は少々減少、64歳までは大幅減少、65歳以上は大幅増加」「正規社員は減少、非正規社員は増加」との傾向からは、企業側は引き続き財務的に負担の大きい正規社員としての雇用を敬遠、非正規社員を代替雇用する傾向を強めていることが見て取れる。

実際、雇用者に占める非正規社員比率は前年より増加している(全体では36.7%で前年比1.5%ポイントの上昇)ことから、この推定の裏付けが取れよう。


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