新聞の販売部数などの推移をグラフ化してみる(2014年前半期まで)

2014/09/16 14:00

主要メディアの一つである新聞は他国同様日本国内においても、大きな変動にさらされている。デジタル媒体の躍進に伴い紙媒体としての新聞の相対的重要性の低下、メディアそのものの信用性の低減と報道機関としての姿勢などなど。日本は紙媒体の新聞の発行部数が多いことで知られているが、やはり変動の流れに逆らうことはできず、部数を漸減しているのが現状である。今回は【新聞の発行部数などをグラフ化してみる】などで半年ごとに定点観測記事としてお伝えしている、国内主要5紙、具体的には読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞(日経新聞)・産経新聞における、朝刊の販売部数推移の精査を行うことにする。

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順位変動は起きそうにない? 主要5紙販売部数推移


最初に示すのはデータが取得できる2005年前期以降の5紙における発行部数。産経は一部データが欠けているが、可能な限り補完している。

↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(万部)
↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(万部)

定点観測記事でも伝えているが、読売新聞はかつて販売部数1000万部超を社是的なコピーとして掲げていたが、2011年前半期でこれを割り込み、以後復活は果たしていない。とはいえ、元々部数が多かったこともあるが、大きな変化は生じていなかった。ところがこの2年ほどの間に、小さからぬ下落が生じている。

他方、朝日新聞は2010年前後から、毎日新聞は2007年後半から漸次減少が起きている。日経新聞は現状維持、さらには増加する機会もあったものの、やはり読売新聞同様にこここ1、2年ほどの間に下落を見せ始めている(幾分は電子版へのシフトによる影響もあるが、大勢では無い)。

気になる動きと言えば産経新聞。2008年後期から2009年前期にかけて、ダイナミックな下落を示している。これについては当然産経新聞側から正式な発表はないものの、いわゆる「押し紙問題」(【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】)に関して、他社に先駆けて解消したのが原因であると複数の報道が伝えている。これが事実とすれば、その後の産経新聞における部数の増減傾向が、他社と異なる動きを示しているのもある程度納得が行く。

前半年期比で動きを確認する


元々各紙とも販売部数が大きいため、その変移だけでは動向が把握しにくいのも否めない。そこでいくつか切り口を変え、その流れを確認していくことにする。まずは前半年期比。単半年期のグラフは半年ごとの定点観測記事で掲載しているが、その値をつなぎ合わせたものである……が、上記で触れている通り産経新聞がイレギュラー的な値を示しており、やや見難いものとなったため、産経新聞をのぞいた版も併記する。

↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(前半年期比)
↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(前半年期比)

↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(前半年期比)(除く産経)
↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(前半年期比)(除く産経)

要は前回販売数と比べてどれだけの割合で増えたか、減ったかを示すものだが、基準となるゼロ%より下の領域で多くの線が行き来していることから分かる通り、新聞の販売部数は総じて減少傾向にある。また個別の新聞における傾向を見ると、

・読売新聞…健闘はしていたが1000万部割れの2011年前半期以降失速へ

・朝日新聞…2010年から下落加速化

・毎日新聞…2008年以降は下落。2010年前半期の下げがピーク

・日経新聞…2011年前半期に一時持ち直すも再びマイナス圏に

・産経新聞…押し紙制度廃止の影響(?)が極めて大きい。その後は復調、ここ1、2年は部数上乗せの機会も


など、各紙の状況の違いが見えてくる。直近半期の読売新聞の下落ぶりや、2013年後半期の日経新聞の下げ方など、先の産経新聞の大きな下落同様に何らかの事案が影響したと考えられる大きな下落の動きも見られるが、現時点ではその原因は特定できない。

続いて比率では無く単純な販売部数の変移を確認する。こちらは元々部数が少ない新聞ほど増減する数も少なく、多い新聞ほど何かの影響を受けた時に増減する部数も多くなるので、一概に「変化部数が多い」=「大きな影響を受けた」とは言い切れないことに注意。とはいえ、大部数を抱える新聞でも、10万単位での部数が半年で増減すれば、その絶対数に対する衝撃は小さくあるまい。

↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(増減部数、前年半期比、万部)
↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(増減部数、前年半期比、万部)

産経新聞の押し紙問題解消に伴うものと思われる部数減少が非常に大きかったこと、その直後に起きている毎日新聞の部数減がかなりの規模に登ること、朝日新聞も10万部単位で部数を減らす半年期が複数回生じていること、そして直近半期の読売新聞の減少部数がいかに大きいものであるかが把握できる。

また全体的な流れとしては、産経新聞のイレギュラーな動きをのぞけば、2010年あたりから新聞の販売部数の減退傾向が起き、以降はうねりを見せながら段々とその勢いを増している雰囲気がつかみ取れる。



元々日本の主要新聞は部数が多いため、半年単位の動向精査でも部数の変動そのものにはさほど大きな違いは見られない。とはいえ経年で確認すると、少しずつ、そして確実に変化を示していることが分かる。

販売部数が減れば、世帯数が漸増しているのと合わせ、世帯普及率が減るのも当然。やや余談ではあるが、世帯普及率の推移も示しておく。なお2011年が暫定値なのは、震災の関連で世帯数が特定できないためである。

↑ 主要全国紙の朝刊世帯普及率変移
↑ 主要全国紙の朝刊世帯普及率変移

じわりじわりと、そして確実に世帯普及率が減少していく読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、やや横ばいで推移する日経新聞と産経新聞、各社の動向がよく把握できる。

また、震災が与えた影響、震災以降変化した社会動向との関連性を精査する時に必要となる可能性を考慮し、2011年後期以降の前半年期の部数変移をまとめておく。

↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(増減部数、前年半期比、万部)(震災以降)
↑ 主要全国紙の朝刊販売数変移(増減部数、前年半期比、万部)(震災以降)

とりわけ震災以降は新聞の存在意義そのものが問われる事案が相次いでいるが、それがどのような影響を及ぼしているのか、あるいは影響していないのか、それが透けて見えてくる、かもしれない。


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