子供と親の生活環境は!?…アメリカ合衆国の子供達の親との同居状況をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/02/04 05:12

情操教育のことを考えれば子供の成長過程においては、親子は共に日々を過ごすのが一番良いとされているものの、不幸な事故や親同士の仲たがい、その他さまざまな事情で親子が同じ居住空間で生活できない場合もある。法的には結婚したままでも別居状態の夫婦も十分想定される。今回は【アメリカ合衆国国勢調査局の「Families and Living Arrangements」項目】の公開値をもとに、アメリカ合衆国(以後アメリカ)における子供(18歳未満)が親と共に暮らしているか否か、同居状況の変移を確認していくことにする。

スポンサードリンク


両親と共に暮らしている子供は7割足らず


次に示すのは1960年以降(1960年から1968年は統計値上、一度に飛んでいることに注意)における、アメリカの18歳未満の子供の数に関して、両親と共に暮らしているか、片親のみか、両親共に居ないかの状態別に示した動向をグラフにまとめたもの。あくまでも生活を営む上での居住空間上の話で、冒頭の例にもある通り法律上の夫婦関係は維持されているものの、妻と夫が別居状態にあり、例えば妻側に子供が居た場合は「片親のみ」と判断される。何らかの事情で祖父母に子供が預けられている場合も「両親無し」となる。

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(万人)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(万人)

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(万人)(2001年-)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(万人)(2001年-)

直近の2015年では7362万人の子供のうち7割近くの5097万人が両親と共に生活。1976万人が片親のみ、290万人が両親共に居ない環境での生活を過ごしている。子供の全体数は1980年代半ばに底を打った後漸増、ここ数年は再び漸減の動きに転じているが、大よそ両親が要る子供の数に変化は無く、片親のみの子供が増加している。これは先行記事などにある通り、非嫡出子の増加が一因といえる。ここ数年の全体数の減少も、両親がいる子供が減り、片親のみの親は振れ幅がいくぶん大きいものの、大勢では横ばいで推移していることが分かる。さらにこの数年では、2012年まで減少していた「両親共に居ない子供」が再び増加に転じているのも目に留まる。

父親だけ、母親だけの子供世帯の内情は


そこで非嫡出子が大いに関係しているであろう、片親のみと共にいる子供に関して、その内情を確認していく。まずは父親のみの場合。なお今項目における公開値は、現時点では2014年分が最新値となっている。

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(父親のみがいる子供、父親の状態)(万人)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(父親のみがいる子供、父親の状態)(万人)

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(2001年-)(父親のみがいる子供、父親の状態)(万人)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(2001年-)(父親のみがいる子供、父親の状態)(万人)

2006年から2007年にかけて大きな変化が生じているが、これは金融危機ぼっ発によるものではなく、計測方法を変更したため。母親のみでもいくぶんの変化が生じているが、父親のみではこの様に大きな形で差異が生じてしまっている。景況感の大幅な悪化で社会環境に変化が生じたのは事実だが、この変動はその影響によるものに限った結果では無い。

人数動向だが、1990年前半までは子供の全体数の増加と共にそれぞれの区分内の人数は増加していたが、離婚によって父親が引き取る事案は1990年後半以降ほぼ横ばい、結婚状態は維持しているものの別居しているなどの理由で父親のみと共に過ごしている子供もあまり変化は無く、未婚状態の父親と子供の組合せが増加し、全体数を引き上げているのが分かる。2007年から計測方法が変わったため一度大きく減ったものの、その後は再び未婚の父親と子供の組合せは増加の一途をたどっている。

続いて母親のみの場合。

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(母親のみがいる子供、母親の状態)(万人)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(母親のみがいる子供、母親の状態)(万人)

↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(2001年-)(母親のみがいる子供、母親の状態)(万人)
↑ アメリカ合衆国の18歳未満の子供における家族構成別人数(2001年-)(母親のみがいる子供、母親の状態)(万人)

こちらも2007年における計測方法の変更による数字の乱れが生じているが、父親のみの事例ほどでは無い。そして母親のみの場合は「既婚だが別居・不在」の数はこの半世紀ほどの間はあまり変化が無く、「離婚」事例は1990年位まで増加して後は横ばい、「死別」はむしろ漸減、そして「未婚」、つまり非嫡出子との同居・世帯構築のケースが大きく増加しているのが分かる。

直近では836万人が未婚の母親とによるもので、離婚は518万人、既婚だが別居は330万人に留まっている。アメリカの人口問題を語る際に欠かせない非嫡出子は、その多くが母親と子供との間で世帯構成が成されていることが分かる。

祖父母と同居する孫の数は?


良い機会でもあるので、祖父母と暮らしている孫の動向も確認しておく。子供の親が要れば三世代世帯となるが、何らかの事情で両親がおらず、いわゆる「おじいちゃん子」「おばあちゃん子」の事例になることもある(グラフが示す通り、この事案はかなり多い)。なお1970年から1990年までは10年単位で区切られているので数字が飛んでいることに注意。

↑ アメリカ合衆国の祖父母と共に暮らしている18歳未満の孫の数(内訳、万人)
↑ アメリカ合衆国の祖父母と共に暮らしている18歳未満の孫の数(内訳、万人)

↑ アメリカ合衆国の祖父母と共に暮らしている18歳未満の孫の割合(全18歳未満の人口比)
↑ アメリカ合衆国の祖父母と共に暮らしている18歳未満の孫の割合(全18歳未満の人口比)

直近となる2014年においては、祖父母と同居している孫の数は483万人。両親が共にいるのは93万人に留まり、半数近くは母親のみが居る。恐らくは別居か非嫡出子的な状況で、祖父母が子育てを後押ししている事例なのだろう。さらに両親も同居していない事例も159万人に達している。多種多様な事例が想定されるが、今件統計データだけではその内面までは分からない。

また18歳未満の子供の総数における、祖父母と暮らしている子供の割合は漸増している。2014年時点では6%強。およそ15人に1人の計算となる。この上昇理由は繰り返し言及している通り、非嫡出子の増加によるところが大きい。



概算となるが、1960年当時における18歳未満の子供おいては、約88%が両親と共に生活していた。しかし2014年ではこの値が約69%にまで低下している。結婚観の変化、非嫡出子の容認傾向などが主要因だが、およそ20%ポイントの低下は小さからぬ子供の教育への変化も生じさせていることは、容易に想像できる。

状況はケースバイケースなので一様にどの選択肢が良く、どれが悪いと一刀両断することは不可能だが、状況の変化の中で見えてくるものもあるのかもしれない。


■関連記事:
【アメリカ合衆国の若者達の居住実態をグラフ化してみる(2016年)(最新)】
【おじいちゃん・おばあちゃんとの同居、したい人は29.1%】
【増える核家族と独り身世帯…種類別世帯数の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】
【アメリカのいわゆる「未婚の母」による出生率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー