大幅な上昇期待…野村證券、2015年1月分の個人投資家動向発表

2015/01/17 10:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2015年1月15日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2015年1月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で、しかも大幅に上昇し、56.6を示すこととなった。株価の先行きに関しては「中規模な上昇」を見込む意見が先月と比べてもっとも多く増えている。また下落を見越す回答者は押し並べて減少し、株価動向の観点では大きな上昇期待が寄せられていることがうかがえる。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2015年1月5日から1月6日に行われたもので、男女比は83.0対17.0。年齢層は60代以上がもっとも多く34.0%、次いで50代が31.7%、40代が23.5%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く31.3%、500万円-1000万円が15.6%、3000-5000万円が13.4%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く33.7%を占めている。次いで20年以上が28.6%、5年から10年未満が26.5%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で47.2%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.3%と1/4近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(3/4近く)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は56.6ポイント。前回からは27.4ポイントの上昇。前月の上昇に続く方向性の動きだが、上げ幅は極めて大きい。この時期、日経平均株価は前月比で200円近く下落しており、株価は反転して上昇するとの期待を抱く人が増えたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で78.3%。前月分の64.6%からは13.7%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様に大きく増加している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、上げ幅では「2000円程度の上昇」の回答者率が最多となり、6.1%ポイントの上昇。逆にもっとも前月比で減少幅が大きいのは「1000円程度の下落」で7.7%ポイントの低下となっている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が急激に増加し、トップについた。前月比で23.4%ポイントの増加。これは同時期に原油価格の急速な下落や、ギリシャにおける政情不安定化とそれに伴うユーロの下落が影響している。他方、衆議院議員総選挙の関係で先月大きく上昇した「国内政治情勢」は前月比25.2%ポイントと大きく下落している。

・魅力的な業種は「自動車」「資本財・その他」「医薬品」「電気機器・精密機器」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「素材」「金融」「通信」「運輸・公共」「消費」はマイナス圏。「消費」のマイナス幅はいくぶん増加しており、原油安に伴うガソリン価格などの下落は福音ではあるものの、電気料金の高値水準の維持や物価に係わる消費性向の低迷が心理的にプレッシャーとなり、消費に悪影響を及ぼすと推測されているようだ。

・ドル円相場に対する見通しは、「やや円安」の意見がもっとも多く、先月から比べて回答率も増加している。中規模や大規模な円高の見通し意見が減っている動きを見ると、今少し円安ドル高の流れが続くとの考えが支配的。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「オーストラリアドル」「日本円」が続く。「日本円」は大きく値を上げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスだがマイナス50台への突入は回避できた。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られない。国際情勢の混沌化を受け、いくぶん「金(きん)」の値が上昇している

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が大いに低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
5位……パナソニック(6752)

エボラ出血熱関連の動向がいくぶん鎮静化の動きを見せつつあることから、富士フィルムは上位陣から姿を消している。代わりに薬品系銘柄として武田薬品工業が上位入りを果たす形となった。またパナソニックが上位入りしているが、これは同社のインドネシア方面でのLED照明機器が注目を集めていることや、家電商品生産の国内回帰を模索している話が伝えられたことが影響したようだ。



先日のフランスにおける社会情勢的な不安定感を再確認させられる事件の勃発(同国は欧州先進国の中でも経済的な立ち直りでつまづいており、失業率も10%台のまま)、さらにスイスフランに関する同国中銀の施策変更に伴い為替相場が大きく乱れ、株価も揺れ動くなど、ここしばらくの間は対外的要因で東京株式市場は軟調さが続いている。昨年末の総選挙の結果を受けたそこそこな上昇機運が吹き飛んでしまった感は否めない。

これらの外部的要因による株価への圧迫感は、早急には鎮静化しそうにもない。今件調査結果の限りでは中規模な株価上昇を望む声で満ちあふれているが、その期待に応えられるような株価動向が見られるのかは、難しいように思えるのだが。


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