動画配信サービスの認知度ナンバーワンは「YouTube映画」次いで「Hulu」、では利用状況は……!?

2015/02/11 10:05

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NTTコム リサーチは2015年2月9日、動画配信サービス(共有サービスに非ず)に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、もっとも知られている動画配信サービスは「YouTube映画」であることが分かった。全体の半数強がその存在を知っている。次いで「hulu」「ニコニコチャンネル」「ひかりTV」が続く。一方、実際に使ったことがあるサービスはやはり「YouTube映画」がもっとも多く、次いで「ニコニコチャンネル」「hulu」が続いている(【発表リリース:動画配信サービスに関する調査】)。


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認知度ナンバーワンはYouTube動画


今調査は2015年1月22日から1月24日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1018人。男女比は53.6%対46.4%、世代構成比は10代から50代、そして60歳以上の10歳区切りで13.7%・15.4%・21.2%・17.5%・14.7%・17.5%。

今調査対象母集団において動画配信サービス(動画共有サービスでは無く、管理運営側から提供される映像を視聴するサービス。多数の選択肢から視聴対象となる動画を選べるが、利用者から動画の投稿をすることは原則できない)を知っている人は77.2%。その人たちに具体的名を挙げて、どのサービスを知っているかを聞いた結果が次のグラフ。認知度がもっとも高いのは「YouTube映画」だった。サービス全体を知っている人の7割以上が知っていると答えた。

↑ 動画配信サービスの認知度(知っている人限定、複数回答)
↑ 動画配信サービスの認知度(知っている人限定、複数回答)

元々動画共有サービスのYouTubeの認知度が高いこともあり、同システムを共有しインターフェイス周りでも安心感を覚える「YouTube映画」の認知度が高いのも当然の話といえる。一方、第二位には「hulu」が入っている。こちらは昨年4月に日本テレビが完全子会社化し事業を本格開始した定額制の動画配信事業で、本家のアメリカでは急速に普及しテレビ視聴のスタイルを大きく変化させている事でも知られている。収録番組の豊富さなどもあり、認知度は極めて高い形となった。

「YouTube映画」同様、既存サービスの認知度の高さが後押しする形となったのが「ニコニコチャンネル」で62.0%。さらに「ひかりTV」「NHKオンデマンド」が続く。「動画配信サービスは知っているが、具体的にどのようなサービスかまでは知らない」人はごく少数に限られている。

これを「知っている人」では無く「調査対象母集団全体」で見たのが次のグラフ。各サービスの相対的位置関係は変わるはずもないが、世間全体からの認知度をうかがう点ではこちらの方が分かりやすい。

↑ 動画配信サービスの認知度(全体比、複数回答)
↑ 動画配信サービスの認知度(全体比、複数回答)

全体の過半数が「YouTube映画」を知っており、ほぼ5割の人は「hulu」「ニコニコチャンネル」を知っている。高品質の資料映像を有することで評価を受けている「NHKオンデマンド」は4割近く、「TSUTAYA TV」は4人に1人が知っている計算になる。

使っている人はどれ位いるのだろう


存在自体を知られなければ話にならないが、サービス提供側としてはやはり使ってもらってこそ収益も確保でき、存在意義を再確認できる。そこで何らかのサービスを利用している人において、どのサービスを使っているかを確認したところ、利用率でも「YouTube映画」がトップになった。そして第2位は「hulu」では無く「ニコニコチャンネル」が収まっている。

↑ 動画配信サービスの利用度(利用者限定、複数回答)
↑ 動画配信サービスの利用度(利用者限定、複数回答)

やはり動画共有サイトとして普段から使われているYouTube・ニコ動と深いかかわり合いがある両サービスは、実利用の点でも大いに好まれているようだ。「hulu」以下の利用率が2割に届かないのと大きな違いとなって数字上に表れている。

これを調査対象母集団全体比で再算出したのが次のグラフ。

↑ 動画配信サービスの利用度(全体比、複数回答)
↑ 動画配信サービスの利用度(全体比、複数回答)

全体の2割強が「YouTube映画」を、2割近くが「ニコニコチャンネル」を、8%ほどが「hulu」を利用している計算となる。今調査対象母集団はインターネット利用者であることからシニア層に限れば純全体比(インターネット非利用者も含めた「全体」)はもう少し低い値となるが、それぞれ大よそ2割、1割強、1割近くが実利用者と見て良いのではないだろうか。



項目一覧を見れば分かる通り、今件調査では「Amazonインスタント・ビデオ」が入っていない。大手ネット通販サービスが提供しており、展開開始から1年以上も経過していることから、どの程度の浸透度なのかは興味が尽きぬところであり、抜けているのは残念でならない。また海外の動画配信サービス大手netflixも日本上陸との話も出ており、今後の動向が気になるところ。

余談ではあるが、各利用されているサービスにおいて、個々のサービスが単純に利用されている割合(全体比)と、その利用者において該当サービスを一番利用している人の割合を算出したのが次のグラフ。例えば「YouTube映画」なら、全体の23.2%が使っているが、その利用者のうち58.1%は「他サービスは使っていない」または「他サービスも使っているがYouTube映画を一番使っている」ことになる。

↑ 動画配信サービス利用動向
↑ 動画配信サービス利用動向

「Hulu」は利用者率そのものは高いが、一番使っている人の割合は案外低い。他方「WOWOWメンバーズオンデマンド」は利用者そのものは少ないが、一番使っている人は6割近くとなり、もっとも高い値を示している。映像ラインアップの充実などが、利用者の多利用を後押ししていのだろう。


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