四半期販売台数は全世界で127万台、今期販売目標1200万台は変わらず…ニンテンドー3DS販売数動向(2014年度Q2)

2014/10/30 15:00

任天堂(7974)は2014年10月29日、2014年度(2015年3月期、2014年4月から2015年3月)第2四半期決算短信を発表した。営業損益は赤字を継続しているが前年同期と比べて大幅に赤字幅を縮小、経常利益も拡大するなど、Wii Uの復調ぶりや円安の進行、各種経費の圧縮などが効果を見せた内容となった。今回はそれらの業績は脇においておき、現時点で任天堂の主力携帯ゲーム機の座を維持しているニンテンドー3DS(3DS LL、海外では2DS含む。要は3DSファミリー)における販売状況の分析を、今回発表された最新の各種データを基に行っていく。

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前四半期からは回復、されど前年同四半期の5割減


データの取得場所の解説や、今記事で対象となる機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明しているので、必要な場合はそちらを確認のこと。

今回短信の添付資料で発表された各種データを元に、同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。言葉通り積み上げ型のグラフなので、一番上にあるのが、直近四半期の値。時期が進むに連れて販売台数は波のような動きを示しながら漸減する傾向にあるので、上に行くほど幅は狭くなる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2014年9月)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2014年9月)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で4542万台。直近年度の第2四半期のみならば127万台、今年度累計台数ならば209万台。今年度では販売目標を1200万台と設定しているが、それには遠く及ばない状況である。

大きく状況を動かすソフトやハードの発売などが無い限り、7月から9月期は前四半期と比べてセールスが伸びる時期。実際、前四半期比では5割強増しのセールスを示している。しかし前年同期比を算出すると5割強ほどでしかなく、明らかにセールスの勢いは落ちている。さらに前四半期における前年同期比が約4割だったことと合わせると、その落ち込み度合いが加速している感はある。

「3DSシリーズ」の中身だが、日本に限らず世界全体で3DS LLの販売が大きな割合を占めている。海外専用機「2DS」はそれなりに健闘し、今四半期に限ってもアメリカでは10万台、その他地域では12万台との記録が確認できる(端数処理の関係で1万台前後の誤差の可能性あり)。つまり旧スタイルの3DSは日本以外ではほとんど売れていない、海外の3DSファミリーの市場は3DS LLと2DSでほぼ二分されている状況が分かる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年7月-9月期、3DS LLと3DS LL以外区分)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年7月-9月期、3DS LLと3DS LL以外区分)

2DSは健闘しているものの、3DSシリーズ全体では前年同四半期比で販売台数をほぼ半減している。急落状況を支えているものの、支えきれない援軍的な存在であるのが実情だろう。むしろ日本で今なお3DS LL以外の端末が数万台の規模で売れている状況がレアなのかもしれない。

現時点で未達度82.6%…長期的流れと今期販売目標に対する実績


続いて各種データを四半期(最初の期は発売時期の都合から1年間で仕切り)で区分し、各四半期における3地域の販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。2011年度第1四半期の不調ぶり(全世界で72万台のみ)、そして値下げ効果と年末商戦効果により2011年度第3四半期が大きなセールスをあげた実態(836万台)、その反動で次四半期が再びセールスを落とした動向など、季節変動と各種販売方針で販売実績が大きく変化する様子が把握できる。また、大まかな流れとしては、年明けは鳴かず飛ばず、その後は少しずつ伸びはじめ、年末セールスで一挙に上昇するパターンが繰り返されているのが確認できる。これは3DSに限った話ではなく、多くのゲームハードに共通するパターンであり、年末商戦がいかに大切であるかを知ることが出来る。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2014年9月)(四半期推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(-2014年9月)(四半期推移)

四半期単位の動向では、年末商戦を含む第3四半期(10月から12月)が一番大きなセールスが見込める。前回の年末セールスに該当する2013年10月から12月期は、3DSというハードが登場してから3回目の年末商戦にも関わらず、前年よりも世界規模でのセールスはわずかではあるが伸びている。これは2DSによる日本国外での底上げ、そして3DS LLの登場などの影響によるもの。しかしそれがラストスパート的な勢いとなり、2014年に入ってからは四半期単位の売れ行きは前年同期比と比べて値を落としたものとなっている。

2014年1月から3月期は前年同期比で5割強、2014年4月から6月期は4割強、今回の2014年7月から9月期はほぼ5割の減退を示している。対応ソフトの売れ行きは好調で、昨今のゲームランキングでは常連モードに突入した「妖怪ウォッチ2」「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」をはじめ、多数のタイトルが上位入りしているが、ハードの方は思わしくない。

最終的な2014年度期における販売目標台数(1200万台)に対する到達状況を換算したのが次のグラフ。第2四半期に突入したが、まだまだ未達部分が多分であることが分かる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年4月-2015年3月期における目標販売台数1200万台に対する達成状況)(2014年9月末時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2014年4月-2015年3月期における目標販売台数1200万台に対する達成状況)(2014年9月末時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ18%。前年同四半期における達成率が22%であったことを考えると、明らかに目標達成が困難な状況にある。次四半期には目標の下方修正をするのか、あるいは10月11日に発売を開始したNewニンテンドー3DSで巻き返しを図れるのか、気になるところではある。



今回発表された四半期決算短信では、「マリオカート」や「ゼルダ無双」の後押しを受けてWii Uのセールスが堅調だったことを挙げ、ゲームハード分野で巻き返しの時期に来たことを言及している。他に短信に表記されている「今後の動向」を抽出すると、

・ニンテンドー3DS
『大乱闘スマッシュブラザーズforニンテンドー3DS』を9月に日本したが、欧米でも10月に発売。『ポケットモンスターオメガルビー・アルファサファイア』を全世界で11月に発売。サードパーティーからも夏から年末にかけて数多くの有力タイトルの発売を予定。さらに10月11日からは日本でNewニンテンドー3DS(LL)を発売。同機では「amiibo(アミーボ)」への対応も予定しており、相乗効果も狙う。

・Wii U
『マリオカート8』が堅調。11月から12月にかけて『大乱闘スマッシュブラザーズfor Wii U』を発売すると共に新商品カテゴリ「amiibo」を投入し、連動波及効果を狙う。

・その他
ゲームとつながり連動するキャラクターフィギュア『amiibo(アミーボ)』を発売し、プラットフォームのさらなる活性化に努める。

とある。前四半期のセールスの不調ぶりはソフトの不作感が強かったが、今四半期ではそれも改善に向かい、今後は年末に向けてさらなる期待がかかるタイトルが展開予定としている。

また「amiibo(アミーボ)」についてだが、これは前四半期記事で解説の通り、ゲームというバーチャルな世界とフィギュアというリアルの世界をつなぎ合わせる試み。任天堂側ではWii Uや3DSとの連動で、大きな相乗効果を模索しているが、この類の商品の動向は正直水物であり、予想は極めて困難である。先の『大乱闘スマッシュブラザーズforニンテンドー3DS』の際のような口コミ効果が成されれば、大きな飛躍も生じるのだが。

グラフを見直せば分かる通り、数々のアップデート版的なハードが展開されているものの、3DSそのものの商品寿命の残りはそれほど長いものではない状態にある。過去の事例を見るに、良くて発売から7-8年がセールの限界で、それ以降は惰性の領域に突入するが、昨今の状況、特にスマートフォンの浸透は、その寿命ですら大きく縮めるほどの影響力を示している。

次の四半期、つまり2014年10月から12月の販売動向が、ある意味3DSシリーズの今後の成り行きを大きく左右するものとなるだろう。


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