2014年11月度外食産業売上プラス1.9%…日取りの良さと客単価の堅調さが底上げ要因

2014/12/25 16:00

日本フードサービス協会は2014年12月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2014年11月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でプラス1.9%を示すこととなった。前年同月と比べると一部地域で豪雪を観測したものの、それ以外では比較的天候に恵まれたことに加え、前年と比べて日取りが有利に働き、客数こそやや減少したが、それを補って余りある客単価を示し、売り上げは6か月ぶりにプラスを計上している(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が205、店舗数は3万1204店舗。今月は前月と比較すると事業社数は減少し、店舗数も減少している。

全業態すべてを合わせた2014年11月度売り上げ状況は、前年同月比で101.9%となり、1.9%の増加を記録した。これは先月から転じる形で6か月ぶりの増加となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日・土曜日共に1日ずつ多く、ファミリー層の来客機会が増える形となった。天候では一部地域で大雪が降るなど荒れ模様を示す場面もあったが、それ以外は大よそ温暖で、平均気温も東京・大阪共に前年と比べて1度前後高く、これもプラスに作用している。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から転じて6か月ぶりのプラス(プラス0.5%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風は、社会問題化した中国産鶏肉食材の問題そのものはほぼ終息しているが、余韻的な勢いで客足はなかなか戻らず、さらに消費者の消費性向の変化の影響を受けたこともマイナスに働き、客数はマイナス8.6%という大きな下げ幅を記録した。客単価はプラス3.0%と堅調だったものの、売り上げはマイナス5.8%にまで落ち込んでしまう。ちなみに洋風の主軸企業であるマクドナルド単体では11月付の月次売上高はマイナス12.3%(既存店)を示している。一方でその他部門はカレー関連、さらにはアイスクリームが先月から続き堅調を維持し、客数・客単価プラスで売上もプラス11.6%と大きな上昇幅を示している。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス2.2%、客単価は大きく上げてプラス8.4%と成し、売上もプラス10.8%と大きく躍進。前月のプラス5.5%と比べれば2倍近い上げ幅。人気のある高単価商品(鍋メニュー)の投入が大きく後押しした形となる。

ファミリーレストラン部門は客数、客単価ともに堅調で、前年同月比はプラス5.9%。焼き肉は客単価・客数共に順調で、特に客数の伸びが大きく、売上は前年同月比で1割超のアップ(プラス12.1%)を示している。店舗数増加が1.8%プラスに留まっていることを考慮すれば、純粋な売り上げアップと判断できるだけに、その好調さが確かなものであることは理解できよう。

パブ/居酒屋部門では元々不調な状況が継続しており、マイナス7.3%。もっともパブ・ビアホールは比較的好調でプラス1.7%を示したのに対し、居酒屋は9.0%の下げを示しており、消費性向の変化による客足の遠のきが確実に数字の上に現れている。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年11月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年11月分)

日取りの良さと
大らかな天候が幸いし
客数は大よそプラス。
高単価商品の堅調さで
ファストフード・和風は伸び
ファミレスも概して順調。
環境変化に追い付けない
ファストフードの洋風と
居酒屋が全体の足を
引っ張る形が顕著に。
4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響もほとんど生じなかった外食産業だが、夏にかけて天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題という2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は夏以降の方が思わしくない。特に後者に関してはそれ自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈した感は否めない。また回転寿司も不調が続いている。こちらは業界内での再編が進んでおり、危機感はむしろファストフード・洋食より強いようにも見える。

居酒屋の不調続きも要注意ポイント。こちらは食材の影響は無く、純粋にビジネススタイルそのものが時代の流れの中で次第に歯車のずれを生じてしまっている雰囲気がある。可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化などなど、居酒屋にはマイナスとなる変化が相次ぎ起きている。複数人数が一緒に来店して会食をする点では、お酒を飲むこと以外は類似点が多いファミリーレストラン部門が大よそ堅調なのも、非常に対象的ではある。

もっとも居酒屋という業態そのものが時代ハズレになったわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が試験運用している「吉呑み」が堅調さを示し、ちょっと一杯飲みに行くスタイルでは先駆者ともいえる中華料理店の日高屋が好評を博しているとの報告が相次ぎなされ、その実態が明らかにされている現状を見るに(運営会社のハイデイ日高の月次売上を確認すると、ここ数年は前年同月比でほとんどの月においてプラスを呈している)、既存の居酒屋にも環境を直視した上で、何らかの変化が求められているように思える。

他部門が比較的良い動きを示し続ける中で、とりわけここ数か月不調が続くファストフードの洋風、そして居酒屋。この2部門、あえて言うならばそれに加えて回転寿司も含めた3部門の回復状況が、外食産業全体の動向を精査するうえで、今後も注視すべき重要ポイントといえるだろう。


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