果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり…いまどきの子供事情を探る(最新)

2018/10/18 05:03

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2018-1013料理をする際に包丁や果物ナイフを使ったり、掃除をする時にぞうきんを絞ったり…大人なら誰もが日常茶飯事に行うものだが、子供にとっては未体験、あるいは経験の浅い行動であり、同時に成長過程で経験して習得すべき日常生活上の「わざ」に違いない。一方で昨今の子供事情として、学校の方針や保護者の過保護的な対応を受け、それらの行為を避けさせる向きもあるという。今回は国立青少年教育振興機構が2018年8月22日に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書を基に、それらの行為に関する子供達事情を確認していくことにする(【「青少年の体験活動等に関する実態調査」(平成28年度調査)報告書】)。


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刃物を使った料理の経験「何度もある」は約5割


今調査は2017年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年から6年まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で行われたもので、有効回答数は学校数が879、子供の回収数が18316件、保護者が15769件。

自炊をする、そこまでいかなくとも料理を手伝うようになると、ナイフや包丁で野菜を切ったり果物の皮をむくことは必要不可欠になる(カット野菜などを使うことで多分に手間は省けるが)。子供のうちはまだ不器用な場合もあり、刃物を使わせるのは危ないとする意見がある一方、大人とともに料理を実演させてその危なさを教えることこそが大切との意見も多い。また学校で調理実習などにより、利用する機会もあるだろう。今調査の限りでは、刃物を使った料理の経験はおおよそ5割の子供が持っており、ほとんど無い子供は1割前後でしかなかった。

↑ ナイフや包丁で果物の皮をむいたり野菜を切ったことがある
↑ ナイフや包丁で果物の皮をむいたり野菜を切ったことがある

都合5回分のみの公開なため、経年変化は見出しにくいが、少なくとも減少するような動きは確認できない。

これを直近の2016年度分に関して、回答者となる子供の学年別で見た結果が次のグラフ。

↑ ナイフや包丁で果物の皮をむいたり野菜を切ったことがある(学年別)(2016年度)
↑ ナイフや包丁で果物の皮をむいたり野菜を切ったことがある(学年別)(2016年度)

最近の動向では無くこれまでの経験則を尋ねていることから、当然高学年の方が高い値を示すことになる。またこのような動きを示していることから、少なくともこの数年間に限れば、子供達の間における料理における刃物離れ的なものは起きていないことが分かる。高校2年生では6割強が、ナイフや包丁による調理経験を多数持っていることになる。

タオルやぞうきん絞りはほぼ全員が経験あり


包丁などによる調理と比べれば、多くの子供が体験していることは容易に想像できるのがぞうきん絞り。学校における掃除行為でおおよそ経験はあるはずだが。

↑ タオルやぞうきんをしぼったことがある
↑ タオルやぞうきんをしぼったことがある

2012年度以降伸びる動きもあるが、おおよそ9割が多分に何度も経験済みで、1割前後は何度かしたことがあると答えている。ほとんど無いとの回答は数%でしかない。

学年別で見ても変化が無く、幼い時からタオルやぞうきんを絞ることは日常的に行っているようすがうかがえる。

↑ タオルやぞうきんを絞ったことがある(学年別)(2016年度)
↑ タオルやぞうきんを絞ったことがある(学年別)(2016年度)

さまざまな理由でできない、しないケースもあるだろうが、概してぞうきん絞りなどはほとんどの子供が経験済みで「やり方を知らない」とのケースは稀であることが確認できる。



包丁を使って料理をしたり、タオルやぞうきん絞りは、家庭内での手伝いにおけるファーストステップ的な行動でもある。包丁関連は刃物に関するリスクもあるため、ある程度成長してからの方がよいかもしれないが、タオルやぞうきんを絞っての掃除は、早いうちから教え込むことをお勧めしたい。

その際、保護者自身が楽しそうに掃除をする様子を見せれば、子供も興味を抱き、積極的に教えを乞うことになるだろう。


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