4.1%ポイント前年同期から改善…大学生の2014年9月末時点での就職内定率は68.4%に

2014/11/15 13:00

厚生労働省は2014年11月14日、2014年度(平成26年度、2014年4月1日から2015年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。その発表資料によれば2014年10月1日(9月末)時点の大学卒業予定者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定者の割合)は68.4%となり、昨年同時期と比べ4.1%ポイントの改善が見られたことが明らかになった(【発表リリース(平成26年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同日発表された【平成26年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ】によれば、高校新卒者の就職内定率は54.4%となり、昨年同期から8.8%ポイントの増加(改善)を示している。

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短期大学以外は改善した就職率


公表された調査結果によると、2014年10月1日時点で大学の就職内定率は68.4%となり、前年同期の64.3%と比べて4.1%ポイントのプラスとなった。つまりそれだけ同じ時期における就職状況が改善されたことになる。

↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年9月末時点と2013年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年9月末時点と2013年同時期)

短期大学の就職率は大学や高等専門学校と比較して低めに出てしまう。今回調査の就職率もそれに習う形で、大きな差が生じている。もっともこれでも前年同期と比べると3.1%ポイントと大きめの上昇を示している。唯一減少したのは高等専門学校だが、こちらは2年前に大きく上昇してこの時期ですでに96.2%と高い値を示した状況からの反動が、昨年から続いている。もっとも不況時には即戦力として頼られる傾向が強い高等専門学校生への需要が、景気の前進に伴い他の学校種類の生徒と比べて相対的に低下した可能性もある。

高等専門学校は専門技術に特化し、企業側もその技術を頼りに求人を行うため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が多分に反映され、早期から高い内定率が出るのだが、その値が下がり、他の学校種類の内定率が上がっているのは、新卒雇用市場に変化が出てきた兆しといえる。

なお中学新卒者の選考・内定開始期日は、全国高等学校長協会、主要経済団体(一般社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会)、文部科学省及び厚生労働省において検討を行い、2015年1月1日(積雪指定地域では2014年12月1日以降)と申し合わせており、今件時点では中学新卒者の就職内定率は算出されていない。

国公立と私立大学、男女別で確認


このうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当て、男女別にその動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年9月末時点と2013年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年9月末時点と2013年同時期)

今グラフで対象とした区分においては、前年同期比で低下を示したのは皆無となった。最初のグラフからも分かる通り実際に就職率が落ちたのは高等専門学校のみで、これは実質的に男子のみとなる。男子では就職希望率が前年同期比で1.3%ポイント落ちているが、就職内定率は2.3%ポイント下落しており、環境が前年から厳しくなったことをうかがわせる。他方女子は就職希望率が1.3%ポイントのマイナスで、就職内定率は3.1%ポイントのプラス。就職希望者は減ったものの、内定率は大きく向上し、少なくとも希望者における環境は改善しているようだ。

中期的な内定率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定率)において、過去のデータを逐次抽出し、過去10年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にある状況が容易に把握できる。それと共に、金融危機さらにはリーマンショックに通じる直近の金融不況で生じた内定率下落以前の水準、今回期ならば70%近くと比べると、もうほんの少しだけ、回復基調が望まれることが分かる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年10月1日)

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年10月1日)

大学生などの就職(内定)率は、その時の経済状態や企業の景気判断、とりわけその時点の景況感では無く、今後の見通し的なものと深い関係にある。現在景気が良くても、今後の見通しに不安があれば、わざわざ人材を増やしてリスクを底上げする酔狂さを持つ企業はさほど多くない。逆に企業の先行きが明るければ、それを見越して事業拡大を図るため、人材の追加確保に勤しむことになる。つまり学生諸子の就職率を底上げし、安定化させるには、(非常に大雑把な話ではあるが)景気回復こそが一番の対策となる。



冒頭にある通り、同日付で高校卒業予定者の内定率も発表されている。その値も大卒予定者同様上昇を示している。高校新卒者の各種データは次の通り。

■高校新卒者
・求人数は28.0万人。前年同期で32.6%増
・求職者数は17.6万人。前年同期で1.5%増
・就職(内定)者は9.6万人。前年同期で21.2%増

求人数が大きく増加する一方、求職者数(求職率)はわずかな増加に留まっている。求人倍率も1.59倍となり、前年同期比で0.37ポイントと大幅な上昇を見せている。求職者にとっては好ましい環境下に違いない。もっとも求職者全員が内定をもらったわけでは無く、企業・求職者双方のマッチングを考えれば、さらなる状況改善に期待がかかる。ただしあまりにも求人倍率が上がりすぎると、今度は企業側の人材不足が深刻化してしまうので、そのバランス感覚が難しいのだが。

また、高校卒業者は大学卒業者と比べて短期間での離職率が高いことでも知られている(【学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2014年)(最新)】)。内定率そのものは高くても、定着率が低ければ、企業も学生も双方とも不幸となる。企業側の人手不足が深刻化する昨今、「仕方なくこの企業を選ばざるを得ない」といった状況も減りつつあるのが幸いなところ。定着率も上昇し、より健全な、雇用・被雇用双方が望む状況に移行しながら、就職内定率が上がるよう、望みたいものだ。


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