聴いてる人は1日平均2時間足らず…ラジオ視聴者の平均視聴時間などをグラフ化してみる(2014年10月度版)

2014/11/21 11:00

主要なメディアの中でも広告費の落ち込みが著しい、震災で大きくクローズアップされたなど、周辺環境が大きく揺れ動いているのがラジオ。インターネットとの相性も決して悪くはないはずなのだが、効果的な連動の仕組みが構築できず、状況の回復は思わしくないとの話も見聞きする。それではラジオの聴取動向はどのような推移を見せ、また聴取している人の聴取時間はいかなる変化を示しているのだろうか。ビデオリサーチが定期的にプレスリリースを公開しているラジオ聴取動向の最新データ(【発表リリース:ビデオリサーチ 2014年10月度首都圏ラジオ調査 結果まとまる】)など、取得可能なデータを基に、震災前後のラジオ聴取動向について、聴取時間などの観点から確認をしていくことにする。

スポンサードリンク


ラジオをまったく聴かない人は増加中…?


今調査は1週間分の調査票を一括して郵送・回収する「日記式郵送留置調査方式」で実施されている。類似メディアのテレビで視聴率取得の際に使われる自動取得型ではなく、利用者性向で偏りが生じ得るインターネット経由のものでもない。それゆえに、調査方式による実態とのぶれはほとんどないと見てよい。

まずは調査対象母集団で「ラジオを聴いているか否か」の割合。調査期間の一週間に一度でも5分以上継続して聴取していれば「ラジオを聴いている」と判断し、ラジオ到達者・接触者としてカウントする。この割合の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 全局到達率・時系列比較(週次、5時-29時、1週間累積)(-2014年10月)
↑ 全局到達率・時系列比較(週次、5時-29時、1週間累積)(-2014年10月)

軸の下限が54%のため大きな変動をしているように見えるが、実際の動きは大したものではない。しかしそれでも2011年3月の震災後にやや上昇し、その1年後以降、具体的には2012年の半ば以降は緩やかながらも失速しているのが分かる。直近では60.1%の人が「週5分以上はラジオを聴いている」と回答したことになる。大体6割。見方を変えれば、4割の人はラジオとは無縁の生活を過ごしている。

また直近の2014年10月は大きく下げた前回調査月の8月からはいくぶん戻しを見せている。ただしこれではいわゆる「半戻し」にもならず、リバウンドとの表現も難しいほど。下げトレンドを転換するには、もう少し勢いのよい上昇が必要となる。

これを世代で区分して個々の動きを確認したのが次の図。若年層ほど到達率は低く、高齢層ほど高いのは想定の範囲内。しかし2011年3月の震災後に10代の到達率が上昇し、一時期ではあるが20-34歳層を超えた動きには注目したい。

↑ 全局到達率・時系列比較(週次、5時-29時、1週間累積)(世代別)(-2014年10月)
↑ 全局到達率・時系列比較(週次、5時-29時、1週間累積)(世代別)(-2014年10月)

2012年後半以降、未成年者の間では再び低下の動きを示しているが、震災を機会に多くの若年者がラジオに耳を傾けたのもまた事実。これにはインターネットラジオの普及も一役買ったのだろう。一方、以前【radikoが4月2日正午から全国視聴可能に・民放ラジオ11局も参入】で紹介したが、radikoが2012年4月から全国展開されたものの、それによる若年層の到達率の動きは無い。特に2013年末あたりから34歳以下の層における断続的な低下ぶりが気になる。

また、中期的に見るとシニア層の漸減傾向が目に留まる。数回分の調査結果からの動きでは無く、数年分の中での流れなだけに、注視する必要がある。同世代はラジオにとって一番のお得意様に他ならないからだ。特にこの数か月にはシニア層、そしてその下の中堅層で大きな下落が確認されている。直近ではほんのわずかながらも戻しているが、全体値同様、下げ基調から転じるには勢いが足りな過ぎる。中堅層以上の世代はラジオ業界にとっては上得意。この世代の離反は、ラジオ業界にとっては大きな痛手に他ならない。

ラジオ聴取者の聴取時間は?


「ラジオ聴取者における」平均的な聴取時間は次の通りとなる。ラジオを聴いている・聴いていない人双方を合わせた値から算出したものでなく、聴いた人のみの平均であることに注意(元々聴取率の低い若年層ほど「聴いていない人が多い」ことを起因として、平均聴取時間数が減ってしまうといった現象は起きない)。

↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(2014年10月、世代別)
↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(2014年10月、世代別)

↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(-2014年10月)
↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(-2014年10月)

直近の2014年10月時点では全体平均で114分/日。これが10代では37分、20-34歳では83分、35-49歳では99分。50歳以上の148分が、全体平均を大きく底上げしているのが分かる。聴く・聴かないの比率だけでなく、聴取者の聴取時間でも、高齢者ほどラジオと親しい関係にあることになる。

時系列による聴取者聴取時間の変化では、震災をきっかけに10分単位で増加したが、2012年に入って失速。2012年半ばを底として、うねりを見せつつ多少ながらも戻しを見せている。この流れは先の全局個人聴取率と変わらない。ただし直近2014年10月に限ると、到達率がいくぶん伸びた一方で、聴いている人の時間は短くなっていることが分かる。要は「聴かない人が減った一方で、聴いている人は少しだけ聴く時間を減らした」という流れか。

世代別動向を見ると、中期的には35歳以上の減少、中堅層の微増の動きがある。もっとも35-49歳層は少しずつ復調しているようにも見える。

↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(世代別)(-2014年10月)
↑ ラジオ接触者の全局聴取分数(一人・日)(世代別)(-2014年10月)

それぞれの世代の聴取時間の立ち位置がクロス、さらには入れ替わることはまずないだろうが、各世代で興味深い動きを示していることに違いはない。今後各世代がどのような変化をとげるのか、是非とも継続確認したいところだ。


■関連記事:
【テレビかネットかそれともラジオ? 音楽を購入・知るきっかけのルートを探る(2014年)(最新)】
【20代まではテレビとネットが同程度…テレビ・ネット・新聞・ラジオの利用率や利用時間をグラフ化してみる(2013年)】
【地震情報で見直される「ラジオ」、評価を受ける「ソーシャルメディア」、そして……】
【ラジオは日中点け放し、新聞は朝食時…? 男性シニア層のラジオ・新聞・雑誌の利用率をグラフ化してみる】
【テレビはシニア、ネットは若者…主要メディアの利用時間をグラフ化してみる(2014年)(総務省)」】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー