インターネットでニュースを見る、ではどこで見るのだろうか(最新)

2024/01/12 02:37

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2023-1221先行記事【インターネットでニュースはどの程度閲覧されているのだろうか】で、財団法人新聞通信調査会が2023年10月14日に発表したメディアに関する全国世論調査の結果として、3/4ほどの人がインターネット経由でニュースを閲覧していること、4割台後半の人は毎日閲覧していることが明らかになった。それではその人たちは具体的にどのようなサイトで、インターネットからニュースを取得しているのだろうか。また年齢階層や男女別などで場所の傾向に違いはあるのだろうか。その実態を確認していくことにする(【発表リリース:第15回メディアに関する世論調査結果】)。

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今調査の調査要綱は先行記事【じわりと下がるメディアへの信頼度、トップはNHKテレビ(最新)】を参照のこと。

先行記事の通り、今調査対象母集団では7割強が頻度は問わず、そして毎日ならば5割近くがインターネット経由でニュースを閲覧している。

↑ インターネットニュースの閲覧頻度(再録)
↑ インターネットニュースの閲覧頻度(再録)

それではこのインターネットニュースの閲覧者は、どのようなルートでニュースを取得しているのだろうか。おおよそ想定できる選択肢「ポータルサイト」「SNS(ソーシャルメディア)」「新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイト」「キュレーションサイト」と、それ以外をまとめて「その他」で提示し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。なお「キュレーションサイト」は2018年度から選択肢に加わっている。

↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定)
↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定)

直近年度では検索エンジンなどのポータルサイトに掲載されている、新聞社や通信社などから配信のニュースを見ている人がもっとも多く81.7%。次いでLINEやTwitter、FacebookのようなSNS(「SNS」の言葉の意味として厳密にはLINEは該当しないが、広義では該当し、今件調査でもSNSとして扱っている)で見ているとの人が37.9%。新聞社や通信社、テレビ放送局のような従来型の報道メディアが直接提供しているインターネット上のニュースを見ている人は14.6%。スマートニュースやグノシー、News Picksのようなキュレーションサイトで見ている人も14.6%。その他、例えば個人サイトや個別商品・サービスなどの企業サイト、プレスリリース集約サイトなどでニュースを確認する人は1.1%に限られている。ポータルサイトを利用する人がこれだけ多数に上るのは、そのサイト自身の信頼性に加え、多サイトを巡ることなく一か所でまとめて確認できる利便性によるところが大きい。個別の専門店にそれぞれ足を運ぶより、何でもそろうコンビニやスーパーでまとめ買いするようなもの。

「その他」以外について直近2023年度分を、回答者の属性別で区分したのが次のグラフ。

↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定、属性別)(2023年度)
↑ インターネットニュースを見る時、アクセスするサイト(複数回答、該当者限定、属性別)(2023年度)

高齢層における、新聞やテレビのような従来型メディア好き、権威を好む傾向は、インターネットニュースの取得元にも反映されている。結局配信元が異なるのみで中身は同じ内容であることが多いものの、ポータルサイトやSNSではなく新聞社やテレビ放送局などそれぞれの、そしてリアルな媒体と密接につながりのあるサイトでチェックをする傾向があるようだ。30代以上では新聞社・通信社・テレビ放送局の公式サイトを用いる人が1割台後半もいる。一方で今件はポータルサイトそのものの機能における利用傾向ではないものの、30-60代では8割以上がポータルサイトを使っているのは興味深い。

SNSがインターネットにおけるニュース取得の手段として有用な認識をされている実情もつかみ取れる。特に若年層では多くの人が利用しており、18-19歳と20代ではポータルサイト以上の利用実情が確認できる。SNS単体で取得できるニュースは見出しや概要のみのものが多いが、それで十分と考える、割り切る人が多いのだろう。あるいは元々SNSからインターネットの利用に入り、その中でニュースも見るようになっただけ、つまり最初から「インターネットでニュースを見る」とは、SNSで閲覧するような概要のみのニュースを見るものが常識との理解をしているのかもしれない。男女別では男性よりも女性の方がはるかにSNSと答える人の割合が多いのも興味深い実情に違いない。



今後スマートフォンなどのモバイル端末がさらに高性能化を果たし、気軽にまとめてチェック可能なニュースへの需要が今まで以上に増大する状況となった時、新聞社やテレビ局の公式サイトはいかなる姿勢を見せるのだろうか。動きはゆるやかではあるが、確実であることにも違いない。各社の挙動に注目したいところだ。


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