いくぶん上昇継続期待高まる…野村證券、2014年12月分の個人投資家動向発表

2014/12/12 14:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2014年12月11日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2014年12月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で小幅ながらも上昇、29.2を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月から続きもっとも多く、その選択肢の回答者も大幅に増加する動きを示している。その分大規模な上昇を予想する回答者が減っており、上昇はするが大きな相場展開は無いであろうとの考えにシフトしているように見える。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年12月1日から12月2日に行われたもので、男女比は82.2対17.8。年齢層は50代がもっとも多く33.9%、次いで60歳以上が30.6%、40代が25.1%など。過去の調査と比べてやや世代構成が若返っている感はある。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く31.1%、500万円-1000万円が19.0%、3000-5000万円が13.2%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く31.2%を占めている。次いで20年以上が29.8%、5年から10年未満が26.2%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で48.3%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が24.2%と1/4近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(3/4近く)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は29.2ポイント。前回からは5.8ポイントの上昇。前月の大幅下落から転じての上場だが、上げ幅は小さめ。この時期、日経平均株価は前月比で700円強上昇しており、今後も株価は引き続き上昇するとの予想をする人が増えたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で64.6%。前月分の61.7%からは2.9%ポイントの上昇。こちらも投資指数同様にいくぶん増加している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、プラス12.1ポイントと大きな増加を示し、さらなる上昇への期待がふくらんだことになる。ただし他の選択肢はすべて前月から減少しているが、特に上昇選択肢の回答率が低下しており、上昇は期待できるもののその上げ幅は小幅にとどまるであろうという、天井感に近い雰囲気が見えてくる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国内政治情勢」がトップにつき、先月までの「国際情勢」からとってかわることとなった。衆議院議員総選挙が12月14日に投開票を実施することが決定したのが大きく影響している。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「資本財・その他」「金融」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「電気機器・精密機器」「通信」「素材」「運輸・公共」「消費」はマイナス圏。「消費」のマイナス幅はいくぶん減少しており、消費税率引き上げ延期表明が影響したものと考えられる。なおトップ項目は「医薬品」から「自動車」に変わったが、為替レートが優位に働くとの思惑があるようだ。

・ドル円相場に対する見通しは、「やや円安」の意見がもっとも多く、先月から比べて回答率も増加している。今少し円安ドル高の流れが続くとの考えが支配的となっているようだ。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「オーストラリアドル」「日本円」が続く。「日本円」は大きく値を下げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスだがマイナス50台への突入は回避できた。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値も大きな変化は見られない。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が大いに低迷した一時期をのぞけばダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……富士フィルムホールディングス(4901)
4位……ANAホールディングス(9202)
5位……オリエンタルランド(4661)

3か月前から富士フィルムが上位に入り、今回月ではソフトバンクに抜かれたものの、第3位の座を確保している。これは同社のインフルエンザ薬「ファビピラビル(アビガン)」が、エボラ出血熱の新薬候補として注目を集めているのが原因。またANAが上位に顔を見せているが、競合他社のスカイマークが苦境に陥っていることへの連鎖反応的なものと考えられる。



日銀の追加金融緩和政策により株価は大きく上昇し、またアメリカの中間選挙の結果やFOMCによる量的緩和第三弾終了宣言などを受けて、為替は円安ドル高の方向に大きく動いている。また衆議院議員総選挙も決まり、それ自身、及びそれに絡んだ政治的な動きによる影響も小さからぬ出ていると評することができる。

次回は総選挙後初めての調査結果となる。株価や為替レートそのものの動きも気になるが、それに合わせて投資家マインドがいかなる変化を示すことになるのか。大いに注目したいところではある。


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