「情報源として欠かせない」「情報が信頼できる」新聞やテレビ、インターネットに対する思いは(最新)

2023/12/24 02:29

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2023-1215メディアは主に情報を取得するために存在し、利用される。情報はメディアの立場からは、商店における商品そのものとも表現できる。その情報を日々得る人にとってメディアは欠かせない存在であり、同時に情報の内容に関し、メディアは利用者からさまざまな要求が行われる。今回は財団法人新聞通信調査会が2023年10月14日に最新版を発表したメディアに関する全国世論調査から、主要メディアとなる新聞、テレビ、インターネットに関し、人々が情報源としてどの程度の必要性を覚えているのか、そして提供される情報に信頼を寄せているのかを確認していくことにする(【発表リリース:第15回メディアに関する世論調査結果】)。

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情報源として欠かせない存在はインターネット、民放テレビ、そして


今調査の調査要綱は先行記事【じわりと下がるメディアへの信頼度、トップはNHKテレビ(最新)】を参照のこと。

冒頭の解説の通り、メディアは情報を提供するために存在する。その商品たる情報が信頼されなければ顧客の視聴者・読者は付いてこない(初めから信頼性が低いと半ば宣言し、娯楽性の高さを売りとしているものは別)。そこで主要メディアに関して「情報源として欠かせない存在か否か」「情報が信頼できるか否か」を尋ね、肯定した人をカウントした結果が次以降のグラフ。なお報告書では新聞、NHKテレビ、民放テレビ、インターネット以外に、雑誌やラジオに関する回答値もあるが、全体値のみで属性別の値が公開されていないので、考慮からは除外する(全体値は確認できるがいずれも10%内外と低迷しているため、属性別の掲載の意味は薄いと判断されたのだろう)。

まずは「情報源として欠かせない存在である」とするメディアとしては、インターネットがもっとも多くの同意を得られており、54.5%。次いで民放テレビが45.2%、NHKテレビが38.7%。最後に新聞が35.1%との結果となった。

↑ 各メディアの印象「情報源として欠かせない」(属性別)(2023年度)
↑ 各メディアの印象「情報源として欠かせない」(属性別)(2023年度)

新聞やテレビと比べてインターネットはインフラとしての言葉の意味合いが強く、情報発信メディアとしての区分で同列視するのは問題があるが、世間一般の人のイメージとしての回答では、おおよそこのぐらいなら妥当性がある値といえる。新聞は「情報源としての必要性」の観点で、今回取り上げている主要メディアにおいては、一番低い支持率としての存在になってしまっている。

男女別では、男女ともにインターネットや民放テレビが高めに出ているが、男性ではインターネットが群を抜いて高いのに対し、女性ではインターネットに民放テレビが肩を並べるほどの値を示しているといった違いが出ている。女性の観点では情報源として必要不可欠か否かの観点で、民放テレビはインターネットと同じ程度の欠かせない存在であると認識されていることになる。昼時のバラエティ番組の視聴が影響しているのだろう。

年齢階層別に見ると、50代まではインターネットが一番で、次いで民放テレビ。40代まではインターネットが突き抜けた値を示している(50代もやや突出と読むべきか)。60代になると民放テレビが順位を上げてトップにつき、インターネットが続く。NHKテレビや新聞もインターネットに競るほどの値。70歳以上では新聞の値が60代よりも増え、NHKテレビとほぼ同じとなる。インターネットは16.5%でしかない。

今件で挙げられたメディアでは、50代と60代が「情報源としての必要性」における境界線となるようだ。高齢層が新聞やテレビに夢中になるのは、情報源として欠かせない存在との認識が強いのが、理由の一つであることが分かる。

信頼できる情報を提供するメディアはNHKテレビと新聞


情報源としての必要性ではなく、発信される情報の確からしさ、信頼性の点では、NHKテレビと新聞に置かれた信頼の高さが際立つ形となっている。

↑ 各メディアの印象「情報が信頼できる」(属性別)(2023年度)
↑ 各メディアの印象「情報が信頼できる」(属性別)(2023年度)

1つ目のグラフと、メディア毎の棒グラフの色を一致させているのだが、印象が大きく異なっている。こちらのグラフでは青色と赤色が大きく伸び、緑色と紫色が短め。またほとんどの属性で赤色の方が青色よりも長い。これはそれぞれ「新聞とNHKテレビが提供情報の観点では大いに信頼されている」「民放テレビとインターネットはあまり情報の信頼性はないとの認識がされている」「新聞とNHKテレビとではNHKテレビの方がより高い信頼を得ている」と見ることができる。

男女別では新聞・NHKテレビは女性の方が、インターネットでは男性の方が高い値を示している。年齢階層別ではおおよそ若年層ほどインターネットへ信頼を置いているものの(ピークは30代だが)、それほど高いものではなく、新聞とNHKテレビは年齢が上になるに連れて信頼する人の割合も増加していく。民放テレビもNHKテレビと似たようなものだが、18歳-30代ではむしろ年齢とともに減少していく動きを見せるのは興味深い。



属性別のメディア別印象はこの「情報源として欠かせない」「情報が信頼できる」以外に「社会的影響力がある」も加えた3項目しか公開されていないが、これだけを見ても、年齢階層間のメディアギャップ、そして高齢層における新聞とNHKテレビ信奉、特に新聞への信服ぶりが手に取るように分かる。

今後デジタルに慣れ親しんだ世代が歳を重ねるにつれ、これらの傾向にどのような変化が生じるのか。大いに注目したいところではある。


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