じわりと下がるメディアへの信頼度、トップは新聞(最新)

2021/02/10 05:29

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2021-0131財団法人新聞通信調査会は2021年1月24日、メディアに関する全国世論調査の2020年度版を発表した。その内容によれば調査対象母集団においては、直近2020年度でもっとも信頼度の高い主要メディアは新聞となり、100点満点で69.2点の信頼度を得ていることが分かった。次いでNHKテレビ、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌の順となっている。2008年度の調査開始以来、どのメディアもおおよそ信頼度は減少する傾向にあり、特に震災の影響を受けた2011年度以降、いくつかのメディアでは大きな減少が生じていたが、ここ数年度では民放テレビで下げ止まり、回復する動きを示していたものの、直近年度では前年度比で落ちる形となった。一方で新聞やNHKテレビ、インターネット、雑誌は多少ながらも前年度比で持ち直しを示している(【発表リリース:第13回メディアに関する世論調査結果】)。

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今調査は2020年10月30日から11月17日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3064人。有効回答者の属性は男性1435人・女性1629人、18-19歳78人・20代295人・30代380人・40代571人・50代461人・60代511人・70代以上768人。

主要メディアとして新聞、NHKテレビ、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌を提示し、それぞれのメディアの情報をどの程度信頼しているかについて、「全面的に信頼…100点」「全く信頼していない…0点」「普通…50点」の基準で点数をつけてもらったところ、平均点がもっとも高かったのは新聞で、69.2点となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2020年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2020年度)

実情はともかく情報に関して信頼されているか否かの点では、新聞が今なお高い信頼を受けているのが分かる。

新聞に続くNHKテレビは69.0点とほぼ同じ値。そして民放テレビが62.0点と続く。同じテレビでも民放テレビはNHKテレビと比べて7.0点も低い値に留まっており、情報の信頼性における両者の違いを改めて実感させられる。

新聞、NHKテレビ、民放テレビの後にはラジオ、インターネット、雑誌と続くが、インターネットと雑誌は50点未満。50点が「普通」の基準なので、インターネットと雑誌は情報全般に関して信頼されていないことになる。

これを属性別に見たのが次のグラフ。おおよそ順位に違いはないが、各属性における特徴が表れる形となった。なお女性の新聞の値は資料では未掲載のため空欄となっている(順位から推測すると少なくとも70.6よりは上)。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2020年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2020年度)

年が上になるに連れて各メディアへの信頼度もおおよそ増加するが、雑誌やインターネットは逆に減少する。そのため、テレビや新聞との差が大きく開くことになる。高齢層はテレビや新聞を「信奉」と表現してよいほどに信頼し、インターネットや雑誌を軽んじる傾向があることが複数の調査結果から知られているが、それが裏付けられる形となっている。

他方若年層はNHK・民放問わずテレビの値がいくぶん低めで、インターネットへの信頼度が高い。

最後に経年別。今調査は2008年度から開始されているため、都合13回分の動向が確認できる。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)

東日本大震災が発生した2011年3月以降初となる調査は2011年度分(2011年9月実施)だが、その際のラジオの値が有意に増加しており、震災報道でラジオが権威を回復したことが分かる。またNHKテレビも同様の動きを示している。他方民放テレビ、インターネット、雑誌は大きな減少が見受けられ、震災報道により信頼度を落としてしまっていることが分かる。

中期的な動きを見ると、いずれのメディアも信頼度を漸減しているが、2016年度以降は新聞がほぼ横ばいの動きになったようにも見える。NHKテレビは同じようなタイミングで似た動きを示していたが、2019年度で大きく減少し、記録の限りでは初めて新聞と順位を入れ替わる事態となった。その状態は直近の2020年度も続いている。あくまでもNHKテレビの信頼度が大きく落ちたのが原因であり、新聞の信頼度が回復したわけではないことに注意が必要(直近年度では前年度比で多少増えたが)。

民放テレビは2018年度年で大きく持ち直したがそこで息切れ。直近年度では前年度比で落ちてしまう。もっとも、かつて競っていたラジオが減少を継続しており、差は大きなまま。

インターネットと雑誌は大きな減少の動き。インターネットに関しては一連の「フェイクニュース」報道がインターネットの責にあるとの印象が強かったことを思わせる動きではある。もっとも両者とも直近年度では前年度比で増加しているが。

メディアに関する記事では繰り返し言及している話ではあるが、テレビや新聞はそれ自身が配信側の業界・集団的なモノを意味する一方で、インターネットはツールでしかなく、「インターネット」との名前の配信社が存在するわけではない点に注意する必要がある。信頼性は多分に情報の発信元に連動する問題であり、新聞やテレビ、ラジオはほぼそのままイコールとなるが、インターネットや雑誌はツールとしての意味合いが強い。今件の信頼度のうちインターネットや雑誌のものは、恐らく玉石混淆な全体の状態を評価したものと考えられる。インターネットの情報すべてが信頼度の上で低いとの認識は、実態とはずれがあることを指摘しておく。ある特定の車種の自動車に大きな欠陥が見つかったとしても、自動車全体が欠陥品ではないのと同じである。

何しろ信頼度の高い新聞やNHKテレビですら、それぞれの媒体で提供している内容と同じ情報を、インターネット経由でも配信しているのだから。


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