じわりと下がるメディアへの信頼度、ようやく下げ止まりか(最新)

2018/11/30 05:18

2018-1122財団法人新聞通信調査会は2018年11月21日、メディアに関する全国世論調査の2018年度版を発表した。その内容によれば調査対象母集団においては、直近2018年度でもっとも信頼度の高い主要メディアはNHKテレビとなり、100点満点で70.8点の信頼度を得ていることが分かった。次いで新聞、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌の順となっている。2008年度の調査開始以来、どのメディアもおおよそ信頼度は減少する傾向にあり、特に震災の影響を受けた2011年度以降、いくつかのメディアでは大きな減少が生じていたが、ここ1、2年度では複数のメディアで下げ止まり、回復する動きを示している(【発表リリース:第10回メディアに関する世論調査結果】)。

スポンサードリンク


今調査は2018年8月17日から9月4日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3135人。有効回答者の属性は男性1462人・女性1673人、18-19歳70人・20代299人・30代377人・40代553人・50代500人・60代589人・70代以上747人。

主要メディアとしてNHKテレビ、新聞、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌を提示し、それぞれのメディアの情報をどの程度信頼しているかについて、「全面的に信頼…100点」「全く信頼していない…0点」「普通…50点」の基準のもとに点数をつけてもらったところ、平均点がもっとも高かったのはNHKテレビで、70.8点となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2018年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2018年度)

同じテレビでも民放テレビは7.9点低い62.9点に留まっており、情報の信頼性における両者の違いを改めて実感させられる。そして新聞がNHKテレビに近い値69.6点をつけ、実情はともかく情報に関して信頼されているか否かの点では、新聞が今なお高い信頼を受けているのが分かる。

NHKテレビ、新聞、民放テレビの後にはラジオ、インターネット、雑誌と続くが、インターネットと雑誌は50点未満。50点が「普通」の基準なので、インターネットと雑誌は情報全般に関して信頼されていないことになる。

これを属性別に見たのが次のグラフ。おおよそ順位に違いは無いが、各属性における特徴が表れる形となった。なお新聞の40代の値は報告書の表記が欠けており、具体的値が確認できない状態となっているのでグラフでは空白にしている。少なくともNHKの72.3%以上であるのは確かなのだが。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2018年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2018年度)

年が上になるほど各メディアへの信頼度もおおよそ上昇するが、雑誌やインターネットは逆に下がる。そのため、テレビや新聞との差が大きく開くことになる。高齢層はテレビや新聞を信奉し、インターネットや雑誌を軽んじる傾向があることが複数の調査結果から知られているが、それが裏付けられる形となっている。

他方若年層はNHK・民放問わずテレビの値がいくぶん低めで、インターネットへの信頼度が高く、18-19歳と20代ではラジオすら抜いている。注目に値すべき動きではある。

最後に経年別。今調査は2008年度から開始されているため、都合11回分の動向が確認できる。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)

震災が発生した2011年3月以降初となる調査は2011年度分(2011年9月実施)だが、その際のラジオの値が有意に上昇しており、震災報道でラジオが権威を回復したことが分かる。またNHKテレビも同様の動きを示している。他方民放テレビ、インターネット、雑誌は大きな下落が見受けられ、震災報道により信頼度を落としてしまっていることが分かる。

中期的な動きを見ると、記事タイトルの通り、いずれのメディアも信頼度を漸減しているが、直近1、2年度ではようやく底打ち、さらには回復の動きの雰囲気が見られる。ただしインターネットと雑誌は大きな下落を見せている。インターネットに関しては一連の「フェイクニュース」報道がインターネットの責にあるとの印象が強かったことを思わせる動きではある。

メディアに関する記事では繰り返し言及している話ではあるが、テレビや新聞はそれ自身が配信側の業界・集団的なモノを意味する一方で、インターネットはツールでしかなく、「インターネット」との名前の配信社が存在するわけでは無い点に注意する必要がある。信頼性は多分に情報の発信元に連動する問題であり、新聞やテレビ、ラジオはほぼそのままイコールとなるが、インターネットや雑誌はツールとしての意味合いが強い。今件の信頼度のうちインターネットや雑誌のものは、恐らく玉石混淆な全体の状態を評価したものと考えられる。インターネットの情報すべてが信頼度の上で低いとの認識は、実態とはずれがあることを指摘しておく。ある特定の車種の自動車に大きな欠陥が見つかったとしても、自動車全体が欠陥品では無いのと同じである。

何しろ信頼度の高い新聞やNHKテレビですら、それぞれの媒体で提供している内容と同じ情報を、インターネット経由でも配信しているのだから。


■関連記事:
【「本震」から半年、緊急時のマスメディアへの信頼性はどのように変化したか】
【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる(2010-2014年)(最新)】
【新聞一番テレビが二番…メディアへの信頼度、テレビと新聞の高さ継続(最新)】
【アメリカでもじわりと、確実に減少する従来型メディアの信頼度】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2019 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー