じわりと下がるメディアへの信頼度、民放テレビは持ち直しか(最新)

2019/11/28 05:21

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2019-1120財団法人新聞通信調査会は2019年11月2日、メディアに関する全国世論調査の2019年度版を発表した。その内容によれば調査対象母集団においては、直近2019年度でもっとも信頼度の高い主要メディアは新聞となり、100点満点で68.9点の信頼度を得ていることが分かった。次いでNHKテレビ、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌の順となっている。2008年度の調査開始以来、どのメディアもおおよそ信頼度は減少する傾向にあり、特に震災の影響を受けた2011年度以降、いくつかのメディアでは大きな減少が生じていたが、ここ1、2年度では民放テレビで下げ止まり、回復する動きを示している(【発表リリース:第10回メディアに関する世論調査結果】)。

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今調査は2019年8月23日から9月10日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3051人。有効回答者の属性は男性1467人・女性1584人、18-19歳58人・20代296人・30代390人・40代540人・50代490人・60代538人・70代以上739人。

主要メディアとして新聞、NHKテレビ、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌を提示し、それぞれのメディアの情報をどの程度信頼しているかについて、「全面的に信頼…100点」「全く信頼していない…0点」「普通…50点」の基準で点数をつけてもらったところ、平均点がもっとも高かったのは新聞で、68.9点となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2019年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2019年度)

実情はともかく情報に関して信頼されているか否かの点では、新聞が今なお高い信頼を受けているのが分かる。

新聞に続くNHKテレビは68.5点とほぼ同じ値。そして民放テレビが62.9点と続く。同じテレビでも民放テレビはNHKテレビと比べて5.6点も低い値に留まっており、情報の信頼性における両者の違いを改めて実感させられる。

新聞、NHKテレビ、民放テレビの後にはラジオ、インターネット、雑誌と続くが、インターネットと雑誌は50点未満。50点が「普通」の基準なので、インターネットと雑誌は情報全般に関して信頼されていないことになる。

これを属性別に見たのが次のグラフ。おおよそ順位に違いは無いが、各属性における特徴が表れる形となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2019年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2019年度)

年が上になるに連れて各メディアへの信頼度もおおよそ上昇するが、雑誌やインターネットは逆に下がる。そのため、テレビや新聞との差が大きく開くことになる。高齢層はテレビや新聞を信奉し、インターネットや雑誌を軽んじる傾向があることが複数の調査結果から知られているが、それが裏付けられる形となっている。

他方若年層はNHK・民放問わずテレビの値がいくぶん低めで、インターネットへの信頼度が高い。

最後に経年別。今調査は2008年度から開始されているため、都合12回分の動向が確認できる。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)

震災が発生した2011年3月以降初となる調査は2011年度分(2011年9月実施)だが、その際のラジオの値が有意に上昇しており、震災報道でラジオが権威を回復したことが分かる。またNHKテレビも同様の動きを示している。他方民放テレビ、インターネット、雑誌は大きな下落が見受けられ、震災報道により信頼度を落としてしまっていることが分かる。

中期的な動きを見ると、記事タイトルの通り、いずれのメディアも信頼度を漸減しているが、2016年度以降は新聞がほぼ横ばいの動きになったようにも見える。NHKテレビは同じようなタイミングで似た動きを示していたが、2019年度で大きく下落し、記録の限りでは初めて新聞と順位を入れ替わる事態となった。あくまでもNHKテレビの信頼度が大きく落ちたのが原因であり、新聞の信頼度が回復したわけではないことに注意が必要。

民放テレビはここ1、2年で大きく持ち直している。これまでラジオに対しぎりぎりな形で上位についていたが、この持ち直しで大きな余裕ができた形となる。

インターネットと雑誌は大きな下落の動き。インターネットに関しては一連の「フェイクニュース」報道がインターネットの責にあるとの印象が強かったことを思わせる動きではある。

メディアに関する記事では繰り返し言及している話ではあるが、テレビや新聞はそれ自身が配信側の業界・集団的なモノを意味する一方で、インターネットはツールでしかなく、「インターネット」との名前の配信社が存在するわけではない点に注意する必要がある。信頼性は多分に情報の発信元に連動する問題であり、新聞やテレビ、ラジオはほぼそのままイコールとなるが、インターネットや雑誌はツールとしての意味合いが強い。今件の信頼度のうちインターネットや雑誌のものは、恐らく玉石混淆な全体の状態を評価したものと考えられる。インターネットの情報すべてが信頼度の上で低いとの認識は、実態とはずれがあることを指摘しておく。ある特定の車種の自動車に大きな欠陥が見つかったとしても、自動車全体が欠陥品では無いのと同じである。

何しろ信頼度の高い新聞やNHKテレビですら、それぞれの媒体で提供している内容と同じ情報を、インターネット経由でも配信しているのだから。


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