米・パン・めん別に見た「中食や外食は増えているのだろうか」(2016年)(最新)

2016/07/24 05:15

先行記事の【お米を食べる機会は減っているのだろうか】などで、JC総研が発表したお米の消費行動に関する調査結果をもとに、自宅でお米を炊いて食べる機会はわずかずつながら減っている傾向にあったものの、2015年以降は増加に転じたことを確認した。一方で飲食店やコンビニ・スーパーなどの惣菜関連の動向から、昨今では中食の需要が増加している動きも見受けられる。そこで今回は同調査結果を基に、主食のお米・パン・めん類に、中食や外食の摂取頻度がどのような変化を示しているのかを確認していくことにする(【発表リリース:米の消費行動調査】)。

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お米を食べる頻度を中食と外食で見ていくと


今調査の調査要項は先行記事の【お米、パン、めん類…主食をどれだけ食べている?】を参照のこと。今調査対象母集団では、主食としてお米を食べる機会において、自宅で炊いて食べる炊飯の機会は減り、中食が漸増していた傾向が見受けられた。そして2015年以降では炊飯が増加に転じ、その分中食や外食が減る動きを示している。

↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)(再録)
↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)(再録)

そこでもう少し長い時系列でデータを取得できる「既婚女性」「単身男性」「単身女性」に関し、中食(加工食品……パックごはんや冷凍ピラフ、お餅など)・中食(調理済……弁当、おにぎりなど)・外食の3様式に関し、1週間あたりの食数(要は頻度)の推移を見ていくことにする。

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、既婚女性)

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身男性)

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身女性)

まず外食。どの属性でもほぼ一様に減少傾向にあった。外食そのものの回数が減らされている話は本当のようだ。ただし直近の2016年に限れば、各属性で反発の動きを示している。既婚女性の場合は2014年以降で持ち直しを示しており、トレンドの変化を覚えさせる。

一方中食だが、いくぶんのイレギュラーな動きがあるものの、調理済みのご飯も減る動きを示している。また同じ中食でも加工食品は属性によって異なる傾向、具体的には単身女性が減り、単身男性と既婚女性は減少から増加へと転じる流れにあった。特に既婚女性における値の動きは明確なもの。中食利用者の多くは惣菜のみを調達し、ご飯などの主食は自前で用意する事例が多いとの話を聞くが、単身男性や主婦は冷凍ピラフやパックごはんもまた、惣菜などと共に調達する事例が増えているようだ(確かに昨今のコンビニなどにおける冷凍の調理系ご飯は多種多様が用意されており、興味をそそられる)。お弁当のように何らかの具材がプラスされて値が張ってしまうものではなく、あくまでも主食としてのご飯を求めているのだろう。

ただし直近の2016年では加工食品も一様に減退している。これが一時的なものか、それともトレンドの変わり目を示しているのか、もう1、2年は様子を見る必要がある。

ざっとまとめると主食のお米の場合、外食は減少、中食の調理済みも減少、中食の加工食品は惣菜などと共に買う事例が主婦や単身男性の間で増加する傾向。ただし直近の2016年は過去数年間の動きとは異なる方向性を示しており、お米に関する中食・外食事情そのものに変化が生じている可能性があると見受けられる。

パンやめん類はどうだろうか


同じようにパン類やめん類についても、中食と外食の動きを見ていくことにする。もっともこれらは2011年分以降しかデータが用意されていないので、現段階では都合6年分の動きを確認することになる。なおパン・めん共に元々内食のデータは無い。最近では製麺機やパン焼き器の普及も進んでいるが、今件のような調査にまで影響を及ぼすほどには浸透していないのが実体であり、事実上無視して構わない。

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、既婚女性)

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身男性)

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身女性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身女性)

6年間のみの変移なのでやや分かりにくいが、既婚女性はともかく単身者は男女ともに外食(破線部分)が減少している傾向にあるのが分かる。一方中食(実線)は2014年までは既婚女性こそあまり変化がないものの、単身男性はパン・めん共に、単身女性もパンが明らかに機会を増やしていたのが確認できる。パンは具体的には食パン、菓子パン、サンドイッチ、ハンバーガーなどを指しており、惣菜パンの類を購入して自宅や職場で食する機会が増えていたようだ。独身諸氏にとって、スーパーやコンビニのパン類は強い味方となりつつある。

ただし2015年以降になると、ごく一部の例外、具体的には単身男女の外食・パン類をのぞき、中食・外食のパン類やめん類はその食数を減らしている。特に中食のパン類の減り方が顕著。消費税の引き上げや原材料費の上昇に伴う各種パンなどの値上げで、購入性向が減退したことが示唆される結果となっている。直近の2016年では中食のパンは一部持ち直したものの、単身男性はさらに大きく落ち込んでおり、上記のお米同様、小さからぬ変化が生じたことを予見させる。



パン類やめん類の経年データが6年分しか確認できなかったのは多少残念。2015年以降は加工食品の単価上昇に伴い、中食や外食の利用性向の減退のような大きな動きが生じていることから、過去からの変化を推し量る上では、もう少し長い期間の流れが確認できた方が精度は上がるからだ。

2016年におけるイレギュラーな動きは、外食はともかく中食の場合、お米は自炊でご飯を用意し、惣菜のみ店で調達のパターンが圧倒的に多いからだろう。また「パン・外食」の単身男性が復調する一方で、既婚女性が減少の動きを留めないのは、某最大手のチェーン店における問題から時間が経過した後、どのような姿勢を利用客が見せたのか、その反応の違いが出ているようで興味深い。

お米の消費、特に炊飯の増加に伴い中食・外食の動きにも変化の兆しが見えてきた。これは継続的なものとなるのか、それとも一時的なものに過ぎないのか。来年以降の動向が大いに気になるところだ。


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