都道府県別の新聞発行部数の変化をグラフ化してみる(2014年)

2014/01/02 14:00

先行記事で【社団法人 日本新聞協会】の発表データを基に、2013年における新聞の発行部数が前年比で77.8万部・1.63%ほどの減少を示していることをお伝えした。今回は同協会の公開値を用い、同じく2013年における、都道府県別の新聞発行部数の前年分と比較した変移を確認していくことにした。新聞発行部数はすべての都道府県で一様に減っているのだろうか。

スポンサードリンク


新聞発行部数が漸減しているのは、先の記事にもある通り。

新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)
↑ 新聞発行部数(万部)(朝夕刊セットを1部で計算)(再録)

今回の主旨は都道府県別の発行部数を抽出した上で、直近2013年分とその前年2012年分を比較しようというもの。2012年分は前年記事作成時に用いた値をそのまま活かし、2013年分は協会公式ページで提供されている公開値を取得。各都道府県別に計算を行い、出来上がったのが次のグラフ。

↑ 日刊紙の都道府県別発行部数変移率(2012年→2013年)
↑ 日刊紙の都道府県別発行部数変移率(2012年→2013年)

先の震災の影響で被災3県、岩手・宮城・福島の新聞発行部数が減少しているのでは、との懸念は良く耳にするが、2010年から2011年の変異ならともかく、2012年から2013年の動向に限れば、むしろ数少ない増加県として確認ができる。前年2012年における前年比(つまり2011年から2012年の変異)では岩手が0.0%、宮城がマイナス0.7%、福島がプラス1.2%で他の都道府県との特異性は見られなかったこと(つまり2013年の上昇が「前年の下落の反動」では無い)も合わせて考えると、むしろ被災3県では純粋に新聞の購読者が増えていると見て良い。人口そのものは宮城では増加しているものの、岩手と福島では減っているので、震災時の混乱から脱し、居住環境が落ち着いて新聞を購読する余裕が持てる人が増えたのか、あるいは新聞購読性向が高い高齢者が増えたのかもしれない。

一方、新潟県のマイナス4.1%という大きな下げ方が気になる。特に同県で新聞関連のアクシデント、事件が起きたという話は聞かない。単なるイレギュラーか、あるいは大きく伝えられることが無い、新聞離れを加速する動きがあったのかもしれない(部数そのものは約79万6000部から約76万4000部への減少である)。

また傾向的には四国・九州や関東地方でやや大きな下げ幅を示しているのが目に留まる。特に前者は2012年でも比較的大きな下げ幅を示していたことから、西日本における紙媒体の新聞離れ的な動きが起きているのかもしれない。

今回イレギュラーの可能性がある、そしてグラフ生成上不都合があるため上記図からは除外しているが、海外における発行部数が大きく減っているのも注目される。具体的には2012年時点で約5万8200部だったものが、2013年では約5万1200部となり、前年比でマイナス12.1%もの高い下げ幅を記録している。デジタル化への移行に伴う紙媒体としての新聞の必要性の低下は、海外利用者の方が強い認識を示しているのだろう。この動きが来年も継続するのなら、その急速な減少ぶりは遠からず国内各都道府県にも及んでくると見るべきであり、注目に値する。

ともあれ、2011年3月の震災を直接起因とした新聞の発行部数へのマイナスの影響は、2013年時点ではすでに無いと断じて良い。他方、この数年続いている大都市圏や西日本における顕著な減少の方が気になるところではある。大都市圏の動きは「インフラ整備が進んでいる」「デジタル化の促進」「インターネットによる情報取得傾向が強い」「紙媒体の必要性の低下」という流れである程度説明はつくが(あるいは世帯人口数の減少、若年層が集中することによる新聞忌避の動きも一因だろう)、西日本に強い部数減少の動きが起きている件は理由が見つからない。2014年も同じ動きをしめすのであれば、深く掘り下げる必要があるのかもしれない。


■関連記事:
【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版、2012年分まで反映)】
【産経以外は前半期比マイナス、日経は2%以上の下げ率…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2013年前半期・半期分版)】
【携帯だけで14.3%、PC減少続く…メディア視聴時間推移(2013年)】
【新聞とネットの順位交代…今年一年の従来4マスとインターネットの広告売上動向を振り返ってみる(2013年)】
【新聞購読率減退中、増えているのは高齢者のみ】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー