2014年10月度外食産業売上マイナス1.2%…季節外れの相次ぐ台風上陸で客足大きく減退

2014/11/25 16:00

日本フードサービス協会は2014年11月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2014年10月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス1.2%を示すこととなった。前年同月と比べるとレアケースとなる台風の相次ぐ上陸で客数が大きく減退し、これが売り上げにも響く形となった。とりわけファストフードの洋風はただでさえ客足が遠のき気味な状態に拍車をかけ、前年同月比で客数・売上共に1割以上の減少を示す形となっている(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が212、店舗数は3万2038店舗。今月は前月と比較すると事業社数は減少し、店舗数は増加している。

全業態すべてを合わせた2014年10月度売り上げ状況は、前年同月比で98.8%となり、1.2%の減少を記録した。これは先月から継続する形で5か月連続の下落となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では土日共に同数だったものの、今年は先行する形で伝えているチェーンストアやコンビニの月次売上記事で解説の通り、約半世紀に渡る計測期間ではわずか3例目となる「10月に2回も日本に台風が上陸した月」となり、これが大いに客足を遠のかせる要因となった。実際、外食産業全体の値を見ると、客単価こそプラス3.1%だが、客数がマイナス4.2%と大きく削られており、これが売り上げをマイナスに追いやる原因となっている。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から続いて5か月連続のマイナス(マイナス4.1%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風は、社会問題化した中国産鶏肉食材の問題そのものはほぼ終息しているものの、余韻的な勢いで客足はなかなか戻らず、さらに台風が影響したこともあり、客数は実にマイナス12.9%という大きな下げ幅を記録した(奇しくも前月と同じ)。客単価はプラス1.4%と堅調だったものの、売り上げはマイナス11.7%にまで落ち込んでしまう(こちらも前月と同じ)。ちなみに洋風の主軸企業であるマクドナルド単体では10月付の月次売上高はマイナス17.3%(既存店)を示している。一方でその他部門はカレー関連が先月から続き堅調を維持し、客数・客単価プラスで売上もプラス4.1%を挙げている。

牛丼チェーン店を含む和風は、台風の中でも客数はほぼトントンのプラス0.2%を示し、客単価を大きく底上げさせプラス5.5%と成し、売上もプラス5.7%としている。前月のプラス5.9%と比べればいくぶん後退したものの、周辺環境を考慮すれば大健闘に違いない。

ファミリーレストラン部門はやはり天候の関係から客数が減ったものの、客単価が良かったことから売り上げを底上げし、前年同月比はプラス2.9%。焼き肉は客単価・客数共に好調で、売上も前年同月比で1割近いアップ(プラス9.7%)を示している。店舗数増加が1.3%プラスに留まっていることを考慮すれば、純粋な売り上げアップと判断できるだけに、その好調さが確かなものであることは理解できよう。

パブ/居酒屋部門では元々不調な状況に加え、日取りの悪さも足を引っ張る形となり、マイナス2.2%。もっともパブ・ビアホールは比較的好調でプラス4.3%を示したのに対し、居酒屋は3.6%の下げを示しており、消費性向の変化による客足の遠のきが懸念される。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年10月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年10月分)

レアケースとなる
相次ぐ台風の上陸で
全般的に客足が遠のき
ファストフードは特に苦戦。
ファミレスはそれでも
客単価が貢献し売上はプラス。
居酒屋とファストフードの
洋風の不調さは深刻なまま。
4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響もほとんど生じなかった外食産業だが、夏にかけて天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題という2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、不調が続いている。大きなウエイトを占めるファストフードでは和風や麺類、その他部門は好調さが続いているにも関わらず、ファストフード全体ではマイナスが継続、そして外食産業全体にも影響を与えていることから、中国産鶏肉食材の問題の影響がいかに大きなものかを改めて認識させてくれる。あるいはそれ自身は単なるきっかけでしかなく、業界の一部部門(洋食)における根本的な問題が露呈したのかもしれない、それほどまでに大きく、長期に渡る動きではある。また回転寿司も不調が続いているのが目に留まる。洋食と合わせ、業界再編成の機運が高まっているのかもしれない。

居酒屋の不調続きも目に留まる。こちらは食材や天候の影響では無く、ビジネススタイルそのものが時代の流れとの間に歯車のかみ合わせ的な面でのずれを生じてしまっている雰囲気がある。可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化などなど、居酒屋にはマイナスとなる変化ばかりが起きている。複数人数が一緒に来店して会食をする点では、お酒を飲むこと以外は類似点が多いファミリーレストラン部門が大よそ堅調なのも、非常に対象的ではある。

もっとも居酒屋という業態そのものがまったく時代ハズレになったわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が試験運用している「吉呑み」が堅調さを示し、ちょっと一杯飲みに行くスタイルでは先駆者ともいえる中華料理店の日高屋が好評を博しているとの報告が相次ぎなされ、その実態が明らかにされている現状を見るに(運営会社のハイデイ日高の月次売上を確認すると、ここ数年は前年同月比でほとんどの月においてプラスを呈している)、既存の居酒屋にも何らかの変化が求められているように思える。

他部門が比較的良い動きを示し続ける中で、とりわけここ数か月不調が続くファストフードの洋風、そして居酒屋。この2部門の回復状況が、外食産業全体の動向を精査するうえで、今後も注視すべき重要ポイントといえるだろう。


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