日本の鉄道利用客数推移などをグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/12/17 10:35

近場の移動には徒歩以外に自転車やバスなどが多用されるが、遠出をする、特に特定箇所を幾度となく行き来する場合、公共交通機関の代表格として鉄道が使われることが多い。運営側としては維持運営コストが莫大なものとなること、利用側としてはダイヤに気を付けなければいけない他に目的地周辺にまで路線が無ければ利用できないなど弱点・難点も多いが、利用できる限りであれば非常に有益な移動機関に違いない。昨今では省エネ・節約志向もあわせ再評価を受け、利用客も増加しているとの話も見聞きする。今回は国土交通省の【交通関係統計等資料】から「鉄道輸送統計調査 年報」など各種データを取得し、日本の鉄道における利用客数などの動向を確認していくことにする。

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2014年度は236億人が利用


まず最初に確認していくのは、JR・私鉄を問わず日本国内の鉄道を利用した旅客数の推移。JRはほぼ全国展開、私鉄は一般的に地域との密着性が強いことから、利用者数はJR各社の合計の方が多いようなイメージがあるが、実際には私鉄各社の方が多い。直近2014年度ではJRが90億8800万人、私鉄各社が145億1200万人で、合計で236億0000万人が鉄道を利用している計算になる。延べ人数であることは言うまでもない。

↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人)
↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人)

↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人)(積み上げグラフ)
↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人)(積み上げグラフ)

バブル期までは漸増していた利用数も、バブル崩壊あたりで頭打ちとなり、それ以降は減退。今世紀に入ってから再び増え始めるが、金融危機・リーマンショックで再び下げ基調に。2012年度に入りようやく再び上昇機運を見せている。

また1990年代後半以降は、増加分のほとんどは私鉄によるもので、JRはほぼ横ばいの動きを示しているのが興味深い。さらにこの数年の上昇分では私鉄だけでなくJRにも伸びが見られ、これまでの上昇の仕方とはやや異なる方向性にあることが分かる(直近の2014年度では前年度比で減退したが)。景気回復基調と定年退職者の急増に伴う旅行機運の高まりに加え、自動車による長距離移動が避けられるようになった、人口の都市集中化に伴い自動車を使う気概が減ったなど、さまざまな要因によるものと推定される。

総人口そのものは減退傾向にあることを考えれば、一人一人の利用回数が増えていることになり、鉄道そのものへの注目が高まっていると見て問題はあるまい。

「人キロ」ではどうだろうか


鉄道などの交通機関の利用状況を示す指標の一つとして「人キロ」なる単位がある。これは言葉の通り、旅客者数とその旅客を輸送した距離を掛け合わせたもの。例えば一人が10キロ移動すれば10人キロとなる。この値が多いほど、多くの人がより遠くまで利用したことになる。また旅客数の増加と比べて人キロの増加度合いが大きければ、単に利用客数が増えただけでなく、遠出をする人が増えたことを意味する。

↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人キロ)
↑ 鉄道・軌道旅客人数(億人キロ)

↑ 鉄道・軌道旅客人キロ(億人キロ)(積み上げグラフ)
↑ 鉄道・軌道旅客人キロ(億人キロ)(積み上げグラフ)

結果としてはほとんど旅客数そのものとの違いは見られなかった。利用客内部における利用スタイルに、劇的な変化が起きたわけではなく、純粋に利用客が増加したことが確認できた次第。

もっとも各数字を用いて概算的に「利用客の平均移動距離」を試算したところ、私鉄は概して減少する傾向があるのに対し、JRはここ数年増加する動きを示している。

↑ 鉄道・軌道旅客一人当たり平均利用距離(キロ)
↑ 鉄道・軌道旅客一人当たり平均利用距離(キロ)

長距離の旅行利用者の増加が、平均値にも変化をもたらしているのかもしれない。



「交通関係統計等資料」では残念ながら利用客の世代構成までは把握できておらず、鉄道利用客における世代動向は今件の限りでは確認できなかった。もっとも鉄道の利用客はほぼ横ばいで推移し、この数年はむしろ増加する傾向にあることが分かっただけでも幸いである。

ちなみに旅客ではなく、鉄道貨物の利用状況だが、移動の際の汎用性の高さや機動力の観点でトラックに大きく水をあけられ、急速に利用数量は減少していた。

↑ 鉄道貨物数量(万トン)(JR・私鉄合わせて)
↑ 鉄道貨物数量(万トン)(JR・私鉄合わせて)

今回グラフ化した期間において、最小値は2011年度の約3980万トン。以降は底を打つ形でやや持ち直しを示している。やはりモーダルシフト(一般には自動車や航空機による輸送を鉄道や船舶にシフトすることを意味する)など省エネなどの観点で、鉄道による貨物輸送が見直されてきたのが一因なのだろう。


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