ODAはなぜ必要? 最多意見は「資源安定供給に貢献」

2013/11/30 14:00

内閣府は2013年11月25日、外交に関する世論調査を発表した。その内容によると調査時点において、日本国が行っているODA(Official Development Assistance、政府開発援助)について、その実施する理由・意義を聞いたところ、最多同意意見は「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」で、約半数を占めていることが分かった。次いで「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」「先進国として人道上の義務、国際的責任」などが続いている。世代別では概して中堅層が多方面で意義を感じているが、高齢者では「分からない」、さらには「途上国への支援は実施すべきでない」との意見も他世代より多く見受けられる(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査は2013年9月26日から10月6日に渡って、全国20歳以上の日本国籍を有する人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行わている。有効回答数は1848人。男女比は856対992、世代構成比は20代164人・30代233人・40代322人・50代316人・60代452人・70代以上361人。

ODAとはOfficial Development Assistance(政府開発援助)の頭文字で構成された略語で、政府あるいは政府の実施機関により、開発途上国や国際機関に供与・貸与される、資金や技術提供による協力行為を指す。目的は開発途上国の経済や社会の発展、福祉の向上にある。

外務省の解説(【外交政策:ODAとは】)によると、ODAは国際社会での重要な責務であり、日本の信頼をつちかい、存在感を高めることに資する役割を果たしている。また開発途上国の安定・発展化に寄与することで、国際平和に依拠し、資源・食料を海外に依存する日本にはプラスとなるとも解説している。

このODAについて、どのような観点から意義がある、実施すべきであると考えているかにを聞いたところ、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」とする意見がもっとも多く、50.6%に達していた。

↑ 政府開発援助を実施すべき観点(複数回答)
↑ 政府開発援助を実施すべき観点(複数回答)

日本は石油、ガス、石炭などエネルギー資源の大部分を海外に依存しており、諸外国の情勢不安定化はそれらの資源の供給が不安定化することにもつながる(前世紀のオイルショックが良い例)。この項目への回答者が多いのも納得できる話。

次いで多いのは「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」で47.0%。「先進国として開発途上国を助けるのは、人道上の義務または国際的責任だから」の43.1%が続く。表現は異なるものの、目指すところはほぼ同じであるとみなせる項目が上位に続いている。

さらに「東日本大震災に際して得られた各国からの支援に応えるためにも、引き続き協力すべきだから」との意見が42.6%に達している。「恩には恩で報いるべき」という、当たり前ではあるが、当たり前だからこそ難しい行動としてODAを認識している意見である。

一方「途上国への支援はすべきではない」というODAそのものへの反対派も4.8%存在する。また「中国などによる開発途上国への進出が著しく、日本の存在感を確保する必要があるから」との意見も2割強確認できる。

これを世代別に見ると、概して40代から50代の中堅層が高い値を示し、若年層と高齢層は低い傾向が見受けられる。

↑ 政府開発援助を実施すべき観点(複数回答)(世代別)
↑ 政府開発援助を実施すべき観点(複数回答)(世代別)

興味深い動きが2点。1つは若年層はあまり感心が無いからか、どの項目でも回答率が低めとなっているものの(ただし国際社会での信頼向上、海外進出の観点で日本の経済に資するの2点では他世代と同じ程度の回答率を示している)、高齢層はODAそのものへの否定と「分からない」との意見が高くなっている。若年層は「関心が薄い」、高齢層は「否定的」「理解できず」という、似て非なる姿勢を示していることが分かる。

もう1つは特定項目、具体的には「東日本大震災への恩に報いる」「中国の攻勢に対抗する」の2項目では、世代間格差がほとんど無い。とりわけ前者では若年層で高い値を示している。全体としての回答率そのものは上位にあるわけではないが、世代による差異が無い、世代を超えた意見として、注目に値するといえよう。


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