台風の相次ぐ上陸悪影響…2014年10月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス1.9%

2014/11/21 10:00

年末に向けた各種準備のためのサービスや物品の話が頻繁に話題に登り、年の瀬を覚えさせる今日この頃。自身だけでなく周辺の他業界の動向も合わせ、何かと騒がしいチェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2014年11月20日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2014年10月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2014年10月は食料品こそ堅調な動きを示したものの、台風の相次ぐ上陸に伴う悪天候がわざわいし、衣料品や住関品の伸び悩みが足を引っ張る形となり、両区分では詳細項目すべてで前年同月比がマイナスに推移。売上総額の前年同月比は7か月連続のマイナスとなるマイナス1.9%(店舗調整後)を記録することとなった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の60社・9297店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で35店舗増、前年同月比で1049店舗増と大幅に増加している。売り場面積は前年同月比102.1%となり、2.1%ポイントの増加。ただし売り場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス1.6%と落ち込んでおり、効率の悪化が数字の上で表れている。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値となった。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映されることで、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0482億4334万円(前年同月比98.1%、▲1.9%)

・食料品部門……構成比:64.2%(前年同月比99.5%、▲0.5%)

・衣料品部門……構成比:9.2%(前年同月比92.5%、▲7.5%)

・住関品部門……構成比:20.2%(前年同月比96.0%、▲4.0%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比96.3%、▲4.7%)

・その他…………構成比:6.1%(前年同月比99.1%、▲0.9%)

食料品は畜産品と惣菜が
堅調に推移。
台風の影響を受け
衣料品と住関品は
全般的に不調。
食料品では畜産品が相場高を受けて堅調、惣菜は揚げ物や焼き物が堅調、米飯や洋惣菜も好調だったが和惣菜やスナック類が不調。農産品はきのこやキャベツなどでは良い動きを示したものの、根菜類やサラダ野菜、果物では柿などが不調。その他食品では乳酸菌発酵飲料や鍋汁、ベーカリーなどが堅調。また消費税周りで買いだめの反動を受けて大人しかった酒類がようやく動き出している。もっとも米類や冷凍食品はまだ弱い。結果として食料品全体ではいくぶんのマイナスに収束している。

衣料品は全般的に長袖系の商品は結構な売れ行きを示したものの、肌着やカジュアルパンツ、ブラウス・シャツなど、買換え頻度の高い商品の動きが鈍い。住関品では鍋、カウンセリング化粧品、学習机、電気暖房機器などが結構動いたが、先月まで言及されていた「携帯ゲームソフトなどキャラクターグッズ関連」の文言が「玩具などキャラクターグッズ関連」に置き換えられており、一連の「妖怪ウォッチ」による特需が収まりを示しつつあるようすがうかがえる。一方、不調品目の中に「テレビ・レコーダー」の文言が確認されたが、これは先月から継続する流れであり、再び薄型テレビの流れが落ち込んできたのではないかと不安を余儀なくされる。

先行する月次経済動向レポートの分析記事、具体的には景気ウォッチャー調査やコンビニ業界の営業成績などでも言及しているが、今年の10月は台風が2度も日本に上陸して天候が大きく乱れた。これは直近では2004年以来となるが、半世紀強の計測範囲では3回目となる、きわめてレアなケースとなった。小売店では全般的に天候が荒れると外出機運が下がるため客足が引っ張られ、当然売り上げは落ちてしまう。今回のチェーンストア動向もまた、客数そのものの公開値は無いものの、「台風の影響など天候要因もあり」とリリースでわざわざ言及されている通り、小さからぬ影響があったことが予想される。

とはいえ天候要因は人知でどうにかなるもので無く、台風による客数減を起因とする売り上げ減は手の打てる話では無い。また仮に10月に台風が上陸せず、天候によるマイナスの影響が無ければどこまで売り上げが伸ばせたのかを考えると、果たしてプラス化がかなったのか否か、難しいところ。むしろ天候以外の面で売上を改善するために打てる点は無いのかを考えた方が前向きではある。

今年の年末は政治絡みで何かと騒がしいことになりそうだが、同じ小売りでも小さからぬ影響を受ける外食産業と比べ、チェーンストアはほとんど関係がなさそう。2012年12月の公開値やコメントを見返しても、「選挙」の文言や影響は確認できない。幸いにもここしばらくは、純粋にチェーンストア業界の実力が図れそうだ。今年の年末商戦は今業界にとってプラスとマイナス、どちらに転ぶだろうか。


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