単価は上回るも気温低下と台風上陸で客数減少……2014年10月度のコンビニ売上高は既存店が1.1%のマイナス、7か月連続

2014/11/21 09:00

日本フランチャイズチェーン協会は2014年11月20日に、コンビニエンスストアの同年10月度分統計調査月報を、同協会公式サイト上で公開した。その内容によると協会加盟コンビニの同月度の売上高は前年同月比でマイナス1.1%となり、7か月連続してのマイナスを示すこととなった。コーヒーや惣菜などのカウンター商材は前月から引き続き好調さを見せているが、平均気温の低下や台風の相次ぐ上陸で客足が遠のき、売り上げの頭を押さえる形となった。なお今回月ではたばこや雑誌「購入者」の減少に関する言及は無い(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要、調査対象企業などの詳細、分析記事のバックナンバーは、過去の記事をまとめたページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

主要項目における前年同月比は次の通りとなる。

●店舗売上高:既存店は7か月連続のマイナス、全店は20か月連続のプラス
全店ベース……+3.6%
既存店ベース…−1.1%

●店舗数(前年同月比)
+5.2%

●来店客数:既存店は8か月連続のマイナス、全店は43か月連続のプラス
全店ベース……+3.6%
既存店ベース…−1.2%

●平均客単価:既存店は2か月ぶりのプラス、全店は2か月連続のマイナス
全店ベース……−0.1%(595.9円)
既存店ベース…+0.1%(587.6円)

●商品構成別売上前年同月比(既存店ベース)
日配食品……+1.1%
加工食品……−1.7%
非食品………−4.3%
サービス……+9.6%
合計…………−1.1%

※既存店……1年以上営業中の店舗を指す(店舗増加による底上げでの数字上の誤差を防げる)

10月は9月同様北日本を中心に平均気温が低めで、さらに台風18号・19号が相次ぎ日本に上陸し、客足を遠のかせる大きな要因となった。気象庁のデータ【台風の上陸数(2013年までの確定値と2014年の速報値)】で確認しても、1951年以降では10月に台風が2回も上陸したのは、過去に1955年・2004年の2回のみで、非常にまれな事態であったことが分かる。客単価はカウンターコーヒーや各種惣菜のセールスが貢献してわずかながらもプラスへと底上げされたものの、客数の減少が大きく響き、結果として売り上げはマイナスとなってしまっている。

なおコンビニにおける2大集客アイテムとされているたばこ、雑誌については、具体的な種類名を挙げた形での購入者減退の特記は無い。今回月はそれらよりも台風・低温の影響が大きかったことがうかがえる。

商品構成別の売上高の動向を見ると、カウンターコーヒーの堅調ぶりで全体をけん引する日配食品はプラス1.1%。加工食品や非食品では1.7%のマイナスを示している。客数の減少は既存店でもマイナス1.2%でしかないことを考慮すると、加工食品や非食品の分野で客単価の高い商品の売れ行きが特に落ち込んでいることが考えられる。加工食品は消費税率引き上げの反動の余波が今なお続いており、非食品はたばこや雑誌の購入者減少の影響が大きく働いているものと考えられる(特記が無いだけで軟調なことには違いないということ)。

売り上げ全体に占める構成比は今回月なら5.0%と小さいものの、サービス部門は相変わらず堅調な伸びを示している(プラス9.6%)。客足がマイナス1.2%の中での売り上げ増であることを考えると、注目に値する伸びといえる。多種多様な支払いが可能となり、さらに機能集約が著しい情報端末の利用度が増したのも一因といえる。

今回月の客足の減退分は正直誤差の範囲だが、客単価もそれ以上の微細な上昇だったため、売上はマイナスとなってしまった。台風上陸の影響を受けた日に来客がゼロになるわけではないが、客の入りの足を引っ張るのは事実。天候要素は人間の力では左右できないとはいえ、口惜しい話ではある。

また昨今続いているガソリン代の上昇も、客足減退の一因として挙げることができる(昨今の景気ウォッチャー調査の具体的言及でも、コンビニに限らず小売店の来客数減退の要因の一つとして頻繁に登場するようになった)。ガソリン代が上がれば、確実に外出・移動機運は押し下げられる。あらゆる「ちょっと必要」にも充足しうる、言葉通り「コンビニエンス(便利)な場所」を存在意義としているコンビニにとっては、「気軽に足を運ぶ」機運をつまづかせる要因は致命傷になりかねない。積極的な店舗展開も、商用エリアを拡大し、いつでもどこでも感をかさ上げする施策の一つであると考えれば道理は通る(昔の街中にある万屋的な存在といえる)。

かつて集客と客単価の主軸であった雑誌とたばこは時代の流れの中で、その勢いを確実に減じている。また今後復権の可能性も低い。代替軸となる各種サービス(情報端末やカウンター経由)の提供や、カウンターコーヒーをはじめとする新鮮味あふれる日配食品は順調に成長を続けているが、今なお模索が続けられていることからも分かる通り、不安定要素は大きい。イレギュラー的要素によって生じた軟調な環境の中でも、堅調な売り上げを維持できる軸の模索も多方面で進められており、関連他業界を巻き込む形で、今後も多様な動きが見られそうだ。


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