日本から主要5か国への好感度推移をグラフ化してみる(2013年)

2013/11/29 11:00

内閣府は2013年11月25日、外交に関する世論調査を発表した。それによると調査時点においてアメリカへの親近感を抱いている人は8割を超え83.0%に達していた。選択肢として用意された国・領域では次いでヨーロッパ諸国・太洋州諸国が高く、東南アジア諸国・インドが続いている。今回はその親近感について、主要国(アメリカ・ロシア(ソ連)・中国・韓国・インド)に対する値の推移を過去データから抽出し、グラフ化を行うことで、各国に対する国内世情の変移を精査する(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。

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今調査の最新分は2013年9月26日から10月6日にかけて、全国20歳以上の日本国籍を有する人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、調査員による個別面接聴取法によって行われたもの。有効回答数は1848人。男女比は856対992、世代構成比は20代164人・30代233人・40代322人・50代316人・60代452人・70代以上361人。

今調査では対象国に対する親近感について回答者に「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「分からない」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の5選択肢を提示し、その中から1つを選んでもらっている。今件はこのうち前者2つ「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を合わせた値を「好感度」と位置付け、その推移を見たもの。なおインドは1991年から2007年は「南西アジア諸国(インド、パキスタンなど)」と尋ねているため、厳密には連続性は無い。

↑ 主要国への好感度推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
↑ 主要国への好感度推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)

今調査の先行記事でも触れているが、アメリカ合衆国への好感度は押し並べて高く、直近ではさらに上昇する傾向を見せている。一方中国は全体的に右下がりで、この30年ほどの間に1/2から1/3ほどまでに減少しているのが一目瞭然。

ロシアは10%強を低空飛行したまま。1990年前後に一時的に盛り上がりを見せたが、すぐに急降下。2000年前後からは再び上昇しているが、これはプーチン政権の発足と対日融和政策によるところが大きい(特に当時の日本の小泉首相の仲の良さはテレビでも幾度となく伝えられており、これがポジティブに働いている)。さらに2012年以降は再び大きく上昇を見せているのが興味深い。ロシアの大統領選挙が2012年3月に実施され、ウラジミール・プーチン氏が当選したこと、それに伴いプーチン氏が再び日本のメディアに登場し、概して好意的な印象を与えているのが影響しているのかもしれない。

韓国やインドは基準値こそ違えども同じようなカーブを描いて上昇中。ただしここ数年韓国は頭打ちの動きを見せ、2011年から2012年にかけて大幅な下落を記録し、直近の2013年もほとんど回復していない。中国の下落とあわせ、これも先の記事で触れた通り、中国は尖閣諸島と反日暴動、韓国は竹島、そして双方の国とも強圧的・理不尽的な外交姿勢・対日経済施策が大きく影響しているものと考えれば道理は通る。今年は昨年見られた急激な親近感の下落こそないが、状況の改善はほとんどなされず、低い値が継続していることが、今回のグラフから改めて実感できる。

↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2013年における2012年との差異)(再録)
↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の、2013年における2012年との差異)(再録)

今件はあくまでも不特定多数の母体による世論調査の結果であり、それがそのまま日本国全体としての各国へ向けた好感度、さらには政策につながるわけではない。一方で、主要国への印象を推し量るという視点では、十分に役立つ値ではある。

注意すべきは「親しみを持たない」が「マイナスのイメージを持つ」には直結しないということ。単に親近感を持つ・持たないに関して判断するだけの材料が無い、認識度が薄い可能性も多分にある。今後各国との関係(善し悪しの他に単純な密接度)に変化があれば、調査結果にもこの1、2年の中国・韓国の値のように大きな、または少しずつではあるが確実な動きが見られるはずだ。


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