日本では1890万人が「強い疑い」「可能性否定できず」な糖尿病(2016年)(最新)

2016/04/22 14:07

厚生労働省は2016年4月20日、「平成26年国民健康・栄養調査」の結果に関する詳細な各種データを発表した。それを元に試算すると2014年時点では推計で糖尿病が強く疑われる人20歳以上の人は947万人、可能性を否定できない人は1043万人いることが分かった。合わせて糖尿病リスク者は1890万人いる計算になる。男女別では男性の方が、世代別では高年齢の方が高い割合を示している(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

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糖尿病とは体内の各組織を動かすエネルギー源となるブドウ糖が、細胞内に上手く運ばれず、血液内に留まってしまう症状。ホルモンの一種であるインスリンが不足したり、うまく細胞に作用しないことで起きる。

また糖尿病には大きく4つ「1型」「2型」「遺伝子異常や他の病気が引き金となるもの」「妊娠糖尿病」に分けられるが、多くは「1型」「2型」に該当する。前者は子供のうちに始まることが多く、かつては小児糖尿病などと呼ばれていた。後者は食事や運動などの食生活によって肝臓や筋肉へのインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの出る量が少なくなって起きる。日本では95%以上がこの「2型」タイプであり、糖尿病が一般的には「生活習慣病」の代表的な病症の一つとされるのも、これが起因となっている。

今調査では5年おきに糖尿病に関する症状状況を詳しく調べており、今回2014年分はそれには該当しない。しかし今回発表された詳細データからは、5年おきの調査に匹敵する値を取得できることから、最新の糖尿病に係わる動向を確認するため、今回細かいレベルでチェックを入れることにする。

調査対象母集団のうち血液検査を行った者(20歳以上)を対象とし、その検査から取得した各種パラメータや調査票の関連項目を基に、「糖尿病が強く疑われる者(強度の糖尿病リスク者)」「糖尿病の可能性を否定できない者(弱度のリスク者)」「それ以外」に区分。そのうち前者2つについて、世代別に集計したのが次のグラフ。例えば男性70歳以上は「強く疑われる」が23.2%とあるので、男性70歳以上の人のうち、22.3%は糖尿病の可能性が多分にあることになる。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2014年)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2014年)(20歳以上)

男女別では男性の方が嫌疑率が高い。また世代別では歳を経るほど率が上昇していく。70歳以上では男性で37.7%、女性で35.9%が「強い疑い」「可能性の否定ができない」状態にある。「強く疑われる」に限定しても、男性では50代で10%を超え、60代で20%に届いてしまう。女性は60代で10%超であるのと比べると、男性の高さには驚かされる。

これを5年毎の経年変化と今回の分を合わせて見たのが次のグラフ。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)

2007年までは男性では調査毎に比率が増加する傾向にあったが、2012年以降は一転して減じる動きを示している。ただし女性は強嫌疑者率が大きく増加し、嫌疑者全体率を押し上げる形となっている。男性も弱嫌疑者率こそ減っているが、強嫌疑者率は横ばいのままで注意が必要な状態にある。

これらの値に各年の人口推計値を掛け合わせ、推定人数を算出したのが次のグラフ。今回直近分となる2014年分は国民健康・栄養調査には具体的人数の記載はないが、同じ計算方式を用いて当方側で算出を行った。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)

強嫌疑者数はほぼ横ばいだが、弱嫌疑者は漸減。年数の間隔が同一でないため増減具合を比較する際には注意が必要だが、少なくともこの数年に限れば糖尿病リスク者は漸減する傾向にあるようだ。



グラフ化は略するが、「糖尿病が強く疑われる者」に該当する人のうち、現在インスリン注射または血糖を下げる薬を服用している人は55.1%に達している。糖尿病は放置しておくと多種多様な合併症を引き起こす。特に「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」から成る3大合併病は高い発症率とリスクで知られている。

厚生労働省でも「健康日本21」の中で【糖尿病ホームページ】のように専用ページを創り、各種情報を提供している。確率的には自分自身はもちろんだが、身近な人の発症を見聞きすることが多分にありえる病気である以上、一通りの知識と予防策を学んでおくことをお勧めしたい。


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