日本では2000万人が「強い疑い」「可能性否定できず」な糖尿病(最新)

2017/09/25 05:06

2017-0924厚生労働省は2017年9月21日、「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると2016年時点では推計で糖尿病が強く疑われる(すでに診断され治療を受けている人を含む)人20歳以上の人は1000万人、可能性を否定できない人は1000万人いることが分かった。合わせて糖尿病リスク者は2000万人いる計算になる。男女別では中堅層までは大よそ女性の方が、高齢層は男性の方が、年齢階層別では高年齢の方が高い割合を示している(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。

スポンサードリンク


糖尿病とは体内の各組織を動かすエネルギー源となるブドウ糖が、細胞内に上手く運ばれず、血液内に留まってしまう症状。ホルモンの一種であるインスリンが不足したり、うまく細胞に作用しないことで起きる。

また糖尿病は大きく4つ「1型」「2型」「遺伝子異常や他の病気が引き金となるもの」「妊娠糖尿病」に分けられるが、多くは「1型」「2型」に該当する。前者は子供のうちに始まることが多く、かつては小児糖尿病などと呼ばれていた。後者は食事や運動などの食生活によって肝臓や筋肉へのインスリンの働きが悪くなったり、インスリンの出る量が少なくなって起きる。日本では95%以上がこの「2型」タイプであり、糖尿病が一般的には「生活習慣病」の代表的な病症の一つとされるのも、これが起因となっている。

今調査では5年おきに糖尿病に関する症状状況を詳しく調べており、今回2016年分はそれには該当しない(5年おきならば前回は2012年だったので次は2017年分であるはず)。しかし最近では詳細な病状状況調査を毎年実施するようになり、詳細値が取得できるようになった。さらに直近の2016年では重点項目として糖尿病有病者などの推計人数が対象項目となり、イレギュラーではあるが細かいレベルでの値が速報値にあたる概要発表の時点で取得できるため、詳細なチェックを入れることにする。

調査対象母集団のうち血液検査を行った者(20歳以上)を対象とし、その検査から取得した各種パラメータや調査票の関連項目を基に、「糖尿病が強く疑われる者(強度の糖尿病リスク者。すでに糖尿病の診断を受け治療中の人も含まれる)」「糖尿病の可能性を否定できない者(弱度のリスク者)」「それ以外」に区分。そのうち前者2つについて、年齢階層別に集計したのが次のグラフ。例えば男性70歳以上は「強く疑われる」が23.2%とあるので、男性70歳以上の人のうち、1/4近くは糖尿病の可能性が多分にある、あるいはすでに診断されて治療中となる。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2016年)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(2016年)(20歳以上)

男女別では20代はほぼ同率だが中堅層は女性の方が該当者率は高く、高齢層になると男性の方が高くなる。また年齢階層別ではおおむね歳を経るほど率が上昇していく。70歳以上では男性で44.0%、女性で34.6%が「強い疑い」「可能性の否定ができない」状態にある。「強く疑われる」に限定しても、男性では60代で2割を超えてしまう(男性60代以上は5人に1人以上が「糖尿病か、糖尿病が強く疑われる状態」)。女性は1割強までに留まっているのと比べると、男性の高さには驚かされる。

これを経年変化と今回の分を合わせて見たのが次のグラフ。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合(経年変化)(20歳以上)

2007年までは男性では調査毎に比率が増加する傾向にあったが、2012年以降は一転して減じる動きを示していた。ただし女性は強リスク率が大きく増加し、全体率を押し上げる形となっている。

2015年では男女ともにリスク率が増加し、特に男性では強リスク率が大幅な上昇を示したものの、直近の2016年では落ちる形となった。2016年の値がイレギュラー的なものだった可能性はある。とはいえ、全体としては高い値に違いは無く、注意が求められる状態に変わりはない。

これらの値に各年の人口推計値を掛け合わせ、推計人数を算出したと報告書にある値の推移が次のグラフ。概要報告書などに推計人数の記載が無いものの、強弱のリスク率が公開されている年に関しては、人数が表記されている年と同じ計算方法で推計人数を算出している。

↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)
↑ 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計、万人)

年数の間隔が同一でないため増減具合を比較する際には注意が必要だが、「強く疑われる」数は増加、「可能性を否定できない」数は減少の傾向にあると見て良いだろう。また2015年に限ればイレギュラーによる急増だった可能性が高い。来年以降の動向で、それがさらに裏付けされるかもしれない。



グラフ化は略するが、「糖尿病が強く疑われる者」に該当する人のうち、現在治療を受けている人は76.6%に達している。糖尿病は放置しておくと多種多様な合併症を引き起こす。特に「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」から成る3大合併病は高い発症率とリスクで知られている。

厚生労働省でも「健康日本21」の中で【糖尿病ホームページ】のように専用ページを創り、各種情報を提供している。確率的には自分自身はもちろんだが、身近な人の発症を見聞きすることが多分にありえる病気である以上、一通りの知識と予防策を学んでおくことをお勧めしたい。


■関連記事:
【カロリー・塩分に配慮、病院でも使われている「ノンオイルドレッシング」がキユーピーから発売】
【クックパッド、糖尿病患者向け家庭料理レシピサイト公開】
【脳卒中発症リスクを統計学的に予想する計算式、国立がん研究センターなどが開発】
【カイロや湯たんぽでの低温やけどに注意】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー