テレビはやっぱりナンバーワン・中高生が社会の出来事を知る情報源としているものは

2014/12/18 14:45

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自分自身の知識欲の充足のため、他の行動の際に必要なことから、自分の趣味趣向として、そして知人との交流の中でネタとして知っておかないと上手くやりとりが出来ないかもしれないから、色々な理由で人はニュースなど社会の出来事に関する情報を取得しようとする。世界観がまだ育ちきっておらず、行動領域も大人と比べれば狭い今の子供達は、どのようなルートでニュースなどを手に入れているのだろうか。2014年12月9日付でベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書から、現状を確認していくことにする(【発表リリース:中高生のICT利用実態調査 2014 報告書】)。


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今調査に関する各種要項は先行記事【パソコン、スマホにタブレット…いまどき中高生の所有率を探る】を参考のこと。今調査対象母集団に、普段ニュースなど社会の出来事に関する情報をどこから手に入れているかについて、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。「ポータルサイトの運営するニュースサイト」とは具体的にはYahoo!ニュースなど、「SNS」はmixiやFacebookが該当する。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)

先行記事で言及している通り、今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。つまりそれだけの人たちがインターネット経由で情報を取得しうる立場にある。しかし中高生とも情報ソースとしてもっとも用いているのは「テレビ」。高校生はやや落ちるが9割程度の利用率を誇る。まさに群を抜いた状態。色々とメディア力の相対的・絶対的変化が論議されているテレビではあるが、少なくとも中高生の間では今なお絶大な影響力・情報ソースとしての傾注度合いを有していることになる。

テレビに続くのは「家族の会話」……としたいところだが、高校生では大きな波乱が生じている。他の項目の順位は中高で変わらずなのだが、唯一「ツイッター」のみが中学生から高校生に至る際に大きく回答率を上乗せして順位を上げ、「家族との会話」すら抜く形となっている。元資料では高校生のツイッターによる情報取得利用率として、男子は32.8%・女子45.6%としており、女子のツイッターの利用度合いが全体を押し上げ、「家族との会話」以上にツイッターを情報入手元として用いる結果を生み出している。

続いて「紙の新聞」「ポータルサイトの運営するニュースサイト」「友達からの口コミ情報」「LINE」が続く。同じインターネット上の情報サイトとしては「ポータルサイトの運営するニュースサイト」がもっとも多く使われており、次いで「インターネットのまとめサイト」が続き、「新聞社のニュースサイト」はあまり使われていない実態が見えてくる。特に新聞社では、「まとめサイト」よりも利用率が低い実態を見て、色々と複雑な心境を抱くに違いない。

なおネット経由で情報を取得している中高生はそれぞれ5割、7割程度。インターネットの利用率を考えれば、いくぶん低めにも見える。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答においてネット経由を利用した者)(ネット経由=新聞社のニュースサイト、ポータルサイトの運営するニュースサイト、LINE、ツイッター、SNS、インターネット掲示板、インターネットのまとめサイトのいずれか一つ以上)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答においてネット経由を利用した者)(ネット経由=新聞社のニュースサイト、ポータルサイトの運営するニュースサイト、LINE、ツイッター、SNS、インターネット掲示板、インターネットのまとめサイトのいずれか一つ以上)

またこれらは複数回答式によるもの。もっともよく利用しているものについて尋ねると、やはりテレビの圧倒的な影響力を知ることになる。

↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)(もっともよく利用している手段)
↑ 普段ニュースなど社会の出来事に関する情報を何から入手しているか(回答時直近一週間に利用したもの、複数回答)(もっともよく利用している手段)

他方、中学生における「新聞(紙)」の意外な高さ、高校生における「ツイッター」の奮闘などが目に留まる。LINEがやや低めに見えるのは、社会の出来事に関する情報取得のためではなく、他愛のないやり取り、会話を楽しむためのものであることを認識しているからなのだろう。


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