自家用車と自宅、「これなら買ってもいいな」と若年層が思う年収は!?(最新)

2018/12/05 05:08

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2018-1204自動車や住宅の所有・取得率が若年層の間で減少していると語られる機会が増えたが、そのもっとも大きな原因は現状、そして将来にわたる見通しとしての可処分所得の減少にある。見方を変えれば金銭的な充足があれば、若年層も自動車や住宅所有に積極さを見せることになる。それ自身は極めて当たり前の話ではあるのだが、ならば年収でどれ位の額を確保できれば、所有を考えるようになるのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2018年12月4日に発表した調査結果から、その実情を確認していく(【発表リリース:20代の金銭感覚についての意識調査2018】)。

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自家用車 600万なら 7割近く


今調査は2018年10月2日から3日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者756人、既婚者244人。調査協力機関はネットエイジア。

今や若年層にとっては高嶺の花的存在と表現できる、自家用車や自宅。宝くじでも当たれば話は別だが、大抵はローンを組んで複数年で代金を支払わねばならず、相応の収入が前提となる。手取りも満足なもので無く、将来にも不安を覚えるとなれば、手が出しにくいのも理解はできる。それでは世帯年収がいくら位になれば、それらを所有してもよいと考えるようになるだろうか。

なお今件における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)では無くサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収ではなく、世帯年収であることに注意。回答者が世帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせて計上される。

次に示すのは年収の一定区分別の回答率と、累積回答率を併記したもの。例えば年収400万円に達した時点で取得してもよいと考える人は、年収500万お円の条件でも当然取得したいと考える。400万円より500万円の方が、金銭的余裕は一層あると考えられるからだ。そこで各年収の区切り別回答率に加え、累積の回答率も併記した次第。例えば自家用車で300万円の累積回答率は32.2%だが、これは「年収を問わず所有したい」の15.6%、「200万円」の4.9%、「300万円」の11.7%をすべて足した結果である。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、円)(2018年)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、円)(2018年)

個々の区分回答率では500万円が16.2%でもっとも多く、次いで年収を問わず所有・購入したいが15.6%、年収がいくらになっても所有・購入したいとは思わない人が13.5%と続く。ボリュームゾーンとなる300万円から600万円の値を合わせると5割近くの回答率となる。もっとも「世帯年収600万円まで」と評する場合には、それ以下の条件でも所有したいとの累積回答率の考えが必要になるため、67.9%の値が導き出される。つまり、年収600万円が確保できれば、20代のおおよそ2/3は自家用車を所有しようと考える。

それ以降の年収増加による回答率は減り、累積回答率の上昇度合いも緩やかなものとなる。年収条件の上限まで加算すると86.5%、つまり18.6%ポイントの増加にしかつながらない。若年層の自動車所有率を高めたいのなら、関連各方面は該当世代の世帯年収を600万円程度に引き上げ、安定化させる方策が費用対効果の上でも望ましい切り口となる。

同様の調査は過去においても実施されており、その累積回答率を直近年分も含めて5年分までさかのぼり併記したのが次のグラフ。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、累積、円)

一部イレギュラーな動きもあるが、おおよその階層で値が減少している、つまり自家用車を所有しようとする人が減っている傾向があった。直近の2018年では前回年の2017年分から増加が生じており、これまでとは異なる動きとなっているのが分かる。「20代の自家用車離れ」にブレーキがかかった状態だ。

過半数が住宅取得意欲を持つのには世帯年収700万が必要


同様の発想で自宅について尋ねた結果が次のグラフ。自家用車よりも単価が高いこともあり、累積回答率の上昇度合いは緩やかなものとなっている。なお設問では単に「自宅」とのみあり、一戸建て・分譲マンション、新築・中古の区分は無い。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)(2018年)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)(2018年)

自宅は単価が高いだけでなく値幅も大きいため、想定している対象によって金額が大きく異なることから、上昇の度合いもゆるやか。自動車が累積回答率で7割に達したのは年収700万円だったが、自宅では900万円に至っても7割には届かない。

単独回答区分で一番高い回答率を示しているのは「1000万円以上」で、直前の区分の「900万円」から大きく跳ねている。この動きを見るに、住宅取得が相当好条件下における選択である、「自宅所有は高嶺の花」と考えている人が多いようだ。

この動向について直近5年間分だが累積の動き、そして「いくら世帯年収があっても自宅を所有・購入しようとは思えない」の割合を確認する。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、「思えず」の割合)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、「思えず」の割合)

自家用車同様に自宅においても、年収との勘案では一層慎重になる傾向が見受けられた。1000万円以上の値はほとんど変わらないが、そこに至る層がおおよそ減少しており、「自宅は欲しいけれどよほど年収の上で余裕が無いと」との認識が強まっていたようだ。そして直近の2018年では前回年の値を上回る動きとなっており、自家用車同様に「20代の自宅取得離れ」の動きにブレーキがかかったように見える。

また「(どのような高年収でも自宅取得をしようとは)思えず」の回答率が年々増加しているが、若年層では高額出費となる、そして多くはローン返済のために長期間にわたり金銭的負担が増える自宅購入は、自家用車の調達同様に、いやそれ以上に、慎重な姿勢を示しつつあるようだ。それゆえに2018年の「思えず」の値の減少は、大いに注目したいところではある。



例えば自家用車所有ならば仕事柄、居住地域の状況から取得が不可欠な人もいる。個々の環境によって所有動機は大きく変動するため、世帯年収はあくまでも要素の一つ。

一方で金銭上の問題が大きな影響を与えることも事実。消費の活性化を若年層に望むなら、それを後押しすべく、その世代の世帯年収の底上げと安定化を促進してほしいものである。


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