自家用車と自宅、「これなら買ってもいいな」と若年層が思う年収は!?(2016年)(最新)

2016/12/03 10:00

自動車や住宅の所有・取得率が若年層の間で減少していると語られる機会が増えたが、そのもっとも大きな原因は可処分所得の減少にある。見方を変えれば金銭的な充足があれば、若年層も自動車や住宅所有に積極さを見せることになる。それ自身は極めて当たり前の話ではあるのだが、ならば年収でどれ位の額を確保できれば、所有を考えるようになるのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2016年12月1日に発表した調査結果から、その実情を確認していく(【発表リリース:20代の金銭感覚についての意識調査2016】)。

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自家用車 500万なら 6割強


今調査は2016年10月5日から11日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。調査協力機関はネットエイジア。

今や若年層にとっては高嶺の花的存在といえる、自家用車や自宅。宝くじでも当たれば話は別だが、大抵はローンを組んで複数年で代金を支払わねばならず、相応の収入が前提となる。手取りも満足なものでなく、将来にも不安を覚えるとなれば、手が出しにくいのも理解はできる。それでは世帯年収がいくら位になれば、それらを所有しても良いと考えるようになるだろうか。

なお今件における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)では無くサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収ではなく、世帯年収であることに注意。回答者が世帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせて計上される。

次に示すのは年収の一定区分別の回答率と、累積回答率を併記したもの。例えば年収400万円に達した時点で取得しても良いと考える人は、年収500万円の条件でも当然取得したいと考える。400万円より500万円の方が、金銭的余裕は一層あると考えられるからだ。そこで各年収の仕切り別回答率に加え、累積の回答率も併記した次第。例えば自家用車で300万円の累積回答率は37.3%だが、これは「年収を問わず所有したい」の16.5%、「200万円」の5.5%、「300万円」の15.3%をすべて足した結果である。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、円(2016年))
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、円)(2016年)

個々の区分回答率では年収を問わずに調達したいとの意見がもっとも多く16.5%、次いで(年収がいくらだったとして)思えないが16.2%。具体的金額では300万円が15.3%でもっとも多く、次いで500万円、400万円が続く。ボリュームゾーンとなる300万円から500万円の値を合わせると4割強の回答率となる。もっとも「世帯年収500万円まで」と評する場合には、それ以下の条件でも所有したいとの累積回答率の考えが必要になるため、65.3%の値が導き出される。つまり、年収500万円が維持確保できれば、20代の2/3は自家用車を所有しようと考える。

それ以降の年収増加による回答率は減り、累積回答率の上昇度合いも緩やかなものとなる。年収条件の上限まで加算すると83.8%、つまり19%ポイントほどの増加にしかつながらない。若年層の自動車所有率を高めたいのなら、関連各方面は該当世代の年収を500万円から600万円程度に引き上げ、安定化させる方策が費用対効果の上でも望ましい切り口となる。

同様の調査は前年、前々年も実施されており、その累積回答率を併記したのが次のグラフ。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自家用車、累積、円)

低額では2015年よりも上、500万円を超えた辺りから下になる。つまり2015年よりも低額で自家用車を取得しようと考えている人が増えていることになる。ただし前々年の2014年よりは全体的に下回っていることから、自家用車そのものの忌避感は2014年と比べてまだ上であることがうかがえる。

過半数が住宅取得意欲を持つのには世帯年収700万が必要


同様の発想で自宅について尋ねた結果が次のグラフ。自家用車よりも単価が高いこともあり、回答も分散し、かつ累積回答率の上昇度合いも緩やかなものとなっている。なお設問では単に「自宅」とのみあり、一戸建て・分譲マンション、新築・中古の仕切り分けは無い。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、円)

自宅は単価が高いだけでなく値幅も大きいため、想定している対象によって金額が大きく異なることから、上昇の度合いもゆるやか。自動車が累積回答率で7割に達したのは年収600万円だったが、自宅では900万円に至っても7割には届かない。同じ600万円では5割にすらならない。

単独回答区分で一番高い回答率を示しているのは「1000万円以上」で、直前の区分の「900万円」から大きく跳ねている。この動きを見るに、住宅取得が相当好条件下における選択である、「自宅所有は高嶺の花」と考えている人が多いようだ。また金額最高区分の大幅な上昇傾向は前年調査結果と変わらないが、その上がり方は前年からさらに急な勾配となっている。

↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)
↑ 所有・購入しようと思える世帯年収は(自宅、累積、円)

直近年では低年収の回答率がやや増加しており、楽観視する人が増えている動きがあるものの、500万円以降は逆に低下しており、「低年収でもなんとか住宅は取得可能」「よほどの高年収で無いと住宅取得はムリ」との二極化が進んでいるように見える。また「(どのような高年収でも自宅取得をしようとは)思えず」の回答率が年々増加しているが、若年層では高額出費となる、そして多くはローン返済のために長期間に渡り金銭的負担が増える自宅購入は、自家用車の調達同様に、いやそれ以上に、慎重な姿勢を示しつつあるようだ。



例えば自家用車所有ならば仕事柄、居住地域の状況から取得が不可欠な人もいる。個々の環境によって所有動機は大きく変動するため、年収はあくまでも要素の一つでしかない。

一方で金銭上の問題が大きな影響を与えることも事実。消費の活性化を若年層に望むなら、それを後押しすべく、その世代の年収の底上げと安定化を推し量ってほしいものである。


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