女性の消費・出費見直し性向から、消費税率引き上げの影響を垣間見てみる

2014/12/15 11:25

政局次第でどのような展開を見せるかはまだ不透明な部分があるものの、消費税率の10%への引き上げは、当初予定の2015年10月から2017年4月へと延期されることが濃厚となった。延期されたとはいえ、期日がほぼ確定した上での引上げ待ち状態は、消費性向にどのような影響をもたらすことになるのか。主に家計を取り仕切ることになる女性の立場から行われた調査、フルキャストが2014年12月10日に発表した「イマドキ女性のワークスタイルとお金のやりくりに関する調査」から、その実情を見ていくことにする(【発表リリース:イマドキ女性のワークスタイルとお金のやりくりに関する調査】)。

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今調査は2014年11月24日から25日に渡って、携帯電話によるインターネット経由で20代から40代の女性に対して行われた。有効回答数は1000件。10歳区切りの世代構成比はほぼ均等割り当て。調査実施・協力機関はネットエイジア。

冒頭の説明の通り、消費税率の8%から10%への引上げは一定期間の延期が成されたが、現時点ではそう遠くない、しかも確定した期日における実施が確実視されている。以前【消費税率は8%に固定し、一度白紙に戻して再審議すべきという提案】などでも解説したが、かつての3%から5%への引き上げ時のような、「次の引き上げ時期が決まっていない」ならばともかく、期日が確定している状況では、猶予期間的な認識が消費者に浸透し、消費性向は抑えられたままになるリスクが多分に生じている。

次に示すのは、2015年10月予定の消費税率引き上げが延期されたら、当面はどのような項目の出費を増やしたいと思うか、その項目を具体的に挙げてもらったもの。調査時期直前に、引上げの延期などが発表されているため、具体的に消費性向にどのような影響が生じるかを知る上で、貴重な結果といえる。

↑ 2015年10月予定の消費税率引き上げが延期されたら当面増やしたいと思う出費(複数回答)
↑ 2015年10月予定の消費税率引き上げが延期されたら当面増やしたいと思う出費(複数回答)

「日々の食事」の出費を底上げしたいと考えている人が18.4%。買い物の際にちょっとだけ惣菜の数を増やしたり、グレードを上げる、あるいは外食の回数を増やすなどだろうか。次いで多いのは「旅行」で12.9%、「ファッション」12.7%、「スイーツ・お菓子」の11.9%と続く。回答者が女性であることから、女性らしい項目が上位についているのが特徴的ではある。ただし「エステ・マッサージ」の項目は意外に少なく、3.4%に留まっている。

他方、グラフの形状から大いに目立つのは「特になし」の51.3%。同調査では別項目で、2014年4月からの消費税率の引き上げに伴い、大よそ8割の人が何らかの形で出費を見直したと答えている(その多くは出費の引き締めと見て間違いない)。引き下げならともかく、引上げ延期では、多くの人の消費性向は引締められたままで、回復の後押し効果はあまり期待できないことになる(見方を変えれば、短期間ではあるものの、5割近い引き上げ効果があると見ることもできる)。

引上げ延期に伴う「出費を増やしたい」と、消費税率の再引上げの際には「出費を見直したい」、それぞれの項目への同意率を併記したのが次のグラフ。少々ややこしいが、延期で出費が増える、つまり活性化が期待できる項目と、引上げによって萎縮される項目が分かる形となっている。

↑ 2015年10月予定の消費税率引き上げが延期されたら当面増やしたいと思う出費/次の消費税率引き上げ後に見直すと思う出費(複数回答)
↑ 2015年10月予定の消費税率引き上げが延期されたら当面増やしたいと思う出費/次の消費税率引き上げ後に見直すと思う出費(複数回答)

両項目間で20%ポイント以上の差異がある項目に、強調の矢印をつけたが、都合4項目「日々の食事」「スイーツ・お菓子」「水道光熱費」「携帯料金」が該当することとなった。つまりこの4項目は、引上げ延期による出費増大の効果以上に、再引上げによる出費引き締めの影響が出ることが予想されることになる。

「スイーツ・お菓子」はやや判断に迷う部分があるものの、それ以外は押し並べて贅沢・嗜好品の類ではなく、日常生活において欠かせない部分の出費。それらを削る判断をする人が消費税率の引上げによって多数存在する点は、大いに留意するべき点といえよう。


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