過熱相場への警戒感強く、指数は大幅下落…野村證券、2014年11月分の個人投資家動向発表

2014/11/15 11:00

野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門である「グローバル・リサーチ本部」は2014年11月14日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2014年11月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から継続する形で下落、しかも下げ幅を大きく拡大し、23.4を示すこととなった。株価の先行きに関しては「小幅な上昇」を見込む意見が先月から続きもっとも多いものの、先月からは最大の下げ幅を示している。その減少分は大よそ下落予想に割り振られ、上昇予想はわずかしか増えておらず、指標の大幅下落を誘う形となっている。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2014年11月4日から11月5日に行われたもので、男女比は80.8対19.2。年齢層は60歳以上がもっとも多く34.5%、次いで50代が30.5%、40代が25.4%など。過去の調査と比べてややシニア層に寄っている感はある。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く33.4%、500万円-1000万円が17.4%、3000-5000万円が12.6%と続いている。回答者の投資経験年数は10年から20年未満がもっとも多く32.0%を占めている。次いで20年以上が31.3%、5年から10年未満が26.7%となるなど、長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で47.3%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が23.5%と1/4近く。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(3/4近く)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は23.4ポイント。前回からは19.8ポイントの下落。前月同様下落だが、その下げ幅を大きなものとしている。この時期、日経平均株価は前月比で1000円近く上昇しており、特に調査期間直前には日銀の追加金融対策によって大幅な値上がりが生じており、過熱感を覚えて警戒の姿勢を見せる投資家が増え、それが指数にも反映されたようだ。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で61.7%。前月分の71.6%からは9.9%ポイントの下落。こちらも投資指数同様に大きく下落している。「1000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも多い状況は先月から同様だが、マイナス11.8ポイントと大きな減少を示し、さらなる上昇への期待がしぼんだことが分かる。他の選択肢はすべて前月から増加しているが、下落選択肢の方が上げ幅が大きいだけに、回答時点で天井感を覚える人が増えていることがうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」がトップにつき、これは先月から変わらず。ただし先月からはマイナス10.1ポイント。東南アジア情勢、中東情勢、ウクライナ情勢など多方面でネガティブな情勢が継続しており、これが市場動向の足を引っ張るとの判断が多分に成されているものの、「国内政治情勢」との比較で相対的な注視感が減ったものと考えられる。一方その「国内政治情勢」は順位こそ第3位に留まっているものの、前月比上昇幅は7.1ポイント。国会審議の遅れに対する懸念がそのまま数字に表れたようだ。

・魅力的な業種は「医薬品」「自動車」「資本財・その他」「金融」「電気機器・精密機器」の順で、ここまでがDIではプラスかゼロ。そして「通信」「素材」「運輸・公共」「消費」はマイナス圏。「消費」のマイナス幅が拡大しており、消費税率引き上げに伴う消費性向の減退への懸念が間接的に表れている。

・ドル円相場に対する見通しは、「やや円安」の意見がもっとも多いものの、先月から比べて「やや円高」「そこそこの円高」が大きく上昇し、「やや円安」が大きく減っている。直近における急激な円安の流れから過熱感を認識し、反動があるものとの見通しを持つ人が増えたと考えられる。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」が最上位で、「オーストラリアドル」「日本円」が続く。「日本円」は大きく値を上げている。「カナダドル」が大きくそれらに後れを取るもDI値ではギリギリプラスで、それ以外はマイナス。「中国元」は相変わらず大幅なマイナスだがマイナス50台への突入はどうにか回避できた。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」。この順位は先月から変化なし。DI値では「国内株式」「預貯金」共に大きく上昇している。一方で「無し」のDI値はさらにマイナスの度合いを大きくし、投資欲が強まっている感はある。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が大いに低迷した一時期をのぞけばダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……富士フィルムホールディングス(4901)
3位……ソフトバンク(9984)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……野村ホールディングス(8604)

2か月前から富士フィルムが上位に入り、今回月ではついにトヨタに続く第2位のポジションを確保した。これは同社が開発中でアメリカで現在治験中のインフルエンザ薬「ファビピラビル(アビガン)」が、エボラ出血熱の新薬候補として注目を集めているのが原因。連想の形で武田薬品工業も上位についているのが興味深い。野村ホールディングス(8604)が上位についているのは、10月末に発表された決算内容が好感されたのだろう。



日銀の追加金融緩和政策により株価は大きく上昇し、またアメリカの中間選挙の結果やFOMCによる量的緩和第三弾終了宣言などを受けて、為替は円安ドル高の方向に動き出している。今回調査結果は多分にそれらの影響を受けており、前回月と比べてやや急激さを覚える動きを示している。

「国内情勢」では、ここ数日噂レベルで大いに盛り上がりを見せている消費税と選挙が、今後最大の注目対象となる。この数日のうちに実情が判明することになるが、その結果次第では来月の調査の値も大きな変化を示すに違いない。


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