東京消防庁、高齢者などのお餅(もち)窒息事故に対し注意喚起(2013年)

2013/12/29 15:00

お正月の料理としては欠かせないお餅(もち)に関連し、それをのどに詰まらせて窒息状態に陥る事故が相次いでいる。毎年の話ではあるが、注意喚起として東京消防庁では2011年11月27日に関連する特集ページ【餅などによる窒息事故に注意!】を公開し、注意喚起を行っている。特に高齢者がトラブルの対象となることから、高齢者に対する注意事項が多いのが特徴である。

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圧倒的に多い高齢者被害


今件は2013年中の公開のため2013年分の統計データは反映されていないものの、主に2008年-2012年における過去5年間の値を元に、「餅」及びそれに類する「団子」「大福」など粘り気の強い食品が喉(のど)に詰まったことによる窒息事故について解説している(今記事グラフ中、一部に2006年からのものがあるのは、去年類似記事からのデータ継承によるもの)。過去5年間においては毎年100人以上がこの窒息事故で救急車によって医療施設に運び込まれているが、多くは12月から翌年1月に集中しており、年末年始のお餅料理(磯辺焼き、お雑煮、餡子餅など)に起因していることがうかがえる。

↑ 東京都における、餅などに起因した窒息事故による救急搬送人員(人)
↑ 東京都における、餅などに起因した窒息事故による救急搬送人員(人)

↑ 東京都における、餅などに起因した窒息事故による救急搬送人員(人)(2008-2012年累計、月別)
↑ 東京都における、餅などに起因した窒息事故による救急搬送人員(人)(2008-2012年累計、月別)

この搬送者のうち約7割は「中等症(生命の危険は無いが要入院)」以上で占められており、搬送時の状況が比較的深刻であること、そして搬送人数・症状の度合いは毎年の周知啓蒙活動にも関わらず、共に横ばい状態にある事が分かる。

↑ 餅などによる事故における初診時程度別割合(2008-2012年)
↑ 餅などによる事故における初診時程度別割合(2008-2012年)

死亡:初診時に死亡が確認されたもの
重篤:生命の危険が切迫しているもの
重症:生命の危険があるもの
中等症:生命の危険はないが、入院の必要があるもの
軽症:入院の必要がないもの

また冒頭で触れた通り、窒息事故による搬送者の大半は高齢者で、2008-2012年に限れば全搬送者の約9割に達している。

↑ 高齢者と高齢者以外の救急搬送人員と中等症以上の割合(2008-2012年)
↑ 高齢者と高齢者以外の救急搬送人員と中等症以上の割合(2008-2012年)

「中等症以上の割合」を見ると、高齢者の方が搬送リスクが高まる現状が見て取れる。

傾向と対処


東京消防庁では以前の注意喚起で高齢者、そして乳幼児の窒息事故が多い理由について「個人差がある」としながらも、

・乳幼児……主に臼歯がなく食べ物を噛んですりつぶすことができないことや、食べながら遊んだりする傾向にあるため、窒息事故が発生しやすい。

・高齢者……一般的に、かむ力や飲み込む力が弱くなり、だ液の分泌量も減少し、食物が詰まりかけた時に咳をする反応が弱いなどの理由により窒息事故が発生しやすくなる。

と解説。そして餅をはじめとした粘着性のある食品による窒息事故を防ぐための注意事項として

・食品を小さく切るなど、食べやすい大きさにする。
・急いで飲み込まず、ゆっくりとよくかみ砕き、だ液と混ぜてから飲み込む。
・介助が必要な人に餅などを食べさせる時は、「横になった状態」「あおむけに寝た状態」では食べさせないようにする。
・食事の際は、お茶や水などを飲んで喉を湿らせる。
・食事中は遊ばない、歩きまわらない、寝ころばない。
・高齢者や介護を要する方は、粥などの流動食に近い食物でも窒息を起こすことがあるため食事の際は目を離さない。
・いざという時に備え、応急手当の方法を習得しておく。

などを挙げている(応急手当の方法はリリース後半に記載されている)。今件では特に高齢者の餅問題を提起しているが、【増える独り身・高齢者のみ世帯…高齢者がいる世帯の構成割合をグラフ化してみる(2013年発表版)(最新)】などにもあるように、今後は一人暮らしの高齢者世帯が今まで以上に増加する傾向を見せているため、リスクはさらに増加することが予想される。行政当局は今後増加するこの「高齢者・餅窒息事故」に対し、今まで以上に積極的な姿勢で臨むことが求められよう。


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