首都圏が上昇基調…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2018年6月発表分)(最新)

2018/08/21 05:08

2018-0814賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2017年度下期(2017年10月から2018年3月)」が2018年6月付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプ、要は小型・中型・大型に区分。それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2016年度下期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「減少」よりも「増加」回答者が多く、2割強の値を示している。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国、前年同期比)(2017年度下期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国、前年同期比)(2017年度下期)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は23.8%。減少回答は27.3%を占め、流れとしては家賃の減少現象が見受けられる。「変化無しが約5割」と安定感があるとの解釈もできるが、後述するDI値は大よそマイナス圏にあることも併せ、需給の観点では賃貸住宅の引き合いの弱さによる値下げ傾向が生じていることが分かる。見方を変えれば「借り手優勢市場」。

間取り別では小型から中型で「増加」が「減少」を上回っている。需給関係を勘案すれば、小型から中型物件に人気が集まり、高めの物件でも成約する事例が多かったことになる。

これを首都圏・関西圏・その他地域に対象領域を区分し、それぞれの圏限定で値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2017年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2017年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏、前年同期比)(2017年度下期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏、前年同期比)(2017年度下期)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他地域)(2017年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(その他地域)(2017年度上期、前年同期比)

首都圏では全般的に増加の割合が高く、現象の割合が低い。特に小型物件の増加割合が高く、需給の関係では引き合いが強く値上げ傾向が生じていることが推測できる。他方関西圏では中型物件に同様の引きの強さが見られるが、それ以外の規模では弱く、特に小型物件では減少の割合が3割近くとなっている。

さらにその他地域ではいずれも減少の割合の方が高く、全般的には引き合いが弱いようだ。そして増加・減少ともに回答率が高いことから、物件における二極化が生じていると読み取れる動きをしている。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値、前年同期比)(2017年度下期)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値、前年同期比)(2017年度下期)

首都圏がすべての型で上昇、つまり引き合いが強く家賃が増加する傾向にあるのに対し、関西圏では中型物件のみが増加、そしてその他の地域では全型で減少、つまり引き合いが弱い実情が見て取れる。それぞれの地域における物件の需要の違いが色濃く出ており、非常に興味深い。首都圏に賃貸住宅の人気が集中しているということなのだろうか。


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