足りる? 何とかなる?? 足りない!? 年金に対する考え方をグラフ化してみる(2013年)

2013/12/06 11:00

医学の発達、社会的インフラの向上などを受け、平均寿命は年々向上し、その結果として日本では加速度的な高齢化社会に突入しつつある。それと共に社会保障制度の一つである年金問題が大きくクローズアップされている。受給時期となった際、果たしてその額で日常生活をまかなうことはできるのか否か、足りないと考えている場合、その理由はどこにあるのか。金融広報中央委員会の「知るぽると」が毎年調査・結果の公開を行っている、家計の金融行動に関する世論調査の公開データをもとに、年金に関する心境の現状と経年推移について見ていくことにしよう(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

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「年金だけでは日常生活もキツい」5割近く


まずは年金支給額について、その額(公的年金に加えて企業年金も含め、個人年金は除く。以下同)だけで老後の生活を営めるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。単身世帯と二人以上世帯でそれぞれ区分して集計してある。

↑ 年金に対する考え方(単身世帯)
↑ 年金に対する考え方(単身世帯)

↑ 年金に対する考え方(二人以上世帯)
↑ 年金に対する考え方(二人以上世帯)

二人以上世帯で2001年に大きな変化が生じているが、これは同年から「日常生活費程度もまかなうのが難しい」の選択肢部分を変更したため。元々はより緩やかな生活をイメージさせる「年金だけではゆとりがない」だったため(「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」とまぎらわしいのが変更の理由だろう)、表現の変更により回答率に変化がおきる次第となった。

経年動向を見ると、意外にも昔から直近まで、年金と老後生活の金銭的な関係において、考え方に大きな差は生じていないことが分かる。あえていえば二人以上世帯では「不自由なく暮らせる」が微減、単身世帯では微増しているぐらいが、中長期的な変化といえるだろうか。少なくとも今調査に限れば、公的年金受給額に関する所感は、昨日今日に騒がれ始まった問題ではないことが分かる。

受給開始年齢引き上げへの懸念強まる


公的年金だけで老後の生活をまかなえるか否かについて、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」「日常生活費程度もまかなうのが難しい」、要は「ゆとりが無い」とする回答者に、なぜ「ゆとりがない」と考えているのか、その理由を選択肢の中から2つまで選んでもらった。その結果の推移をグラフ化したのが次の図となる。

↑ 年金ではゆとりがないと考える理由(単身世帯)(ゆとりが無い世帯)(2つまでの複数回答)
↑ 年金ではゆとりがないと考える理由(単身世帯)(ゆとりが無い世帯)(2つまでの複数回答)

↑ 年金ではゆとりがないと考える理由(二人以上世帯)(ゆとりが無い世帯)(2つまでの複数回答)
↑ 年金ではゆとりがないと考える理由(二人以上世帯)(ゆとりが無い世帯)(2つまでの複数回答)

単身・二人以上世帯共に「支給金額の減額」を懸念する声がもっとも大きいことに違いは無い。また、以前は「高齢者への医療費用の個人負担が増える」ことを心配する人が多かったが、少しずつ減少。それに代わる形で「年金支給年齢の引上げ」を心配する意見が増加している。

このグラフ、状況の推移動向からは、「いくらもらえるか」「いつからもらえるか」この2点での懸念が、年金生活における不安を底上げしている現状がつかみ取れる。実際に支給金額の減額や、支給開始年齢の引上げが起きていることから、それらへの心配が増すのも道理といえよう。

なお今件調査は「2つまでの複数回答」であり、値が低い要件に関する懸念が無いわけでは無い。例えば医療費用の負担増加に対する回答率は減少しているが、それらに対する懸念が鎮静化しつつあるのではなく、相対的に優先順位が下がっているだけの話でしかない。そのことに注意する必要があることを書き記しておく。


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