少額は現金、そして電子マネー…単身世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる(2013年)

2013/12/05 08:00

二人以上(夫婦)世帯と単身(一人身)世帯とでは、消費行動や家計の取り扱い方が大いに異なる。前者では家計全体のお金のやり取りの他、世帯構成員一人一人のプライベートな金銭が別途やり取りされるが、後者では構成員は一人のみであることから、家計そのものが世帯構成員=本人の金銭のやりくりとなる場合が多くなる。今回は金融広報中央委員会の「知るぽると」が2013年11月7日に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」の最新版となる2013年分などのデータを用い、「単身世帯における、お金の決済手段とその移り変わり」について、状況の確認と精査をしていくことにする(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

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現金以外にクレカや電子マネーもバリバリ使う単身世帯


商品を買う、あるいはサービスを利用する際に、対価としてお金を支払わねばならないのは、世の中の常識。一方で最近では、直接現金で支払う以外にクレジットカードや「おサイフケータイ」のような電子マネーが使われる機会も多くなった。またクレジットカード決済のような複雑で利用ハードルが高いものではなく、より簡単に、よりリスクが低い使い捨て型のプリペイドカード(マネーカードやギフトカードと呼ばれるもの)も、昨今では普及浸透しつつある。今回はそのような「単身世帯における、日常的支払の場面での資金決済手段」について尋ねている。

まずは直近2013年における、金額別主要決算手段。4つの選択肢のうち「主なもの2つ」を答えてもらっているので、事実上「何を使っているのか」に等しい結果となっている。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2013年、単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2013年、単身世帯)

単身世帯の場合、小口決済では電子マネーの利用率が約3割となっている。5000円以下でも約1/5が使っている。また、クレジットカードの利用率も高く、二人以上世帯では5万円超でようやく「現金利用率をクレジットカード利用率が超えた」のに対し、単身世帯では「5001円-1万円以下」の区分で早くも超えている。

これら二人以上世帯との差は、ひとえに冒頭で解説した通り、単身世帯が「世帯全体の家計」=「回答者本人のお財布」であることによるもの。クレジットカードや電子マネーの場合、利用の際に「個人の私財を使う」か「家計全体の出費とする」かでもめる、あるいは区別がつけられずに混乱する場合がある。ところが単身世帯の場合、本人の私財は同時に自らの世帯全体の資金でもあり、(わざわざ別口座で勘案している人を除けば)もめる心配は無い。従って、クレジットカードも電子カードも気軽に使い倒せることになる。

もっともそのような状況下にある単身世帯でも、電子マネーはまだ副次的手段であり、現金が多分に使われていることに違いは無い。そして電子マネー以上にクレジットカードが大いに活用されているのも、二人以上世帯と同じ。

急速に利用が伸びる電子マネー


時代による変遷を見ると、(参照できるデータが2007年以降のものでしかなく、仕方が無い面もあるが、)2007年の時点で電子マネーがすでに比較的多くの人に使われていることが確認できる。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

2007年の時点ですでに2割強の単身世帯者が、小口決済でおサイフケータイをはじめとする電子マネーを多用している。そして主に5000円以下の支払いで漸次利用率は増加し続けている。「小銭代わりの電子マネー」は単身世帯にとって、第二の「小銭」的立ち位置を確かなものとしつつある。

一方現金は、主に少額決済の面で利用率を減らしている。クレジットカードも増加しており、「現金」から、「電子マネー」や「クレジットカード」への流れを主なものとし、支払い対象などの場面によって、払い方を変えるライフスタイルの変化が見て取れる。

2013年に限ると、電子マネーの利用率が少額区分でやや低下する動きが確認できる。単なるイレギュラーな動きの可能性もあるが、一般携帯電話からスマートフォンに移行する人が増え、その際の転送手続きに手間取っているのかもしれない。あるいは「その他」の回答率がすべての金額区分で増えていることと合わせて考えると、使い捨て型のプリペイドカードの利用に決済手段を奪われている可能性はある(無論、インターネット経由での物品・サービス購入ということになるが)。



余談になるが。「日常生活における買い物」ではなく、公共料金などの定期的な支払いでは、口座振替が主流。ただし二人以上世帯と比べると、口座振替の利用者が漸減し、クレジットカード利用者が漸増しているのが目に留まる。そして2013年にはついに両者の立ち位置が逆転する。

↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2007年-2013年、単身世帯)
↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2007年-2013年、単身世帯)

これは前述の通り、「個人のクレジットカード口座」と「家計全般の口座」が同じであり、それならば利用する機会が増えるほど多くの特典を得られるクレジットカードを使った方が良いとする判断の結果。現金の利用率は二人以上世帯とほぼ変わらず、口座振替の減少分がそのままクレジットカードなどの利用者に移行しているのが分かる。

世帯構成員個人の私財を預かる「お財布」と、家族全体の家計をあずかる「お財布」が同じか別物か。ここに、単身世帯と二人以上世帯における、電子マネーやクレジットカードの利用性向の違いが表れていることになる。

電子マネーにしてもクレジットカードにしても、有効な活用方法を実践できれば、お得な点も多い。いかに便益を引き出せるか、単身世帯はもちろん二人以上世帯でも、色々と考えてみることをお勧めする。


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