2014年9月度外食産業売上マイナス2.0%…日取り、そしてファストフードは中国産鶏肉問題の影響がなお継続中

2014/10/27 15:00

日本フードサービス協会は2014年10月27日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2014年9月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス2.0%を示すこととなった。前年同月と比べると台風の接近や上陸など天候の点では恵まれていたものの、休日数が1日少なく、客数に影響が生じた。またファストフードの一部部門では7月の中国産鶏肉問題の影響がなお残り、結果として外食産業全体の足をも引っ張る形となってしまった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が222、店舗数は2万9693店舗。今月は前月と比較すると事業社数・店舗数共に減少している。

全業態すべてを合わせた2014年9月度売り上げ状況は、前年同月比で98.0%となり、2.0%の減少を記録した。これは先月から継続する形で4か月連続の下落となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では日曜日が1日少なく今年の方がやや不利な状態となり、台風の影響の多少という天候の観点で恵まれたプラス点でも盛り返すことはかなわなかった。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から続いて4か月連続のマイナス(マイナス4.3%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風は、社会問題化した中国産鶏肉食材の問題が今なお大きく客足を遠のかせる原因となり、客数は実にマイナス12.9%という大きな下げ幅を記録した。客単価はプラス1.4%と堅調だったものの、売り上げはマイナス11.7%にまで落ち込んでしまう。先月触れた「妖怪ウォッチ」関連の景品で大いに盛況を示すこととなったマクドナルドの勢いも、同社全体、さらには洋風部門全体を底上げするには至らなかったようだ(ちなみにマクドナルド単体では9月付の月次売上高はマイナス16.6%(既存店)を示している)。一方でその他部門はカレー関連やアイスクリームが先月から続き堅調を維持し、客数・客単価プラスで売上もプラス9.8%を挙げている。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はほぼトントンのマイナス0.5%に留まる一方、客単価を大きく底上げさせプラス6.4%と成し、売上もプラス5.9%としている。前月がプラス4.8%だったことから、さらに好調さを見せることとなった。

ファミリーレストラン部門は日取りの関係からいくぶん客数が減ったものの、客単価が良かったことから売り上げを底上げし、前年同月比はプラス1.5%。焼き肉は客単価・客数共に好調で、売上も前年同月比で1割近いのアップを示している。店舗数増加が1.4%プラスに留まっていることを考慮すれば、純粋な売り上げアップと判断できるだけに、その好調さが確かなものであることは理解できよう。

パブ/居酒屋部門では元々不調な状況に加え、日取りの悪さも足を引っ張る形となり、マイナス3.7%。もっともパブ・ビアホールは昨年同月の台風などを受けた結果として売り上げが落ちた状況との比較となることからプラス3.0%を示したのに対し、居酒屋は5.1%の下げを示しており、消費性向の変化による客足の遠のきが懸念される。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年9月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年9月分)

天候面では恵まれたが
日取りの悪さが
客足の面でマイナスに。
ファストフードの一部は
なお中国産鶏肉食材の
問題を抱え客数大幅減
4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響もほとんど生じなかった外食産業だが、夏にかけて天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題という2つのマイナス要素が足を引っ張り、不調が続いている。大きなウエイトを占めるファストフードでは和風や麺類、その他部門は好調さが続いているにも関わらず、ファストフード全体ではマイナス続き、そして外食産業全体にも影響を与えていることから、中国産鶏肉食材の問題の影響がいかに大きなものかを改めて認識させてくれる。あるいはそれ自身は単なるきっかけでしかなく、業界の一部部門における根本的な問題が露呈したのかもしれない、それほどまでに大きく、長期に渡る動きではある。

また居酒屋の不調続きも目に留まる。こちらは食材や天候の影響では無く、ビジネススタイルそのものが時代の流れとの間に歯車のかみ合わせ的な面でのずれを生じてしまっている雰囲気がある。可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化などなど、居酒屋にはマイナスとなる変化ばかりが起きている。複数人数が一緒に来店して会食をするという点では、お酒を飲むこと以外は類似点が多いファミリーレストラン部門が大よそ堅調なのも、非常に対象的ではある。

もっとも居酒屋という業態そのものがまったく時代ハズレになったわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が試験運用している「吉呑み」が堅調さを示していることを見るに、既存の居酒屋にも何らかの変化が求められているように思える。

他部門が比較的良い動きを示し続ける中で、とりわけここ数か月不調が続くファストフードの洋風、そして居酒屋。この2部門の回復状況が、外食産業全体の動向を精査するうえで、今後も注視すべき重要ポイントといえるだろう。


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