金融資産を持たない世帯、夫婦世帯は3割強・単身は4割近く(2013年)(最新)

2013/12/03 15:00

金融広報中央委員会の「知るぽると」は2013年11月7日、同会が毎年発表している家計の金融行動に関する世論調査において、最新版となる2013年分を公開した。発表資料では主にお金のやりくりの視点から、一般世帯の動向を推し量れる数多くのデータが開示されている。今回はそのデータを基に、世帯ベースでの金融資産の保有の有無について、最新分、さらには経年変化を確認をしていくことにする(【知るぽると:調査・アンケート公開ページ】)。

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直近では単身62.8%、夫婦世帯は69.0%が金融資産持ち


今件における「金融資産」とは、預貯金・有価証券・保険などの金融商品を意味する。事業性の預貯金(家計で蓄財しているものとは別個)や、給与振込・振替などで一時的にしか口座に留まらない預貯金は「金融資産」には該当しない。その「金融資産」を有するか否かの問いに対し、「ある」と答えた世帯の推移が次のグラフ。「単身世帯」の調査は2007年以降であることから、単身・夫婦(二人以上)世帯の比較がしやすいよう、今世紀に限定したグラフも併記した。

↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(1963-2013年)
↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(1963-2013年)

↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(2001-2013年)
↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(2001-2013年)

個人の事情や資産関連のポリシーなどもあり、100%はありえないものの、前世紀末までは9割台を維持していた二人以上世帯の「金融資産保有率」。しかし21世紀に入ってからは少しずつ減少し、特に今世紀初頭の不景気における低下は著しいものとなっている(約10%ポイント下がっている)。その後景気の持ち直しと共に、二人以上世帯では8割近くまで戻しているが、2011年では前年比で6.3ポイントもの急落が確認できる。この下げ幅は奇しくも2002年から2003年における不景気下でのものと同一で、少なくとも「二人以上世帯の金融資産保有率」の観点からは、景気後退の流れはほぼ同じレベルであることがうかがえる。

単身世帯では二人以上世帯よりも早く、金融資産保有率の上で、不景気の影響が出ている。グラフを見れば分かる通り、2010年から大幅な下落が確認できる。2009年からの2年間での下げ率は8.8%ポイント。2011年において単身世帯の4割近くは「金融資産を持っていない」との計算になる。

2012年では単身・二人以上世帯とも、前年3月に発生した東日本大地震・震災による心理的影響から「守り」の姿勢を強めたこともあり、一時的に金融資産保有率は上昇する。しかし直近の2013年においては再び下落。二人以上世帯ではデータが収録されている1963年以降最低値、単身世帯では2011年に次ぐ低い値を示している。

低所得世帯ほど低い金融資産保有率


金融資産の保有状況は、各世帯の年収と少なからぬ関係がある。次のグラフは世帯年収別の「金融資産保有率」を示したもの。単身世帯でややぶれが目立つものの(年収1000-1200万円未満世帯が一番「非」保有者率は低く、1200万円以上は大きく跳ねあがる)、全般的には「低年収ほど金融資産を持たない世帯が多くなる」傾向が確認できる。

↑ 金融資産「非」保有率(単身・二人以上世帯)(2013年)
↑ 金融資産「非」保有率(単身・二人以上世帯)(2013年)

今件調査の「収入」は就業に伴う収入、年金、不動産賃貸収入、利息収入などの税引き後収入を意味し、土地・住宅、株式などの資産売却に伴う収入は含まれない。無収入世帯では他世帯の世話を受けているか、売却益などを利用しているなどが想定されるが、年収300万円未満世帯同様、金融資産を持たない世帯が多いことが分かる。

また世帯構成別に見ると、単身世帯は二人以上世帯と比べ、金融資産非保有率が高い。収入の面で辛い面が多い、あるいは必要性を感じにくい点が影響していると思われる。単身世帯では子供が(原則的に)居ない世帯となるため、子供のための資産蓄積の必要性が無いと考えれば道理は通る。



直近の2013年における金融資産保有世帯率の減少だが、年収・年齢の差異無く、ほとんどの属性で同時に起きており、これが特定属性(例えば低年収で物価上昇のため金融資産を持つ余裕が無くなった)のみの現象ではないことが確認できる。

データを良く見ると、金融資産の定義部分に「金融資産には、土地・住宅等の実物資産は含まない」とある。将来の金銭に対する考え方として「不動産などの実物資産を含む遺産について、財産を残す子供がいないうえ、自分の人生を楽しみたいので、財産を使い切りたい」とする意見も多い。これらの結果から昨今の「金融資産の非保有率上昇」の一因として、「金融資産にカウントされない実物資産の増加」、あるいは「一時的にしか口座に留めておかない預貯金(自らのために使うつもり)の増加」という動きがあるのかもしれない。


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