新聞、テレビ、携帯、インターネット…世界では情報取得のためにどれほど使われているのだろうか(2010-2014年)(最新)

2014/11/23 15:10

日本における従来型メディア、具体的にはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌への信頼度の高さはすでに内外に知られた通りで、信頼を寄せているからこそ各メディアへの傾注度も高く、多数の人が時間を割いて見聞きしているといわれている。それでは実際のところ、主要メディアに対する情報取得のための利用度合いはどれほどのものなのだろうか。世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】から、新聞、テレビ、携帯電話、インターネットの4つの媒体・メディアに関して、その利用性向を確認していくことにする。

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日本以上に利用者が多い国もある新聞


今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項、信頼度の算出方法などは今調査に関する先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参考のこと。

次以降に示すのは該当メディアを用いて国内外の情報を取得しているか否か。「用いる」であり、保有・購入の有無は問わない。例えば新聞を購読していなくても日々会社で一通り目を通す、テレビはいつも昼食の際に食堂で視聴する場合も利用に該当する。そして利用頻度に関して「毎日」「週一」「月一」「月一未満」「全然用いない」「分からない」のいずれか一つを選んでもらうことになる(結果として「無回答」もありうる)。その上で、一定度以上の利用頻度に該当する(定期利用)ものとして「毎日」と「週一」を足し、ほとんど使わないに値するものとして「月一未満」と「全然用いない」を加算し、ぞれぞれの該当率とする。

まずは新聞。

↑ 国内外の情報を取得する際に新聞を週一以上で読んでいる(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際に新聞を週一以上で読んでいる(2010-2014年)

↑ 国内外の情報を取得する際に新聞を読むことは月一未満である(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際に新聞を読むことは月一未満である(2010-2014年)

シンガポール、スウェーデン、そして日本の3か国は8割以上が新聞を実質的に定期利用している。シンガポールは日本同様新聞への信頼度も高く、それゆえに新聞定期購読者が多いものと思われる。一方スウェーデンは新聞に対する信頼度は低く、それにも関わらず購読者が多いのが不思議なところ。割り切った上で読んでいるのかもしれない。低い国はエジプト、中国、フィリピン、メキシコなど。アメリカも5割強に留まっている。

当然、ほとんど利用していない人の割合の順位は、ほぼ定期利用者の逆となる。エジプト、フィリピン、中国などが上位につき、日本は1割強でしかない。アメリカは3割強、ドイツは2割足らず。エジプトの際立った高さが目に留まる。

極めて高いテレビ利用率


続いてテレビ。利用ハードルの低さからか、各国とも高い値を示している。

↑ 国内外の情報を取得する際にテレビを週一以上で観ている(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際にテレビを週一以上で観ている(2010-2014年)

↑ 国内外の情報を取得する際にテレビを観ることは月一未満である(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際にテレビを観ることは月一未満である(2010-2014年)

テレビをもっとも利用している国は日本。その値、実に97.3%。新聞をほとんど読んでいないエジプトがそれに続いており、意外な一面を覚えさせる。その他の国も一様に高く、ほとんど9割台に達している。中国やアメリカ合衆国はやや低めだが、それでも8割前後。

実質的な非利用者は、一番高いアメリカ合衆国でも13.8%。日本に至っては1.3%とほとんど誤差にしか過ぎない。当然といえば当然だが、利用者本人が購入せずとも容易に利用が可能なためか、実に多くの人が情報取得ツールとして利用している形である。

携帯電話はドイツ、ブラジル、ルーマニアが多い


続いて携帯電話。これには少々説明を要することになる。

↑ 国内外の情報を取得する際に携帯電話を週一以上で使っている(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際に携帯電話を週一以上で使っている(2010-2014年)

↑ 国内外の情報を取得する際に携帯電話を使うことは月一未満である(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際に携帯電話を使うことは月一未満である(2010-2014年)

原文で指定されている対象は「モバイルフォン」、つまり携帯電話。従来型携帯電話以外にスマートフォンも該当するが、いずれも端末を使ったインターネットアクセスは想定しておらず、電話を用いた口頭でのやり取り、そしてSMS(ショートメッセージサービス)までが該当する。そのため、思ったよりも低い値に留まっている。

もっとも高い値を示したのはドイツの83.1%。次いでブラジルの67.1%。【どの国でもテレビは人気者…世界各国の主要メディア利用状況をグラフ化してみる(ICMR2013版)】にもある通り、ドイツでは固定電話による口頭のコミュニケーションが頻繁に行われており、その流れで携帯電話も会話目当てに使う人が多いものと考えられる。日本は4割強。

利用していない率が一番高いのはエジプト。先の新聞の低さとテレビの高さ同様、極端な値を示しやすい国ではある。日本は5割強の人が、携帯電話で口頭でのやり取りやSMSをほとんど使っていないと回答している。

日本は大よそ半々…インターネット利用率


最後はインターネット。設問には単に「インターネット」としか指定が無い。一方で今回は取り上げないが別項目で「電子メール」があるため、電子メール以外のインターネット利用(利用端末は問わず)による情報取得、例えばブラウザ閲覧などが該当する。

↑ 国内外の情報を取得する際にインターネットを週一以上で使っている(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際にインターネットを週一以上で使っている(2010-2014年)

↑ 国内外の情報を取得する際にインターネットを使うことは月一未満である(2010-2014年)
↑ 国内外の情報を取得する際にインターネットを使うことは月一未満である(2010-2014年)

案外低いように見えるかもしれないが、これはあくまでも「国内外の情報取得(厳密にいえば「国内外で起きている事象を知るための行動」)のため」の利用に過ぎない。ゲームで遊んだり、アニメ動画を視聴したりなどは含まれない。要は単なるインターネットの利用性向では無い。見方を変えれば今件値は、インターネットによる情報取得の積極性・消極性でもある。

週一以上利用率がもっとも高いのはスウェーデン。同国ではインターネットを社会基盤を支えるインフラとして認識しており、国策として大いに普及浸透をバックアップをしている。その成果が数字となって表れている形だ。またオランダもインターネットの展開に力を注いでおり、非常に高い普及率を示している。情報取得の際の利用率の高さも納得できる。ドイツやアメリカ合衆国も高めなのも、なるほど感を覚えさせる。

日本はといえば、利用率は大よそ5割、非利用率は4割強。日本における調査年は2010年のため、スマートフォンが普及する直前の話となる。そう考えれば、この位に留まっているのも納得できよう。



承知の通り、情報取得手段としての主要メディアの性能アップや普及率の変化、それぞれのメディアの利用性向の動き、シフトはこの数年で大きな流れの中にある。その最中における調査であるため、同じ期間内でも具体的調査年が年単位でずれることで、実情とは小さからぬずれを示している国があることは否定できない。

次の調査期間、具体的は2015年から2019年では、多くの国で劇的な変化が生じているに違いない。


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