ラジオはどこで聴いているか…場所別・世代別のラジオ聴取動向をグラフ化してみる(2014年8月度版)

2014/10/05 09:00

インターネットや携帯電話など新メディアの普及浸透で、従来型メディアの中でも大きな影響を受け、メディア力の減退が一番著しいのがラジオ。一方で先の震災によりその存在意義を見直され、復権の様相も呈しつつある。そのラジオが活躍の場を与えられるのは、何も自宅内だけでは無い。特に震災後の非日常的な状況下では屋外での活躍ぶりが注目された。今回はビデオリサーチが定期的にプレスリリースの形で公開を実施しているラジオ聴取動向の最新データ(【発表リリース:ビデオリサーチ 2014年8月度首都圏ラジオ調査 結果まとまる】)を基に、直近の状況における主張場所別のラジオ視聴動向を確認していくことにする。

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自宅内はシニアが圧倒的、若年層はほとんど聴かない


今調査は1週間分の調査票を一括して郵送・回収する「日記式郵送留置調査方式」で実施されたもの。またテレビ視聴率取得の際に行われる自動取得型ではなく、利用者性向で偏りが生じ得るインターネット経由のものでもない。そのため、調査方式による実態とのぶれはほとんどないと見てよい。

今件項目における「週平均の聴取率」とは「週全体(平日、土日を合わせた)における、1日単位での平均聴取率」を意味する。例えば「1週間全体において、1度でもラジオを聴いた人の割合」ではない(こちらは59.8%)。

まずは最初は男女を合わせた、場所別・世代区分別の週平均。自宅では平均2.8%/日の人がラジオを聴いている。ほぼ36人に1人の割合となる。また、世代区分が10歳区切りでないことに注意。

↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(世代別)
↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(世代別)

自宅内では34歳までは1%未満、35-49歳でも1.8%。それが50歳以上になると5.8%に跳ね上がる。これは定年退職を迎えて、自宅で有り余る時間を費やしている人が多いからだと考えられる。また世代的に「高齢者ほどデジタル系のような双方向メディアではなく、一方向性の、自分で操作して反応する必要が無いメディアであるテレビやラジオを好む傾向が多分にある」(あくまでも傾向であり、全員がそれに当てはまるわけでは無いことに注意)との理由も一因。

ところが自宅外になると、成人若年層の割合がかなり伸びる。特に35-49歳と、その上の世代50-69歳の差異はほとんどない。一方、それ以下の世代は車内でも聴取率が低くなるが、これはラジオ離れ以外に、自ら自動車に乗らない人がいるからだと考えられる(10代は特に)。

またラジオは自宅外で聴取される比率がかなり高いことも把握できる(自宅外全体=自宅外・車内+自宅外「車内」以外である)。例えば50-69歳なら週平均聴取率10.0%のうち4.2%までか自宅外である(さらにそのうち2.8%分までがカーラジオによるもの)。カーラジオがラジオ聴取に与える影響は非常に大きいことがうかがえる。

自動車に乗らない女性はラジオ聴取率も低い


これを男女別に見ると、性別で大きな差異が見受けられる。

↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(男性)
↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(男性)

↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(女性)
↑ 2014年8月度首都圏ラジオ・聴取場所別個人聴取率(6時-24時、週平均)(女性)

まずは男性について。現役世代は自宅での聴取率は押し並べて低い。だが60代に入ると突然高くなる。そして50代までは自宅外の方が聴取率が大きな差を付けて高いものの、60代では自宅内外でほぼ同じになる。これは上記にある通り、定年退職となり自宅で悠々自適な生活を迎えるため。そしてラジオは一方向性を持つ、聞き入るだけの「楽なメディア」だからに他ならない。ながら作業もし易い。

一方自宅外でも高齢者ほど利用率が高まる傾向には変わりない。

カーラジオ女性は男性とはかなり動きが異なる。縦軸の区切りを男性と同じにして比較しやすくしたが、全般的な聴取率が男性と比べると低い一方、50代以降の自宅内聴取率がきわめて高くなり、男性を超える値を示している。これは自宅外勤務者が(男性と比べて女性は)あまりいないからだと考えられる。50代以降で男性以上に伸びるのは、自宅にいる条件は男性と同じものの、家事などで「ながら聴取」を望む機会が多いから。また、ラジオが聴けない外出機会となりうるパート・アルバイトにおいて、子供の成人・別居で終了するタイミングが、50代以降となるのも理由の一つ。

さらに男性と比較してみると、女性は自宅外でのラジオ視聴が世代を超えても低いままであるのも印象的。自宅外では必然的に「ながら視聴」となるが、女性はラジオの屋外での「ながら視聴」について、行儀の上で敬遠しているのだろう。自動車を運転する機会そのものも男性と比べれば少ないものと思われる。

ラジオ番組の構成を思い返すと、お昼時は女性、しかも中堅層以降を対象としたものが多い(これについてはテレビも変わらない)。局・番組側も視聴者性向を知った上で構成していると考えれば、道理は通るというものだ。


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