海外労働者、他宗教、他言語…近所の人なら気になるか(2017-2020年)(最新)

2021/01/31 05:20

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2021-0121鎖国をしていない限り、多かれ少なかれどの国にも他国からやってきた移住者や労働者が住居を構え、隣近所に住む可能性が生じてくる。また他宗教や他言語を有する人が近くに住むことになるかもしれない。その時人々はどのような反応を示すだろうか。気にせずごく普通に生活を続け接するのか、それとも警戒感や嫌悪感を抱いてしまうのだろうか。世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】から、3つの観点で国ごとの反応を確認していくことにする。

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今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参照のこと。今回焦点を当てる設問は3つ。隣近所に「移民世帯や海外からの労働者世帯」「他宗教・他宗派世帯」「他言語を話す世帯」がいる状況について、気にしないか、それとも何となくネガティブな意味で気にしてしまうかを答えてもらっている。グラフ中のタイトル表記は「気にする」とあるが、要は警戒感や嫌悪感の類の感情を抱くという意味である。なお一部の国・設問では現在集計中らしく値が非開示の国があるため、設問によって回答国数が異なる形となっている。あるいは(その国の情勢を鑑みて)元から設問が用意されていない可能性がある。

まずは「移民世帯や海外からの労働者世帯」。

↑ 隣近所に移民世帯や海外からの労働者世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)
↑ 隣近所に移民世帯や海外からの労働者世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)

もっとも否定的、つまり嫌悪感を抱いているのはトルコで48.1%、次いでイランの41.8%、タイの38.9%、イラクの38.5%。日本は29.1%と3割近く。

一方でブラジルやスウェーデン、ドイツなど、国策として移民政策を推進している国では寛容な意見が多い。もっとも最大値が50%を超えている国は皆無なので、ほぼすべての国で、気にしないとする意見が多数派を占めていることになる。

続いて「他宗教・他宗派世帯」。

↑ 隣近所に他宗教・他宗派世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)
↑ 隣近所に他宗教・他宗派世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)

最大値を示すのはこちらもトルコで41.4%、ついでイラクの34.8%、イランの33.8%、中国の30.7%と続く。日本は18.7%。逆に寛容的なのはニュージーランドやブラジル、アメリカ合衆国、そしてドイツ。もっとも最上位のトルコですら4割強、イラクやイラン、中国は3割台でしかなく、宗教の観点で排他的な意見を持つ人は少数派であることに違いはない。

もっとも日本の場合、無宗教、少なくとも何らかの宗教を信仰していると自覚している人そのものが少数派である実情を見返すと、他宗教というよりは、何らかの特異的な宗教を信仰していると明確に表現している世帯との認識によるものと考えられる。つまり他国が「自分はA、近所にB」なのに対し、日本では「自分はゼロ、近所にA」と言った具合である。無論日本でも「自分はA、近所にB」な事例はあるには違いないが。

最後は「他言語」。

↑ 隣近所に他言語で話す世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)
↑ 隣近所に他言語で話す世帯がいると気にするか(気にする人)(2017-2020年)

イラクが最上位で40.2%、次いでトルコが35.9%、フィリピンが32.2%、イランが31.4%。日本は8.4%に留まっている。

イラクやトルコなどでは比較的高い値を示しているが、それでも半数には届かない。言語に関してはおおよそ宗教と同程度の許容がされているようである。



今件に限らず「世界価値観調査」の設問はおおよそ一般論、あるいは概要的な状況に対する判断を尋ねているため、センシティブな設問では色々と疑問を呈する結果が出る場合もある。あくまでも全般的な、傾向としてのもので、実際の判断には個々の状況によって大きく左右されることを留意しなければならない。

一方で例えば移民政策を推奨している国では極めて寛容な結果が出るなど、国全体としての傾向もおおよそ把握できるのも事実である。日本のポジションに関しても、理解ができる値ではないだろうか。


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