海外労働者、他宗教、他言語…近所住まいでの気になる感、世界の反応は?(2010-2014年)(最新)

2014/11/20 08:25

鎖国をしていない限り、多かれ少なかれどの国にも他国からやってきた移住者や労働者が住居を構え、隣近所に住む可能性が生じてくる。また他宗教や他言語を有する人が近くに住むことになるかもしれない。その時人々はどのような反応を示すだろうか。気にせずごく普通に生活を続け接するのか、それとも嫌悪感を抱いてしまうのだろうか。世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】から、3つの観点で国ごとの反応を確認していくことにする。

スポンサードリンク


今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項、信頼度の算出方法などは今調査に関する先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】を参考のこと。今回焦点を当てる設問は3つ。隣近所に「移民世帯や海外からの労働者世帯」「他宗教・他宗派世帯」「他言語を話す世帯」が居る状況について、気にしないか、それとも出来れば近所には居ないでほしいと考えるかを答えてもらっている。グラフ中のタイトル表記は「気にする」とあるが、要はネガティブな感情を抱くという意味である。

まずは「移民世帯や海外からの労働者世帯」。

↑ 隣近所に移民世帯や海外からの労働者世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)
↑ 隣近所に移民世帯や海外からの労働者世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)

【スウェーデンとウクライナ、エジプト…諸外国の人たちがどんな組織・制度に信頼を寄せているかをグラフ化してみる(番外編)(2010-2014年)(最新)】でも解説しているが、エジプトは国内情勢的に非常に微妙な時期の調査となったため、今件記事では複数項目で設問そのものが設定されていない。それをのぞくともっとも否定的なのはタイで58.2%、次いで韓国の44.2%、日本の36.3%と続く。シンガポールやキプロス、ロシアも高い値を示している。

一方でブラジルやスウェーデン、コロンビアなど、国策の上で移民政策を推進している国では寛容な意見が多い(今件は気にする・気にしないの2択で、掲載値以外はほぼ気にしないとの回答と見なして問題は無い)。もっともタイをのぞけばほぼすべての国で、気にしないとする意見が多数派を占めていることになる。

続いて他宗教・他宗派世帯。

↑ 隣近所に他宗教・他宗派世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)
↑ 隣近所に他宗教・他宗派世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)

意外にも日本が最多回答率を示している。これはタイなどとは異なり日本の場合は、他宗教というよりは、何らかの特異的な宗教を信仰していると明確に表現している世帯との認識によるものだろう。つまり他国が「自分はA、近所にB」なのに対し、日本では「自分はゼロ、近所にA」と言った具合である。無論日本でも「自分はA、近所にB」な事例はあるには違いないが。

日本をのぞけば強い拒否反応を示しているのはタイと韓国。そこから下がってキプロス、ルーマニアなとのが続く。逆に寛容的なのはニュージーランドやオランダ、スペイン、そしてアメリカ合衆国。もっとも上位3か国ですら3割台で、排他的な意見を持つ人は少数派であることに違いは無い。

最後は他言語。

↑ 隣近所に他言語で話す世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)
↑ 隣近所に他言語で話す世帯があると気にするか(気にする人の割合)(2010-2014年)

他の項目同様、韓国やタイ、日本などが上位についている。また今項目ではエジプトも回答に加わっているが、高い値を示しているのが興味深い。とはいえ、韓国やフィリピン、タイなどをのぞけば、大よそ1割前後(日本などは2割近いが)。言語に関しては大よそ宗教と同程度の許容をしているようだ。



今件に限らず「世界価値観調査」の設問は大よそ一般論、あるいは概要的な状況に対する判断を尋ねているため、センシティブな設問に関しては色々と疑問を呈する回答が出る場合もある。あくまでも全般的な、傾向としてのもので、実際の判断には個々の状況によって大きく左右されることを留意しなければならない。

一方で例えば移民政策を推奨している国では極めて寛容な結果が出るなど、国全体としての傾向も大よそ把握できるのも事実である。日本のポジションに関しても、理解が出来る値ではないだろうか。


■関連記事:
【アメリカ人の3分の1のみがダーウィンの進化論を信じている】
【アメリカの人種別出生率の詳細をグラフ化してみる】
【アメリカのいわゆる「未婚の母」による出生率をグラフ化してみる】
【他国と大きく異なる日本の若者の宗教観・「よりどころになる」は2割足らず】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー