「収入をもっと平等に」か「収入差を広げて努力を刺激する」か、世界各国の考え方をグラフ化してみる

2009/11/30 07:00

お金で努力を刺激するイメージ先に【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】などで取り上げた、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、多種多様な調査項目から紹介するデータ集『世界主要国価値観データブック』だが、同紙には他にも多種多彩で、検証するに値するデータが掲載されている。機会があるたびに少しずつグラフ化・分析を行っているが、今回は「収入をもっと平等にすべきか、それとも努力を刺激するよう差を広げるべきか」についてグラフ化してみることにした。言い換えれば「努力すればするほど収入が増える可能性が得られるようにするか、労働対価としての収入は出来るだけ平坦な形にすべきか」ということである。

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今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005-2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。男女比についてだが、国毎に多少の違いはあれど、すべて4対6-6対4の間に収まっている。例えば日本の場合は男性44.1%・女性55.9%である。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「理想の社会システム」のうち「収入はもっと平等に←→努力を刺激するよう収入差を大きく」。今調査ではイラクが非調査国扱いとなっている。

選択肢は「極力、収入はもっと平等に」を1、「最大限、収入の開きを大きくする」を10として10段階に区分し、その他「分からない」(、調査の結果として生じる「無回答」)が用意されている。そこでそれぞれの数字に回答率を乗算し、国毎の「努力すればするほど収入が増える可能性が得られるようにするか」度をグラフ化したのが次の図。

「収入はもっと平等に」か「努力を刺激するよう収入差を大きく」か(平等:1⇔収入差:10)
「収入はもっと平等に」か「努力を刺激するよう収入差を大きく」か(平等:1⇔収入差:10)

気をつけてほしいのは「収入差」には不実な・不法な・不正なという意味は込められていない点。仮にそのような形での「収入差」を前提とした場合は、「努力を刺激する云々」が成り立たなくなってしまうからだ(悪い事に手を染める「努力」をするのでは、という意見は問題外)。要は、「努力をしても報われないかもしれないし、努力をしなくても収入的に恵まれる人は存在するが、努力をすることで少なくとも収入的に報われるチャンスを得ることはできる」べきか否かという意味である。

これで見ると最上位にはグアテマラがつき、次いで韓国、ポーランド、ロシアの順となっている。平均が5.5(1-10を足して10で割る)であることを考えれば、オーストラリアより左側が「収入差を広げるべきだ」派で、右側が「もっと収入は平等にすべきだ」派といった形になる。

ただし、左側に配されているからといって「絶対的な収入格差容認主義」で、右側なら「極力収入平等主義」というわけではない。例えばロシアの場合、昨今の経済開放で富豪どころか超富豪が山ほど輩出されていることもあり、多くの人が彼らを夢見ているからか、かなり数字が高い。しかし似たような立ち位置の中国は、ロシアとまったく逆の立ち位置にある。このようにいくつかの現実と類似状況にある国との関連性が見出だしにくいことを見ると、この結果はそれぞれの国の現状というよりは、元々の国民性が強く表れているのかもしれない。

ちなみに日本は真ん中、やや左側。すなわち「少々は収入差があった方がいいな」というポジション。いかにも中庸が好きな日本らしいところではある。

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