「男性か女性か」「自国民か否か」・ワークシェアリング意識に関する世界各国の考え方をグラフ化してみる

2009/11/26 07:00

労働イメージ先に【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】などで取り上げた、、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、多種多様な調査項目から紹介するデータ集『世界主要国価値観データブック』だが、同紙には他にも多種多彩な、検証するに値するデータが掲載されている。機会があるたびに少しずつグラフ化・分析を行っているが、今回は「ワークシェアリングに関する世界各国の考え方」についてグラフ化してみることにした。具体的には男性優先か否か、自国民優先か否か、という視点において、である。

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今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005-2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。男女比についてだが、国毎に多少の違いはあれど、すべて4対6-6対4の間に収まっている。例えば日本の場合は男性44.1%・女性55.9%である。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「ワークシェアリング意識」のうち「男性就業優先意識」と「自国民就業優先意識」の2点について。

まずは「男性就業優先意識」だが、「賛成」「どちらでもない」「反対」「分からない」(「無回答」)の選択肢から一つを選ぶことになっている。今設問については「分からない」の項目でやや特殊な値が出ているので後で解説することにして、まずは単純に「賛成……+1」「反対……-1」として計算した結果、つまり各国の「男性の就業を優先すべきであると考えている度」についてグラフ化したのが次の図

男性就業優先意識(賛成:+1、反対:-1として計算)
男性就業優先意識(賛成:+1、反対:-1として計算)

「ウーマン・リブ(女性解放運動)」ではないが、就業において男性を優位にすべきであるという考えに対しては否定的な国が圧倒的であるのが分かる。特に北欧諸国をはじめとするヨーロッパで高い。イラクは極めて賛成派が多いが、これは国の事情(宗教など)上仕方のない話。

一方日本はといえば、数少ないプラスの国家となっている。これだけを見ると色々と意見が寄せられそうだが、実は一つ留意点があることを示しておかねばならない。選択肢中「どちらでもない」の値が、イラクを除くすべての「プラス」圏の国で高く、とりわけ日本は断トツの1位になっている。

(参考)男性就業優先意識(「どちらでもない」の意見)
(参考)男性就業優先意識(「どちらでもない」の意見)

ポジティブに考えれば「男性が優勢だのそうでないだの、あんまり考える必要もないのでは?」と冷静な判断を下している、ネガティブにとらえれば「深い考えが無い」のだろう。最初のグラフだけをもってして、「日本は職業上、男尊女卑の国だ!」と断ずるのは正しい見解では無い事をここに記しておく。

続いて「自国民就業優先意識」。こちらも「賛成」「どちらでもない」「反対」「分からない」(「無回答」)の選択肢から一つを選ぶことになっている。今設問については「分からない」の項目は少なめなのでそのままスルーし、単純に「賛成……+1」「反対……-1」として計算した結果、つまり各国の「自国民の就業を優先すべきであると考えている度」についてグラフ化したのが次の図。
自国民就業優先意識(賛成:+1、反対:-1として計算)
自国民就業優先意識(賛成:+1、反対:-1として計算)

先のグラフとは逆に、多くの国がプラスに振れている。日本は中央やや上向き。全般的には現状で移民の多い国ほど数字が低い傾向がある(スウェーデンは調査当時は有数の移民国家)。ただし移民の多い国、多民族国家でもプラスの値が大きい国もあり、一様に片づけられる問題ではないことが推定される。



今回のデータも含め、「世界価値観調査」の調査結果は2005-2006年に取得されたもので、その後の世界の経済・政治情勢は反映されていない。根本的な国毎のスタンスに大きな違いはないだろうが、政策や経済、そして雇用の状況はここ数年で大きく動いており、現在関連諸国で同様の調査をした場合、同じような結果が得られるわけではないことを念のために記しておく。

とはいえ基本的なスタンスにダイナミックな動きはないものと思われる。日本の場合は男女の就業については「やや男性優位、されど大勢としてはあまり深く考えていない」、自国民か否かについては「比較的強く自国民優先であるべきと考えている」と見てよいのではないだろうか。

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