世界各国の「無資格にも関わらず年金や医療給付などを要求する行為」に対する拒絶感をグラフ化してみる

2009/11/20 05:00

2009年11月03日付で掲載した記事【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】で取り上げている、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、複数の調査項目から披露するデータ集『世界主要国価値観データブック』。この資料にはメディアへの信頼度以外にも多種多彩なデータが掲載されている。機会があるたびに少しずつグラフ化と状況分析・確認をするつもりだが、今回は「無資格にも関わらず年金や医療給付などを要求する行為に対する拒絶感」についてグラフ化、精査を行うことにした。

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今調査の調査要件は先行記事「世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる」で確認のこと。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「許容度」のうち、「資格がないのに国の年金や医療給付などを要求する」に関する項目。10段階で「全く間違っている」から「全く正しい」までの区分が行われ、それに「分からない」「無回答」の項目が用意されている。そこで今回は前回の「脱税」同様に「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1として数字に割り振り、各区分の回答率を掛けて足していき(分からない・無回答は省略)、各国の「無資格要求に対する拒絶感」(DI値)をグラフ化することにした。つまりこの値が10なら「全員が”無資格要求はまったく間違っている”」と回答している計算になる。言い換えれば、10に近いほど「年金や医療給付などについて、義務を果たさず権利ばかり主張する行為」に対する反発心・拒絶感が強いことに。なおイラクは調査が行われず、表からは除外してある。

世界各国における「無資格での公的年金や医療給付などの要求」への拒絶感(「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1とした場合)
世界各国における「無資格での公的年金や医療給付などの要求」への拒絶感(「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1とした場合)

前回の「脱税」同様に今グラフでもスロベニアの値が異様に低いのが分かる。元データでも唯一この国だけが「全く正しい」(不正要求はまったく正しいことだと考えている)の人が過半数を占めている。明確な理由はデータからだけでは確定できないが、他の問題行為でも容認する意見が極めて高い事を考えると、調査時点の政治体制に対する強い反発があるのかもしれない。

それを除けば押し並べてほぼすべての国で高い値を示しているのが確認できる。単純中央値(すべての項目に均等に得票があった場合に算出される値)が5.50だから、くだんのスロベニア以外は全部の国が「良くないことだ」という認識に傾いているわけだ。

各国別で見ると、高税率・高福祉で名高い北欧諸国のスウェーデン・フィンランドはいずれも高めの値。これらは高福祉が「高負担」という痛み・義務に応じて与えられることを十分に知っており、それゆえに無資格要求への理不尽さを認知しているのだろう。それらの国以上にオランダやイタリアの高さが目に留まるが、共通する傾向としては移民問題によるトラブルが挙げられるだろうか。あるいはそれを起因とする無資格要求へのいきどおりが、このような結果を導いているのかもしれない。

さて、日本は今回取り上げられた国の中では中央やや「許し難い派」にかたよる立ち位置にいる。認識としては比較的高い値を示していると見てよい。

日本国憲法には国民の義務として「教育・勤労・納税」を挙げている。「無資格での公的年金や医療給付などの要求」は、特殊事例を除けば「義務を果たさず権利を主張する」行為と受け止めることもできる。このような要求が正しいことか否かは、それぞれがしっかりと認識し、はっきりと意思表示をするべきであろう。

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