記事タイトル世界各国の「脱税」に対する拒絶感をグラフ化してみる

2009/11/16 07:00

脱税イメージ先に【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】などで取り上げた、、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、多種多様な調査項目から紹介するデータ集『世界主要国価値観データブック』だが、同紙には他にも多種多彩な興味深いデータが掲載されている。機会があるたびに少しずつグラフ化・分析をするつもりだが、今回は「脱税に対する拒絶感」についてグラフ化してみることにした。

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今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005-2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「許容度」のうち、「脱税」に関する項目。10段階で「全く間違っている」から「全く正しい」までの区分が行われ、それに「分からない」「無回答」の項目が用意されている。そこで今回は「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1として数字に割り振り、各区分の回答率を掛けて足していき(分からない・無回答は省略)、各国の「脱税に対する拒絶感」(DI値)をグラフ化することにした。つまりこの値が10なら「全員が”脱税はまったく間違っている”」と回答している計算になる。言い換えれば、10に近いほど脱税に対する反発心・拒絶感が強いことに。なおイラクは調査が行われず、表からは除外してある。

世界各国における脱税への拒絶感(「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1とした場合)
世界各国における脱税への拒絶感(「全く間違っている」を10、「全く正しい」を1とした場合)

まず気がつくのは「スロベニア」の値の低さ。元データをみると「全く正しい」と回答している人が過半数にも達している。同国(地域)は周辺諸国では旧ユーゴスラビアにおいてはもっとも経済が発達していた地域であり、それゆえに分離独立・内戦の際にはゴタゴタが起きている。いずれ分析することになるだろうが、その他の問題行動(わいろや公共料金のごまかし)でも同国は多数が「全く正しい」と答えており、調査時点の政治体制に対する強い反発があるのかもしれない。

それを除けば押し並べてすべての国が高い値を示しているが、比較的共産圏が低いのが分かる。社会的な平等が共産国家のうたい文句ではあるが、実際には官僚・役人のさまざまな問題は自由主義国家と変わらない(どころか一層ひどい面もある)。それらを市民たちは知っているがための、自己防衛的な反応ともいえる。ちなみに「分からない」の項目だが、中国が唯一12.1%と2ケタ台を示している。このあたりも中国、そして共産圏特有の事情が推し量れるというもの。

日本とコロンビアは
脱税に対する反発心が
一番高い
一方、もっとも高いのは日本とコロンビア。DI値上でも最高の値を示しているだけでなく、「全く間違っている」の回答率も日本は諸国最高の81.3%。つまり8割以上の日本人は「脱税なんて、絶対許せない!」という感情を持っていることになる。これは世界に誇るべき結果といえよう(もっとも逆に、それだけ脱税例が相次いでいる、と考えることもできるが……)。

今調査はあくまでも2005年当時のもので、政治体系や経済状態が変わり、インターネットの普及が進み情報開示と拡散が進む現在においては、多少違った値を示す可能性はある。とはいえ、各国における全般的な傾向は十分につかみとれることができるはずだ。

また、日本の高い値、すなわち「脱税に対する拒否反応」は極めて正しい姿勢であり、貫き通すべきものと思われる。税金が正しい使い道をされるように監視するのはもちろんのこと、例えば皆が守るべき納税というルールを「自分の環境は人とは違うから」という理由などで破るのは正しいことかどうか、日本人としてもう一度考えてみるべきだろう。

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