0.5%ポイント前年同期から改善…大学生の2014年3月末時点での就職率は94.4%に

2014/05/17 20:00

厚生労働省は2014年5月16日、2013年度(平成25年度、2013年4月1日から2014年3月31日)における大学や短期大学、高等専門学校、専修学校の新卒者就職状況に関する最新調査結果を公開した。その発表資料によれば2014年4月1日(3月末)時点の大学卒業予定者の就職率(就職希望者に対する就職取得者の割合)は94.4%となり、昨年同時期と比べ0.5%ポイントの改善が見られたことが明らかになった(【発表リリース(平成25年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」)】)。また、同日発表された【平成25年度「高校・中学新卒者の求人・求職・内定状況」取りまとめ】によれば、高校新卒者の就職(内定)率は98.2%となり、昨年同期から0.6%ポイントの増加(改善)を示している。

スポンサードリンク


短期大学以外は改善した就職率


公表された調査結果によると、2014年4月1日時点で大学の就職内定率は94.4%となり、前年同期の93.9%と比べて0.5%ポイントのプラスとなった。つまりそれだけ同じ時期における就職状況が改善されたことになる。

↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年3月末時点と2013年同時期)
↑ 中卒-大卒予定者の就職(内定)率(2014年3月末時点と2013年同時期)

短期大学の就職率は大学や高専と比較して低めに出てしまう。今回調査の就職率もそれに習う形で、それなりの差が生じている(もっとも今件対象項目でっとも就職率が低いのは私立大学だが)。前年同期と比べると減少した学校はこの短大のみ。短大は前年同期では非常に大きな上昇(89.5%から94.7%と、5.2%ポイントもの伸び)を示したため、その反動も多分にあるものと考えられる。

就職率が最も高いのは高等専門学校。100%が就職状態にある(無論これは統計上、調査対象母集団となる学校に限った話で、日本全国の高専学生全員が内定を受けたわけでは無い)。またこの状態は前回調査結果、つまり2014年1月末時点から継続している。これは【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】などで詳しく解説している通り、高専学生は専門技術に特化し、企業側もその技術を頼りに求人を行うため、内定を出しやすい、囲い込みやすいのが主要因。企業側の「即戦力優遇主義」が反映された値ともいえる。

国公立と私立大学、男女別で確認


このうち大学(国公立・私立の合計、個別)にスポットライトを当て、男女別にその動向を確認したのが次のグラフ。

↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年3月末時点と2013年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職(内定)率(2014年3月末時点と2013年同時期)

今グラフで対象とした区分においては、前年同期比で低下を示したのは皆無となった。上記グラフからも分かる通り実際に就職率が落ちたのは短期大学のみで、これは実質的に女子のみとなる。同大学では就職希望率が前年同期比で1.0%ポイントも落ちているにも関わらず、就職率も0.5%ポイント落ちており、短大の就職状況は他の大学と比べれば厳しい状態にあることが見受けられる。

中期的な内定率推移から就職戦線の動きを推し量る


厚生労働省が定期的に発表している今件就職(内定率)において、過去のデータを逐次抽出し、直近10年間における動向をグラフ化したのが次の図。リーマンショック後下げ続け、2011年3月卒分を底とし、それ以降は少しずつ回復基調にある状況が容易に把握できる。それと共に、金融危機さらにはリーマンショックに通じる直近の金融不況で生じた内定率下落以前の水準、今回期ならば96%台と比べると、もうほんの少しだけ、回復基調が望まれることが分かる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年4月1日)

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)(-2014年4月1日)

大学生などの就職(内定)率は、その時の経済状態や企業の景気判断、とりわけその時点の景況感では無く、今後の見通し的なものと深い関係にある。現在景気が良くても、今後の見通しに不安があれば、わざわざ人材を増やしてリスクを底上げする酔狂さを持つ企業はさほど多くない。逆に企業の先行きが明るければ、それを見越して事業拡大を図るため、人材の追加確保に勤しむことになる。つまり学生諸子の就職率を底上げし、安定化させるには、(非常に大雑把な話ではあるが)景気回復こそが一番の対策となる。



冒頭にある通り、同日付で高校・中学卒業予定者の内定率も発表されている。その値も大卒予定者同様上昇を示している。中高生の各種データは次の通り。

■高校新卒者
・求人数は25.5万人。前年同期で12.5%増
・求職者数は16.4万人。前年同期で0.9%減
・就職(内定)者は16.1万人。前年同期で0.6%増

■中学新卒者
・求人数は1588人。前年同期で19.6%増
・求職者数は1089人。前年同期で2.5%減
・就職(内定)者は663人。前年同期で同数

中高生とも求人数が大きく増加する一方、求職者数(求職率)が減っている。少子化の影響に加え、進学を選択する人が増えているものと考えられる。求人倍率も中高共に1.0倍を超えており(高校は1.56倍、中学は1.46倍。それぞれ前年比で0.19ポイント・0.27ポイントの増)、求職者にとっては好ましい環境下に違いない。もっとも求職者全員が内定をもらったわけでは無く、企業・求職者双方のマッチングを考えれば、さらなる状況改善に期待がかかる(ただしあまりにも求人倍率が上がりすぎると、今度は企業側の人材不足が深刻化してしまうのだが)。

また、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高いことでも知られている。内定率そのものは高くても、定着率が低ければ、企業も学生も双方とも不幸となる。企業側の人手不足が深刻化する昨今、「仕方なくこの企業を選ばざるを得ない」という状況も減りつつある。定着率も上昇し、より健全な、雇用・被雇用双方が望む状況に移行しながら、就職内定率が上がるよう、望みたいものだ。


■関連記事:
【戦後の学歴別就職率の推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)】
【大学生の就職状況をグラフ化してみる(2013年)(最新)】
【大学進学率をグラフ化してみる(2013年)(最新)】
【大学卒業後の就職先、「正社員で無くても就職できれば」を肯定する親は1割足らず】
【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー