世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる

2009/11/03 16:00

先日調べ物をしていたところ、非常に興味をそそられる書籍が目に留まった。去年の10月に発売された『世界主要国価値観データブック』なるものだが、世界各国の国民の意識・価値観の多様性を、多種多様な調査項目から紹介するデータ集だという。日本人の、あるいは他国の人たちとの特異性などを推し量れるデータが図や表で盛り込まれているとのこと。今後の記事構成や考察に役立つものも多いだろうと判断し、早速アマゾンで購入。今回は手に入れた同紙から、「これは今後他の記事でも役に立つはずだ」とチェックをした項目の中でも最上位にあたる、「主要国における新聞・雑誌やテレビ(要はマスコミ)に対する信頼度」についてグラフ化してみることにした。

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今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは2005-2006年にかけて行われており、該当冊子は先行して集計が終わった25か国分のデータが収録されている。

今回グラフ化するのは、資料編に掲載されている「組織・制度への信頼」のうち、「新聞・雑誌」と「テレビ」、いわゆる「既存マスメディア・マスコミ」に対する信頼度。選択項目として「非常に信頼する」「やや信頼する」「あまり信頼しない」「全く信頼しない」「わからない」「無回答」が用意されているが、このうち「非常に信頼する」「やや信頼する」を足して、そこから「あまり信頼しない」「全く信頼しない」を引き、各メディアへの信頼度(DI値)を算出することにした。要はこの値が大きいほど、その国では対象メディアが信頼されていることになる。なお「新聞・雑誌」においてイラクは調査が行われず、表からは除外してある。

世界各国における新聞・雑誌への信頼度(2005年)(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)
世界各国における新聞・雑誌への信頼度(2005年)(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)

世界各国におけるテレビへの信頼度(2005年)(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)
世界各国におけるテレビへの信頼度(2005年)(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)

ぱっと見で分かるのは、日本は先進諸国の中ではずば抜けて、そして全体でもかなり上位に位置していること。特に「新聞・雑誌」においては「妄信」に近いレベルとなっている。【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】にもあるように、日本国内では特に高齢者の方が新聞などの既存紙媒体のメディア、そしてテレビを信頼する傾向が強い。この傾向は世界各国どこででも同じようなイメージがあったが、実は日本だけの傾向の可能性はある(アメリカでも【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】にあるように、高齢者の方がテレビ視聴時間は長い。にも拘わらずテレビへの信頼度が全体として低いままなのは、「テレビは信頼できないもの」と割り切った上で、娯楽として視聴しているからなのだろう)。

また、国の名前の並びを良く見ると気がつくことだが、全般的にアジア系諸国は「新聞・雑誌」「テレビ」への信頼度が高い。メディアや情報に対する考え方が根本的に違うのかもしれない。



今調査はあくまでも2005年当時のもので、インターネットの普及が進み既存メディアの権威が相対的・絶対的に下落し、日本に限ればさらに各メディアの体制構造上の問題の露呈(例えば押し紙問題や、いわゆる「WaiWai事件」に代表される「自国を意図的に卑下する」ことを肯定する情報を世界にこっそりと配信していたこと)を起因とし、多少違った値を示す可能性は高い。とはいえ、各国における全般的な傾向は十分につかみとれることができるはずだ。

マスコミは司法行政立法に続く第四の権力と呼ばれることがある。西洋社会においては今調査結果のように、視聴者側の割り切り・実態の把握が出来ているからこそ、適切な力の発揮に留まり、すぐれたバランスを維持している。しかし日本においてはあまりにも影響力が大きすぎ、きわめて不健全でアンバランスな状態にあるのかもしれない。

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