「日本は安保理の常任理事国入りすべき」増加する米有識者の同意意見

2013/12/23 20:00

外務省は2013年12月19日に同省公式サイト内において、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団のうち有識者においては、日本が国連安保理の常任理事国となるべきだと思う人は76%に達したことが分かった。その理由として賛成派の中でもっとも多くの人が挙げた理由は「信頼できる同盟国であるから」とするものだった。一方反対派の最大理由は「そもそも安保理の常任理事国を増加すべきではないと考えているから」だった(【発表リリース:米国における対日世論調査(結果概要)(2013年)】)。

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「日本の常任理事国入り」賛成の有識者は76%


調査概要に関しては今調査に係わる先行記事【アメリカの日本への一般人信頼度76%・有識者は93%で過去最高値(2013年)(最新)】を参考のこと。

国際連合の主要機関の一つ、安全保障理事会(安保理)は、アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国で構成される常任理事国と、非常任の理事国10か国(2年毎に改選)で構成されている。ここ一、二年は動きが静かではあるが、今世紀に入ってから前者の常任理事国について、数か国を追加すべきではとの議論が持ち上がっている。

これに絡み、日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか否かについて、今調査対象母集団の有識者に聞いた結果が次のグラフ。2007年から問い合わせの対象としているので、グラフも2007年以降のみとなっている。

↑ 日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか(有識者)
↑ 日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか(有識者)

直近2013年においては76%が同意を示し、反対意見は16%に留まっている。単年で見れば非常に高い値で、経年動向を見ても徐々に上昇していたところから急激に増加したように見える。

これまで各記事で分析した内容と合わせて、仮に今2013年分のデータが過去のものと連続性・継続性があるとすれば、アメリカは日本に対し、経済力と共に軍事力(防衛力)を強化し、常任理事国入りすることで外交力とその実務手段の一つとして行使しうる軍事力という手立てを入手し、これまでの日米安保にすがりきりの日米関係から、もう少し自立すべきではないかと考えている……という結論に落ち着く。

しかしながら【アメリカから見た一般の日米協力・相互理解関係の推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)】で解説した通り、今年2013年分のデータについては、過去の値との連続性に嫌疑があるため、その結論に落ち着くのは早急に過ぎる。可能性の一つとして留めておくべきだろう。

賛成派・反対派、それぞれの理由


それでは日本の常任理事国入りを肯定している人、否定している人たちは、どのような理由でそのジャッジを示したのか。それぞれの派の人限定で、選択肢の中から理由を複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 日本の国連安保理の常任理事国入りに賛成・反対する理由(それぞれの回答者限定)
↑ 日本の国連安保理の常任理事国入りに賛成・反対する理由(それぞれの回答者限定)

まず第一印象としては、肯定派の方が理由が多数に及ぶこと。回答率がいずれも高い結果となっている。また、肯定派では明確な「日本だからこそ」との理由が上位を占めているものの、否定派では「日本云々では無く、常任理事国を増やしてしまうこと自体に問題がある」という前提レベルでの話が最上位になっている。否定派の第二位も(具体的国名は掲げられていないが)「日本にOKを出すと、同時に『この国はマズイだろ』的な国も安保理入りを求めてくる、せざるを得なくなる可能性が生じてしまう」という危惧が挙げられており、日本そのものの問題ではないことが分かる。

否定派もその理由の多くは、日本の資質そのものに問題があるのではなく、環境上から否定している場合が多い。今件調査に限れば、そのような解釈をして問題はないだろう。



今件調査に関する一連の記事で繰り返し触れているが、そして上記でも言及している通り、今2013年分調査については、これまでの調査との連続性に関して、やや確からしさの点で疑問符を投げかけざるを得ない状況にある。今項目においても、突然日本の常任理事国入りへの賛意が20%ポイント近く上昇しており、他の項目と合わせて考察すると、「2013年においては日本に対し、急速に、日本の経済発展に伴う軍事大国化・常任理事国入り・日米安保の規模縮小をアメリカの一般人、有識者は求めるようになった」との解釈が出来てしまう。

しかしこれは日米を含めた世界情勢、そして他機関の調査結果を合わせて考えると、正確とは言い難い内容である。来年以降の調査結果を待ち、再度検証をした方が無難と言えよう。


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